「1_詰将棋」カテゴリーアーカイブ

詰棋書紹介(11) 詰の花束


岡田敏 将棋天国社1995.5.1

超弩級の作品集である。
今まで1冊で最も多くの詰将棋を掲載しているのは信太弘「詰将棋工学母艦」の1000局だと思う。(浦壁さんから反論が来るかな?)
しかし工学母艦はアンソロジー。

この「詰の花束」は個人作品集なのに618局も載っている。
コストパフォーマンス最強である。
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詰将棋雑談(1) 「死と乙女」

「詰将棋入門」を書いていて、これは入門の範囲をちょっと超えているから書くのは止めよう、ということがある。いや、そうじゃないな。入門だからよけいなことをごちゃごちゃ書かないようにしたい、この方が正しい。わかっていても、ついつい余計なことを書いちゃうんだけどね。
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詰将棋入門(28) 易しい龍追い

里見義周 闘魚 第49番 将棋月報 1973.4

里見義周といえば駒の一般機能表というのが筆者の印象だった。この表はじっくり読むと、なかなか創作の役に立つ。
つまり学究派の理論家というイメージだった。

ところが作品を並べてみると、実に易しく楽しい作品を作られる方で、イメージとのギャップに驚いた。

選んだのは龍追い。看寿の「寿」のような超大作ではない。

盤に並べて龍で王様を追いかけてみると…多分詰みまでいくはずだ。

ただし、何手で詰んだかが問題。
逃げ方を間違えると早く詰んでしまう。

105手になったら、正解だ。

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詰棋書紹介(9) 詰のオルゴール

プロ棋士の(引退されても過去形にしなくてよいんだよね)伊藤果八段の詰将棋作品集。
プロ棋士の本だったらamazonで買えるのではないかと考えられるかも知れない。
でも、伊藤八段にはamazonでは買えない詰将棋の著作が2冊ある。
1冊は野口文庫の「残影」1976.3.10。
そしてもう1冊がこの「詰のオルゴール」将棋天国社 1996.7.1だ。
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詰将棋入門(27) 邪魔駒消去

小林豊 将棋月報 1944.2

本作は将棋月報の廃刊号に載ったため解答発表がなかったという。(心痛む)
近代将棋で再発表されたとのこと。

テーマはエントリーのタイトルに書いてしまったが邪魔駒消去。

この作品は三百人一局集で門脇さんの紹介で知った。
傑作だと思う。

初見の人はラッキーだ。自力で解けるのだから。
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詰棋書紹介(8) 北斗


北斗 著者:川崎弘 将棋天国社1986.10.10

言葉というものは生き物だ。
筆者もいろいろ試みているが、未だ詰将棋界に定着した用語は一つもない。
巨椋鴻之介の「フォルム」や「フィギュール」も定着する様子はない。

川崎弘はこう書いている。

「不利感」の概念と用語を詰棋に導入したのは私。

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