「詰将棋入門」タグアーカイブ

詰将棋入門(28) 易しい龍追い

里見義周 闘魚 第49番 将棋月報 1973.4

里見義周といえば駒の一般機能表というのが筆者の印象だった。この表はじっくり読むと、なかなか創作の役に立つ。
つまり学究派の理論家というイメージだった。

ところが作品を並べてみると、実に易しく楽しい作品を作られる方で、イメージとのギャップに驚いた。

選んだのは龍追い。看寿の「寿」のような超大作ではない。

盤に並べて龍で王様を追いかけてみると…多分詰みまでいくはずだ。

ただし、何手で詰んだかが問題。
逃げ方を間違えると早く詰んでしまう。

105手になったら、正解だ。

続きを読む 詰将棋入門(28) 易しい龍追い

詰将棋入門(27) 邪魔駒消去

小林豊 将棋月報 1944.2

本作は将棋月報の廃刊号に載ったため解答発表がなかったという。(心痛む)
近代将棋で再発表されたとのこと。

テーマはエントリーのタイトルに書いてしまったが邪魔駒消去。

この作品は三百人一局集で門脇さんの紹介で知った。
傑作だと思う。

初見の人はラッキーだ。自力で解けるのだから。
続きを読む 詰将棋入門(27) 邪魔駒消去

詰将棋入門(26) 大道棋

大道棋とは詰将棋に淫した人が最後に辿り着く圏だ。

通常、詰将棋は似た作品があったら「類似作」と排除の方向に動く。
狙いの筋だけでなく、最後の収束まで綺麗に創られている作品を賛美する。
誤解者が多いと「それは作者の本意ではない」という雰囲気で解説される。

大道棋では、これらの綺麗ごとをすべて一掃する。
続きを読む 詰将棋入門(26) 大道棋

詰将棋入門(24) 龍鋸

前田三桂 詰将棋第一部集第1番 1937.1

この連載では既に三代宗看の馬鋸を2局、紹介した。

馬ノコと対になるのが龍ノコだ。

作者は「へたの横槍」で有名な前田三桂。
龍鋸第1号として発表されたが、後に久留島喜内に龍鋸作品があることが発見された。

続きを読む 詰将棋入門(24) 龍鋸

詰将棋入門(23) 塚田少年の初入選作

塚田銀波 将棋月報 1926.12

塚田少年と書いて通じるだろうか。
塚田恵梨花ではないのはもちろん、塚田泰明でもない。

塚田正夫実力制第二代名人のことである。

近代将棋誌(休刊中)の「塚田賞」の塚田だ。

その塚田名人が12歳の初入選作だそうである。
続きを読む 詰将棋入門(23) 塚田少年の初入選作

詰将棋入門(22) 周辺巡り

今田政一 詰将棋パラダイス 1969.9

最近はスイッチバックとかルントラウフとかチェス・プロブレムから輸入した駒の軌跡をテーマにした作品も増えてきた。(昨日の創棋会の課題も!)

詰将棋における駒の軌跡テーマで昔からあるのは玉の周辺巡り
初形95におわす玉が四隅を巡って戻ってくる様子を愉しまれたい。

続きを読む 詰将棋入門(22) 周辺巡り

詰将棋入門(20) 酒井桂史の小駒趣向作

酒井桂史 「将棋王玉篇」 第51番 1938

大駒を使用していない小駒図式。
易しく楽しい作品なので是非挑戦してみることをお薦めする。
初手、桂馬をどっちに成るか悩むが、そこは悩まないで大丈夫(後述)。

続きを読む 詰将棋入門(20) 酒井桂史の小駒趣向作