『いっこの積木』は風みどりの詰将棋作品集としてまとめる予定です。
第1章 5手詰
5手詰を盤面駒数の少ない順に並べますので是非感想を聞かせてください。
風みどり chun詰将棋の杜 1999.2以前
半年前にもお見せした図ですが、順番なのでまた出てきました。
- 感想を貰えたら喜びます。
- その感想は作品集に収録させていただく可能性があります。
- 正解はこの下にあります。
- 正解を見ての感想でも歓迎です。
アーカイブから拾ってきた全さんの解説です。
いかにも風みどりさんの短編、というような切れ味の良い短編。
舞台装置を作る、(一応、限定打の)初手から始まって竜を捨てることによって玉を舞台装置まで移動させてから両王手ですぱっと終わる収束。
余分なものは一切入っていない、蒸留水の様な純度の高い作品です。
短編の一つの理想ではないでしょうか。
では、解答を頂いた方からの短評を。
磯田武司さん>
最初に2五角と打つと、4五玉と逃げられて、詰みそうでなかなか詰まない。
ただ、初手はどう見ても、1四角か2五角のどちらかなので5手詰と聞いてしまうと、それほど難しくはないような気がします。
竜を捨てて、きれいな両王手、うまいもんですね。
由良祇毘さん>
初手25角以下45玉、34角、54玉、43飛成、65玉、77角…がつかまりそうに見えて捕まらないですね…。
5手詰とあったのでわかりやすかったです。
このコーナーに自作を載せるのが夢ですが、作品は相変わらず制作中…(^^;)
気長にお待ちください。目標は今年中?(笑)
はい、作品の方は気長に、ずっと待ってます。(笑)
初手の紛れは深い、というよりも、ついはまってしまう紛れなのかも。
「竜を捨てて、きれいな両王手」短編の最高の収束かな?
それにしても5手詰めって書いたのは失敗でした。
磯田さんと由良さんが一緒のことおっしゃってるし・・・。
風さん、すんませ~ん。m(._.)m
西村誠一さん>
ポイントは、
・飛車利きをわざわざ遮っておいてからの両王手
・変化にも現れる両王手
ですね。
一流作家の短編は、さすが!密度が濃くて凝縮されているものだなあ、と感心。
変化にも現れる両王手とは、おそらく2手目の合駒のことをおっしゃってるんですね。
この変化では竜を動かしての両王手、作意では角を動かしての両王手。
この対比もこの作品の質を上げていると思います。
たくぼんさん>
どうも次元が違うという感じがします。こうなればいいなあ・・という手順が作意ですもん。
いぬたさん>
見事にはまっていますね。うまいと思います。
多分、風さんはこの作品を作る時、まず作意が出来ていてその作意に合うように作図して行ったのではないでしょうか。(推測)
だとすれば、たくぼんさん、いぬたさんの評も納得が行きますね。
神無七郎さん>
初手がチェスプロブレムでいうところの「バッテリー」を作る手になっている。
風みどりさんの超短編は、チェスプロブレムから影響を受けているところがあるように感じるのは気のせいだろうか?
チェスプロブレムは全く知らないので、バッテリーという言葉の意味が分からない。
さあ困った、ということで神無さんにバッテリーの意味について聞きました。
角の利きを飛で止めたり飛の利きを角で止めたりして、後で両王手のできる形のことをバッテリーと呼ぶようです。
日本語に直すと「砲台」ですね。これなら何だか雰囲気がわかります。
わかりやすい説明、ありがとうございます。
短編ではたまにある、舞台装置を作るところから始まる作品(その中でも詰将棋A級順位戦小林敏樹氏の作品が僕の印象に残っています。)
みたいなのがチェスプロブレムでもあるんですね~。
やはり、他にも似た手筋はあるんでしょうね。
田利広さん>
47から、57あるいは、58方面へは、逃がせない。で、25角では45玉でこまる。逃げられぬよう、14角(読まずとも、かっこいい)。これでOK。
で、改めて詰上りをしげしげと見る。ウーム、確かに詰んでいる。
そうですね。5七、5八に逃がしてしまうと物凄い量の持駒が無いと詰まない形(もしかしたらどれだけあっても詰まないかも)なので、ここに逃がさない手順を考えると、初手は1四角あるいは2五角しかありません。
(あれ?一番上の磯田さんの短評と同じ事書いてるやん)
三角淳さん>
飛車利きを遮断する角打ちから両王手までの詰め上がり。誰もがやってみたい手順ながら無理なく実現したのが作者の腕でしょうか。
そうですよね~。
僕も手順を思い付いてそれに合う図面を捜す、という創作方法を良くするんですが「無理なく」ってのが出来なくていつも駄作を製造してしまいます。
この作品は本当に無理なく出来ていて嫉妬したくなります。
たじさん>
将棋を初めたばかりです。
「強くなるためには詰め将棋をしたら良い」と進められ、詰め将棋を探しているうちに、このHPに来ました。
短手数なのに紛れが多くて嫌らしい作品ですね。
初心者泣かせです。
風みどりさんの作品はみなそうなのかな?
一手、三手、五手詰めの作品がもっと有ると嬉しいです。
今後の活動に期待しています。
それでは(・、・)ノ
そうですね。強くなるためには詰将棋、良く言われることです。
でも、この作品が解けたんだから初心者では決して無いです。
僕が保証します。(僕が保証しても特にいいこともないですが)
最近の短編は確かに紛れの多い作品が多いです。
というのも、短編で高い評価を得るには狙いを持っている作品でないといけない、そして狙いに気付いてもらうためには考えてもらわないといけない、考えてもらうためには紛れが多くないといけない、っていう循環があるからと思います。
(と誰かに飲み屋で聞いて、なるほどと思ったんです・・・金子清志氏だったかな?)
懐かしいので編集せずに全部貼り付けてしまいました。
みんな大好き山本民雄。
— 詰将棋ファン (@misimakeita) October 16, 2020
詳しい経緯は二流作家のメンタルヘルス(2)に書いてあります(^^;;