初代大橋宗桂 象戯図式 第1番 1602
前回,かなり古い作品を紹介した。
それでは,最古の詰将棋はどういうものなのだろうか。
一世名人である初代大橋宗桂(異論あり)が天皇に献上した50番本が最古の詰将棋であるというのが通説になっている。
本作はその第1番なので,日本最古の詰将棋といえる。
実戦形でもあり易しい15手詰なので,初見の方は是非挑戦をされたし。
75桂、72玉、83角、82玉、
92角成、同香、62飛成、同金、83銀、93玉、92銀成、同玉、83金、91玉、92香 まで15手詰
3手目に打った角が4手目(途中図)では既に邪魔駒になっているという狙い,筆者も大好きだ。なんと詰将棋第1号からの伝統の筋というわけ。
いかにも実戦にあらわれた局面に見えるが,ちゃんと詰将棋しているといえよう。
さらに変化を見ていくと,2手目74玉は83角以下平凡な並べ詰みだが,94玉と逃げた次図を見ると…。
今でも収束に愛用している人がいそうな綺麗な3手詰だ。
また,10手目に93玉でなく71玉と逃げた次図も…
これまた有名な3手詰。この手筋(金頭桂というのだっけ?)は詰将棋第1号に内蔵されていた。
これは考えすぎかもしれないが,収束の
83銀、93玉、92銀成、同玉、83金
という手順も,なんだか記憶がありますなぁ。
さて,初代大橋宗桂の作品に興味を持った方は次の情報にアクセスするとよいだろう。
ところでWikipediaには次のように記されている。
山科言経が著した『言経卿記』の慶長7年(1602年)12月3日条に、「少将棊指の宗桂が来たりて了んぬ、少将棊の作物五十、一冊禁中へ進上申したきの由、来たりて了んぬ、予一冊之を与ふ」とあり、宗桂が言経を通して天皇に詰将棋集を献上しようとしたことが記されている。ただしこの詰将棋集は現存を確認できていない。
これについてはあまりに昔のことなのでよくわからないということらしい。
内容的にも本稿の範囲を超えるので,そのうち「詰将棋入門(中級編)」で触れることにしよう。
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