第11回 三手詰祭
  結果発表(その4)

第46問 Александр Калёнов 

正解 56角、同龍、43龍まで3手詰

59王は67角以遠打と65龍の余詰を消すための配置です。
筆者のような老頭児は双玉はフェアリーだと思っているので、単玉で実現できる作意を双玉で表現する意義がよく理解できないのですが、このように自然に王を使う中から、また新しい展開が生まれてくるような期待もあります。
★★

占魚亭 焦点打一発。
あああああ 角短打が好手。
negitarou 焦点の「角」ですね。
川蝉 56角限定打が値千金!
上谷直希 逆王手を避けるための角短打。

第47問 シナトラ 

正解 77銀、\(\cases{
同馬、44桂\\
57玉、64桂}\)  まで3手詰

作者 跳ね違いを表現するのに、あえて攻方ラインを2本用意してみた。

56桂の跳ね分けを変同を利用して表現しています。作者にはすでに4通りの桂馬の跳ね分け作品がありますから驚きませんが、安心して楽しめる作品になっています。本作も双玉を利用して自然に余詰を消していますね。
★★

松崎一郎 初手77銀捨てが鮮烈。
あああああ 取ったら右へ、逃げたら左へ。
川蝉 馬の強力な守備力をいかに弱めるか悩ましい。
洲崎童波 どちらの飛車を使うかで跳ねる方向が変わる。綺麗にできています。
上谷直希 どちらのバッテリーでトドメをさすかでどちらに桂を跳ねるかが決まる。

占魚亭 桂の盾で馬/香のラインを塞いで合駒を防ぐ。応手によって跳ねるマスが変化するのが良いですね。

第48問 川蝉 

正解 76角上、48龍、86歩まで3手詰

初手86歩は43龍で逆王手の逃れ。(図らずもまたも双玉利用の余詰消し)
76角上と角を連結させておいて86歩でとどめが正解でした。
★★

占魚亭 角を連結。
あああああ 連結させて合効かず。
negitarou 初手・86歩では失敗!
松崎一郎 そっと歩を突き、したり顔。
洲崎童波 二発目の弾を装填しておく。
ミーナ 逆王手を防ぐ角の連結。珍しいねらい。
有吉弘敏  なるほど。初手を入れる事で、最終手の歩突きができるのか。

第49問 看空 

正解 43香成、同玉、56馬まで3手詰

最終手の限定移動が狙い。
いや55(35)馬の紛れに対して45金の受けが狙いでしょうか。
冒頭2手がもう少し面白い手だったら星をたくさん集めたことでしょう。
それにしてもこのように三手詰で3手目もしくは4手目が狙いということがあるのですから、最終手余詰作が許容されているとその狙いが伝わらなくなる危険がありますね。次回からは最終手余詰は不許可にしましょうか。
★

占魚亭 馬の盾で香をガード。
あああああ 空き王手をしながら47香のピンをはずす最終手が印象的。

第50問 シナトラ 

正解 14角、67桂不成、27金まで3手詰

バッテリーが2台。しかし開く順番は明確です。14角に47合は同香まで。67桂成も47香まで。26玉が見えにくいですが46香までで詰んでいます。いずれも持駒金を使いません。あれ? と考えてもらおうという作品。大好評でした。
★★★★

松崎一郎 角筋確保し飛車筋遮断。
新井大輔 桂生に気づくのに一苦労
洲崎童波 左下に引くのも一瞬考えました。
有吉弘敏  そうか。作意は2手目67桂生か。
空貴人 26玉の変化に備えた初手の限定移動
あああああ 限定移動に対して不成という応酬が綺麗。
占魚亭 角の移動場所悩ましい。2手目桂生もいい感じ。
上谷直希 言いたいことは分かる。2手目桂生の3手詰は珍しいですか?
作者 不成に挑戦したが、発展性に乏しいテーマとしか思えなかった。

本作も双玉なのは最終手余詰を防ぐ意味。
初手は第一感だと思うが評を見るとそうでもないのは64飛の配置の作用でしょうか。64飛は初手25角の余詰に対処する駒で、筆者だったら13歩(守)を選びそう。それをあえて64飛と置くことで初手65角を誘ってるのでしょう。なんと狡猾な作図技術!

第51問 シナトラ 

正解 36馬、\(\cases{
55玉、54金\\
同と、45金\\
同桂、56金\\
同玉、47金\\
57玉、58金}\)  まで3手詰

作者 図形の研究その3「金の稲妻」。変同は5通りあるとそれっぽくなる。

詰将棋に慣れた人には初手は第一感。2手目の応手5通りで金のうち場所がξのようにジグザグになっています。
★★★

占魚亭 焦点に突撃。
有吉弘敏  36馬は、すぐに見えるが、気持ち良い。
negitarou 金をどこに打つか?
あああああ 金をジグザグに打ち分ける。
ミーナ これも5種金打。こんどは波形。
小林敏樹 逆Sの字の5か所金打ち。43番より上か。

第52問 sugisho 

正解 55銀、\(\cases{
同飛寄、34金\\
同飛引、43金\\
同玉、54金\\
33玉、32金}\)  まで3手詰

作者 玉方の応手によって金の打ち場所が変わるのが狙いです。たった4変化のためにここまで汚い配置にしなくても実現できる気はしますが、私の実力ではこれが限界でした。

シナトラ作と同じ狙いだったのですが、「人」型なので画像は作りませんでした。あしからず。
実は別案では同玉に45金だったので「S」型だったのですが、作者は駒数が少ない本図を選びました。

松崎一郎 盤心に銀を捨てる。
negitarou 焦点の「銀」ですね。 
あああああ 四通り?楽しめる作品。
占魚亭 飛車で取る2手順が主眼でしょうか。
洲崎童波 もう少し配置がなんとかなりそうに思える。
小林敏樹 最終手金の4か所。攻方のラインを開ける応手を入れないと、5か所にはできないのかも。

第53問 あああああ 

正解 37成香、\(\cases{
15玉、16歩\\
17玉、27成香\\
同玉、36成桂\\
35玉、25成銀}\)  まで3手詰

あああああ 自作。性懲りも無くまた挑戦してみました。

狙いを読み取るのが難しいタイプの作品。
★★★

新井大輔 何とも凄い四択
松崎一郎 ???成駒の競演?
有吉弘敏  小駒成駒は何か理由があるのか・・?
洲崎童波 玉のスターフライトですが、色とりどりの成駒の意味はなんだろう。
negitarou 二手目の玉の位置が四角形(□)、三手目の位置も四角形(◇)ですね。
占魚亭 star-flight。小駒成駒3種使用の理由はあるんだろうけど分からない。
ミーナ アイデアはすごい。成駒3枚使ってやるかなあ。
小林敏樹 4種類のcyclic Zilahi。なるほどです。
作者 変同利用のcyclic Zilahiです。なんとなく思いついたアイディアを図面に起こしたら、ほとんどそのまま成立していました。テーマについては普通にやっても気付かれなさそうなので、成駒の種類を変えて「歩→杏→圭→全」のサイクルであることをアピールしておきます。

説明しやすくとてもありがたいです。全部「と」や「金」だったら番号つけなければなりません。
cyclic Zilahi とは—
歩を取ると杏で詰み。
杏を取ると圭で詰み。
圭を取ると全で詰み。
全を取ると歩で詰み。—と循環している面白さを表現していることです。

第54問 あああああ v b) 29香 ⇔ 35飛

正解 
a) 15龍、35玉、14角まで3手詰
b) 14角、35玉、15龍まで3手詰

同じような詰上がりに至るのですが、a)とb)で初手と最終手が入れ替わっています。回文詰というのがありますが、これは前から読んでも後ろから読んでも正解?といった感じですね。もしこれが2解だったらだの手順前後の余詰作としか見えないと思います。本作の場合は2つの駒を交換するというツインで、飛と香という前方に関しては同じ性能を持つ駒を入れ替えることで初手と3手目が入れ替わるのはなぜだという面白さが本作の主張だと思われます。
こういうツインもあるのですね。
★★

あああああ 自作。3手目に空き王手/直接王手の対比があったりもします。
洲崎童波 2解の対比が美しく、ロジックも明快で、ツインとして理想的な表現。
占魚亭 飛と香の位置の違いにより初手(15龍、14角)の成否が分かれる。
小林敏樹 プロブレムで言うところのReversal? 詰将棋での実現は珍品。
上谷直希 手順の対照性はイマイチだが、結局同じ角龍の組み合わせで詰ませているのは面白い。 変化の43角成がなかなか見えず一番苦戦したかもしれない。

作者 2手目が共通のまま、初手と3手目が入れ替わるツインがテーマです。
また、a)を単体で見たときには、14角、35玉、15龍という紛れ手順(実際は2手目25桂合で逃れ)が含まれています。この本手順・紛れ手順の着手の入れ替わり(Reversalというパターン)も見てほしいので、タイトルに”v”を付けています(”v”は「見てほしい紛れがひとつある」の意のようです)。b)も同様に、15龍、35玉、14角という紛れ手順(2手目同玉で逃れ)と本手順でReversalになっています。

第55問 風みどり 

正解 17角、同龍、27角まで3手詰

[三手詰祭11]のフォルダを開いたらこのファイルが置いてありました。まだ作品募集する前だったので、恐らく『詰将棋ドリル初級』向けに三手詰を量産していたときに最終手余詰が消えずダメとこのフォルダに入れておいたんだと思います。それで恐る恐る自分の名前で出題してみました。(今のところは「俺の作品を盗んだ」という苦情はないので大丈夫でしょう)
2手目44合は73龍までで詰みという主張です。一時流行った間接両王手—63合は同角成までで駒余りだから無駄合という判断ですね。
★★★

新井大輔 3手一組の好手順
川蝉 初手17角が妙手。
占魚亭 角の盾で香のラインをガード。
上谷直希 これは3手詰でいいのかな? 笑
小林敏樹 2手目44歩合は変長…に一票。
negitarou 二手目・44合駒には間接両王手? 
洲崎童波 角の動かす順序を逆に考えて大苦戦しました。
石川和彦 俗手っぽい初手が良く角の引き場所で引き締まる。
有吉弘敏  悩んだ。2手目44合は73龍で詰みという事・・。苦しいかも。
あああああ 龍をズラせば解決…と考えていましたが、もしかして変化処理がやっかい?
ミーナ 風さんもこういうの作るんだぁ。初手が絶対では73龍の味悪をカバーできない。

第56問 シナトラ 

正解 78飛、64と、65桂まで3手詰

作者 間に3枚挟まっているところへ限定移動で、最後はダブルピンメイトになる。3手詰での最大であり、発表価値があると思う。参考作は初形で間に4枚挟まっている第10回三手詰祭第72問。ちなみに初手24飛は64と、同角、同桂、74歩、同角、23飛成、63角で逃れる。

64しか動けない玉。ここが埋まれば82銀生で簡単に詰みです。そして右下隅にはまさに64方向から角の王手ができるバッテリーが配備されています。問題は28飛をどこに動かすか。
非常に明快な問題設定が解答意欲を奮い立たせます。やはり詰将棋は解いてもらってナンボ。大好評で星6個ゲットしました。
★★★★★★

あああああ 3枚挟めるのか…
松崎一郎 身を潜め好機待つ飛車。
占魚亭 綺麗なダブル・ピンメイト。
川蝉 初手の飛移動の場所が想定外でした。
小林敏樹 ambushというやつね。いい感じ。
上谷直希 どことなく前回の馬屋原氏作を思い出す。
新井大輔 バッテリー形成とダブルピンメイト発生が巧み
洲崎童波 76銀「えっ、僕は動いちゃダメなんですか?」
有吉弘敏  24,23,22、68と考えて、78飛は一番最後に考えた。7筋の配置が多いのでカムフラージュに成功している。

第57問 竹野龍騎 

正解 63角成、\(\cases{
同玉、54銀\\
42玉、54桂}\)  まで3手詰

作者 受方52香のピン2通り。最終手は同一マス。

詰将棋でも「対子図式」など意義がわからない用語がありますが「ピンメイト」も筆者には何が面白いのか理解できていない用語の一つです。52香をピンするのに角と龍がそれぞれ機能するというのが面白いのでしょうか。55王の意味もピンときません。45銀を金にすれば55王は省けるなと考えてしまう旧皮質です。
★★★

ミーナ 55王は65歩でも同じ
negitarou 甘んじて逆王手を受ける。
あああああ どちらに行っても返し技でトドメ。
堀口一雄 逆王手を気にして初手の63角成が見えない
小林敏樹 54銀/桂によるピンメイト。もうひと味あれば…。
占魚亭 ピンメイト×2。同じ地点への着手で詰ます所も巧い。
空貴人 ピンメイトを利用した作品が多くある中、変化手順にも線駒が関係してくる形は印象に残った

補足しますと「フェニックス」も持駒ルールのある詰将棋で何の意味があるかわからない用語でした。若島正作を見るまでは。尤もあの作品以外まだ意味を見いだせませんが。今に「なるほどピンメイト!面白い」という作品に出会えることを楽しみにしています。

第58問 あああああ 

正解 47銀、25玉、36龍まで3手詰

さて本作も解くことよりも作者の狙いをカンパすることが難しいタイプの作品です。
正解は最後に。

あああああ 自作。これ以上は無理?
新井大輔 見えにくい47銀
占魚亭 銀の盾。27玉に対処できる地点に移動させる。
有吉弘敏  最終手は、7段目で飛車の効きを利用した銀の開き王手で見たかったかも。。

作者 テーマは「玉に退路を与える」です。前回(第10回第63問)は退路が1→4でしたが、今回は0→5となります。前作には思いっきり先行作がありました(関勝寿氏作「近代将棋」昭和62年1月/第六回年間最優秀三手詰賞)が、今回は形が重いし手も弱いので大丈夫じゃないかと思っています。詰将棋としては弱くなりましたが、テーマの描き方としては妥当なはず…

第59問 あああああ 

正解 25飛、\(\cases{
46龍、56歩\\
46と、44馬}\)  まで3手詰

作者 テーマ:Anticipatory Pin 第10回三手詰祭第85問のシナトラ氏作を見て、こういうものもanticipatory pinと呼ぶのか気になったので試しに作ってみました。受方が移動合によって自らピンされにいくという、不思議な手順になったと思います。飛車の利きを遮断している2枚から1枚が移動合で抜けるという構成のため、変同利用にしてどちらを移動合してもピンメイトが成立するようにしてみました。

Anticipatory Pin とは直訳すれば「予期してのピン」でしょうか。ピンはまだわなんとなくわかりますが、セルフピン、ハーフピンとこられると筆者にはお手上げです。そのうちこの祭の解説もどなたかに依頼する必要がでてくるかもしれませんね。
★★★

上谷直希 用意周到。
新井大輔 65歩を取らせない妙防
堀口一雄 逆王手と突歩詰が面白い。
占魚亭 ピンメイトとWピンメイト。
有吉弘敏  56番を考えた後だったので、わかりやすかった。
小林敏樹 56番と同テーマ。間に3枚はさまる56番がまさる。
洲崎童波 56番と似た雰囲気。3枚挟まっている分、56番のほうが良いか。
あああああ 自作。第56問の作り方は考えませんでした…

第60問 シナトラ 

正解 63と、84角、76銀まで3手詰

作者 玉方に3ラインあるが、角はピンされるので実質2ラインを止める問題。第8回三手詰祭第33問のバージョンだが、本作のほうが出来が悪い。

33玉と逃げられるのでとどめ駒は99角とみて間違いないでしょう。そのために3手目は77銀を動かすことになるのですが、香2枚と角1枚が99-44ラインに利きを持つことになりそうです。1枚は初手で64とを動かして塞ぐとして2枚目は77銀。でももう1枚はどうするの? という問題設定です。
★★★★★

占魚亭 と金の盾&銀の盾。
ミーナ 76銀か86銀か態度保留の63と
川蝉 64との移動先たくさんで迷いました。
有吉弘敏  2手目65とは、64合で不詰めという事か。
松崎一郎 守り駒を一枚づつ機能停止に追い込む構想が秀逸。
洲崎童波 他の解と見比べたときに33玉の変同の位置付けがわからなかったです。
あああああ 先に銀を動かすと、後の63とに対して都合のいい手を選択される。そのため、銀を保留して先にと金を動かす。

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