黒川一郎 「旅路」『将棋浪曼集』第39番 『秀局懐古録』1955.8
小駒図式。
当時の小駒図式カテゴリーでの最長手数を狙ったとの作者の言もある。
難易度は「極めて易しい」。
手駒が歩だけではどうにもならないので質駒を取りますか。
13と、同玉、12と、同玉、11桂成、同玉、
この銀を17金と相殺するのだろう。
12歩、同玉、13歩、同玉、14歩、同玉、
15歩、同玉、16歩、同玉、25銀、15玉、
16歩、同金、同銀、同玉、
香の利きを頼りに金で押し上げる。
27金、25玉、26金、24玉、25金、23玉、
24金、22玉、23金、31玉、
42とを清算するしかない。
(最近はこの辺りの手順前後や迂回手順を「余詰だ」と騒ぎたてる人が増えている。自作に対して細部に拘るのは自由だが、他人の作品にはおおらかに接していただきたいと思うのだが。)
32歩成、同と、同金、同玉、33桂成、同玉、
ここまで来れば再び上下運動が展開されることは予想できよう。
43歩成、34玉、44と、35玉、45と、36玉、
46と、37玉、
再び香の利きで金が追い立てる。
48金、46玉、47金、55玉、46金、54玉、
45金、43玉、44金、42玉、43金、51玉、
もう解説は不要だろう。
52歩成、同と、同金、同玉、53桂成、同玉、
63歩成、54玉、64と、55玉、65と、56玉、
66と、57玉、
68金、66玉、67金、65玉、66金、64玉、
65金、63玉、64金、62玉、63金、71玉、
62金、81玉、
端まで来たので終局が近いと分かる。
92と、同玉、93銀、同銀、同歩成、同玉、
最初ここで94歩と叩いて駒が足りなくなった。
84銀と打って良かったのだ。82玉なら83銀成とできる。
84銀、94玉、95歩、同成銀、同銀、同玉、
96歩、同玉、85銀、95玉、96歩、同金、
同銀、同玉、
後は押していって終局である。
87金、85玉、86金、84玉、85金、83玉、
84金、82玉、83金、91玉、82金 まで117手詰
発表当時のことは肌感覚としては分からないのだが、この難しい手がまったくない100手超えの作品は「前衛芸術」だったのだろうと想像する。
その芸術性を理解する人々がいたんだから、うれしいよねぇ。
さて、この作品駒交換の際の手順前後や迂回手順は気にしないとしても、余詰がある。
42手目(44と、35玉)の局面では56桂がいるので、44とに紐がついている。なのに持駒に歩が2枚あるので、43手目より36歩、同玉、37歩、同玉、48金以下で詰みだ。
作者による修正図は存在するのだろうか?ご存じの方は教えてください。
とりあえず安直な修正案を置いておく。
【修正案】
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「詰将棋入門(112) 盤面全体を玉が動く小駒図式」への1件のフィードバック