【問題】修正してくださいの結果発表です
詳しくは出題篇を読んでいただくのがよいのですが簡単に説明します
出題図

25角 同香 54飛まで3手詰
ただし25角 同香 38龍でも詰む
通常の詰将棋ではこれは最終手からの余詰なので容認されています
しかしあくまで容認であって余詰であることには違いありません
本作は初心者向きの「詰将棋ドリル(初級)」に掲載する三手詰なので修正してくださいという問題でした
この出題に対し8人の方から反応がありました
ありがとうございます
厳しいことを書くかもしれませんがこのような催しに参加される勇気を称えて全員お名前つきで発表します
選外
Alexander

作意不変
創作の経験がある方は出題図が選ばれた理由がお解りだと思います
すなわち作意25角に間駒をされたときに18飛まで1手で詰ます必要がありますから例えば玉方37歩を配置するとか46歩を香にするなどの38龍を直接消すのは難しい状況だということです
そこでAlexさんが選んだのは39龍を39金に変更するという方針
69および59を守る配置として99飛を追加しています
これで98飛という誘い手は生じましたが余詰を消すために37桂および87桂の配置も必要になってしまいました
松田圭市(案1)

24角 同香 53龍まで3手詰
(案2)と交換してくれということでしたが創作初心者の参考になると思いますので(案1)も使わせていただきます
38龍を消すために玉を一段上げて49龍としています
初手39角という手がありますので59銀の配置が必要になってしまうのが痛いところです
なお一段上げることで下段に逃げ道が増えますから同じ発想で次の図も成立しています
松田圭市(別案)

24角 同香 53龍まで3手詰
3手目37龍なら58玉で逃げ道が広大ですので詰みません
しかしやはり初手39角に対処するための配置が1枚必要になってしまいます
洲崎童波

作意不変
余詰順は24角 同香 38龍 59玉 54飛まで5手詰です
38や48に玉方の利きを作れないのなら58に作ればいいじゃないかという発想です
出題図の69とを銀に変更しただけ、駒数も増えていないし理想的な修正図です……しかし世の中はなかなか甘い物ではないのです
柿木将棋で余詰検索をかけてみると 49角 59玉 27角 58玉 18飛 67玉 69龍(!) 以下の余詰を教えてくれます
先に18飛とすれば更に歩1枚入手できますからもっと楽かもしれません
なお69角にしてもやはり同じ順で余り詰めが発生します
入選
松田圭市(案2)

24角 同香 53龍まで3手詰
案1の59銀という「余詰防ぎの意味しかない配置」を嫌って49龍を49香と弱めたことで初手39角の余詰を回避しています
使用駒数も出題図と同じ盤面8枚ですから文句ありません
少し紛れが欲しい気もしますが初心者向きですので初手35角は46桂で逃れこれだけで充分かもしれません
余詰を修正するのに駒数を増やさないこれは必ずしも必要条件ではありませんが駒を節約することは身につけておいた方が絶対役に立つ心がけです
次に紹介する2案は余詰を修正するだけでなく使用駒数も減らしてくれました
単に余詰を修正するだけでなく「もっと推敲を尽くす」姿勢が素晴らしいです特選としましょう
特選
有吉弘敏・シナトラ

作意不変
まったくの同一図がお二人から送られてきました
「衝突もあるかな」と思っていたのですが期待通りに起こるとは驚きでした
38龍には69玉で耐えようという発想そのために玉の囲い駒を見直しています初手49角 59玉 27角 58玉 18飛までといった誘い手も増えています。
それでいて盤面駒数は7枚と出題図より1枚少ないではありませんか
これぞ余詰修正という見本ですね(遺作集の余詰修正をしているわけではありませんので)
驚くのはまだ早いですなんと次の図もお二人から送られてきたのです
佐々木浩二・ミーナ

25角 同香 64飛まで3手詰
盤面配置はさらに1枚減って6枚です
右下から角を打つ紛れは消えましたが代わりに左上から角を打つ紛れが入っています
「ここまで変えたら修正図というより別作だな」とこの図を得ながらも投稿を控えた方も何人もいらっしゃるかもしれません
(はじめての出題形式なのでいろいろ曖昧なのはお許しください)
変わった解決法と風みどりの修正図
シナトラ
案1:39龍の利きを69まで通しておけば38龍には69玉で耐えられる
駒数も減って自然な改案と言えそう
案2:後手香を馬に代えても同じ意味付けで限定打が出せる
これなら馬が46に行ったときに68に利くので48龍には69玉65飛68合で詰まないちょっと変わった解決法
案1は有吉さんとの同一図ですね
案2について敷衍します
ここまでの修正図は右上の攻方の飛(龍)を玉方の香が閉じこめているという構図には変更がありませんでした(角の限定打の意味付けは同じ狙いがすでにたくさんあるのでそこを変更したら別作になってしまうという配慮かと思われますが)
しかし実際の作図作業で修正図を考える際にはとても大事な視点だと思います
シナトラ

46角 同馬 65飛まで3手詰
そしてこのメールを読んだとき案1は有吉さんと衝突してそうなのは図を見なくてもわかりましたが案2は筆者が用意してあった修正案とぶつかっているのではないかとドキドキしました幸い(?)同一図ではありませんでしたがほぼ同じでした
それで風みどりが作った修正図はどんなんだったかというと次図です
風みどり

55角 同馬 23龍まで3手詰
55角 同馬 48龍には29玉で55馬が28と99に利いているという仕組みです
「詰将棋ドリル(初級)」にはこの図を掲載しました(あれ? ミーナさんは見ているはず)
しかしどうせなら佐々木・ミーナ案も取入れて次図はどうでしょうね。
風みどり

55角 同角 13龍まで3手詰
これなら新作として「三手詰祭11」に投稿できるかも……いやいやここまで駒数を減らすと小林敏樹さんとか奥鳥羽生さんあたりと同一図でぶつかる危険が大きいです(なかったら「詰将棋ドリル(中級)」に使おう)
(追記 2026.07.03)
やはりありましたほぼ同一図この図があっては上図は屑籠行きですね
不透明人間 『日めくり詰め将棋カレンダー2012』

55角 同角 13飛成まで3手詰
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最後の図についてはいろんな配置が考えられますね。ちなみに私が『日めくり詰め将棋カレンダー2012』で発表したのは 19玉22角36銀/27龍93飛/角。新作というより例題のようなつもりで投稿した記憶があります。
やはりありましたか。
実はこのエントリーをあげてから『詰めてみよう作ってみよう2』を読みなおして見当たらないからちょっとホッとしていたところでした。
追記しておきます。
こういう場で一流作家という言葉はどうなのでしょうか?
特選以外は二流以下とも受け取れます。
そうですね。書き直します。
どこまでを修正とよぶか。なにもないと歯止めがありませんが、明記するのは難しい。
私は(勝手ですが)飛香の並びを変えない、というルールで作りました。87角、78との紛れがわずかですが主張です。
その意味で、さいごのお蔵ネタと佐々木氏の案とは、異なる作品としてもよいのでは、と考えます、
(そうでもしないと、新作はつくれません…)
遺作集の余詰作を修正しているわけではありませんからね。まぁお遊びです。
このような作図力の差があからさまになるような遊びに付き合ってくださる方は詰将棋を本当に楽しんでいる方だと思いますので尊敬します。
また近々やりますのでよろしくです。
ところで佐々木・ミーナ案ですが、初手87角に78との逃れはお洒落ですけど、29角合があるから普通に78歩合でも逃れていません?