江東区に住んでいた私は深川図書館で「詰むや詰まざるや」と出会った。そして城東図書館でこの「将棋浪曼集」を見つけた。深川図書館は階段の踊り場に置いてあった東洋文庫専用の書架。江東図書館は当時は木造平屋で窓から庭に出る事も可能な造りだった。その窓際の書架から見つけたのだ。
そのときは随分古い本を見つけたと思っていたのだが、発行年月日を見てみると私がこの本を見つけたのは多分1975年だから、発行されて間もない時期だったんだ。
本屋で探しても見つからなかったが、出版社の電話番号を調べて電話したら「まだ在庫がある」といわれて嬉しかった記憶がある。
中に亀戸で接骨医を営んでいると書いてあった。亀戸なら近くだ。
住所は分からなかったが歩き回って探してみた。
結果は……覚えていない。
見つからなかった気もするが、それらしいのは見つかったけど、ドアを叩く勇気が無かったのかもしれない。
第1部 詰将棋篇
将棋浪曼集(趣向詰100番)
拾遺作品集(小品20番)
第2部 文芸篇
この趣向詰百番の中に200年の間、神局とされていた看寿の「煙詰」を固有名詞から一般名詞になさしめた契機となる煙詰2号局「落花」や、創作不可能と思われていた小駒煙1号局「嫦娥」、3段馬鋸1号局「天馬」などが収録されている。他にも香剥がしの原形となった「松虫」や車井戸型と一般名詞になっている「車井戸」も「矢来」も「竹生島」も……。
詰将棋発展史は「図巧」起源の記述が多くなるだろうが、長篇趣向作の起源は「将棋浪曼集」なくしては語れないかもしれない。
ただ入手は難しいようだ。アカシア書店では書名も著者名も間違えられているが、25000円と値付けがされている。。。。(ついでに清野静男も「か行」にある)
黒川一郎 「荒駒」 将棋浪曼集 第99番 詰パラ1968.4
最初は「天馬」の方が好きだったんだけど、だんだん「荒駒」の方が好きになってきた。
歳とって好みが変わってきたのかな。
本来セットであるべき作品なんだろうけどね。
「詰棋書紹介(21) 将棋浪曼集」への3件のフィードバック