添田宗太夫 将棋秘曲集 第82番 1752
再び、添田宗太夫です。
今度は大きな形ですが、手順は初心向き。
安心して、まずは考えてみてください。
江戸時代は今まで紹介したような作品ばかりかというと、そんなことはない。
本局は駒数も少ないし、なにより易しい。手数も短い。
では、作者はこの作品のなにを狙いとしているのだろうか。
続きを読む 詰将棋入門(6) 「一の字」
天才・伊藤看寿の作品4局を並べたが、その兄の三代伊藤宗看も「将棋無双」という作品集を残している。
その中から1局だけ紹介するとしたらこの第70番だ。
続きを読む 詰将棋入門(5) 歩頭の馬鋸
巻尾は「寿」と後世の人に称えられた長手数作品である。
詰将棋の歴史は初代大橋宗桂「象戯造物」(1602年)から始まるが長手数と言っても100手を超す作品は創られることはなかった。1734年に看寿の兄である三代伊藤宗看が223手詰を発表した。その20年後、伊藤看寿はなんと611手という作品を創る。
一体何故、そんなに手数がかかるのか。その仕組みを簡単に解説する。
続きを読む 詰将棋入門(4) 「寿」611手詰
98番と見開きで並んでいる本作99番はその対称性からインパクト抜群だ。
98番が盤面最少の1枚なのに、本図は数えてみればわかるが(JSの図面は玉方持駒も表示されているので便利)39枚。使用駒39枚が標準である詰将棋の世界では、これを「全駒図式」と呼ぶ。持駒は「なし」というのが約束だ。
続きを読む 詰将棋入門(3) 「煙詰」
詰将棋入門と題した連載を始める。
構想や準備はまったくないのだが、まずは書き始めることが大事なのだ。
ルールや面倒な用語は泥縄式で理解して貰うことを期待して、まずは基礎知識として持っておきたい詰将棋の紹介からスタートする。
となると第1回はこれしかない。
江戸時代の詰将棋だ。最も有名なのが伊藤看寿の「将棋図巧」。その巻頭を飾る作品だ。
この作品を知って詰将棋の世界に興味を持ったという人は少なくない。
内藤九段もエッセイで書いていた。
おこがましいが私も図書館でこの作品を知り、詰将棋の世界に入った一人だ。
続きを読む 詰将棋入門(1) 「図巧1番」