加藤俊夫さんが詰パラのヤング・デ・詰将棋を担当していたときに作った自費出版の作品集。
定価100万円とあるが、解答だったか作品投稿だったかで当選すると無料で貰えた。
私の所持している詰棋書の中で最も高価な1冊である。
そういえば、初代担当者の田宮克哉さんも「どたトレ資料」を配布していたし、のちの担当の石川和彦さんも『詰将棋入門』や『7手詰傑作集』を自費でつくって配布していた。
もはやヤン詰担当者の伝統といっても良いかもしれない。
(現在のヤン詰は中級者向きのコーナーに変わってしまったので、そのような伝統はない)
1題毎に著者の文章がつけ加えられていて、詰将棋に関係のあること・ないこと様々綴られている。
これが読んでいて愉しい。
作品は創作初心者向けの冊子であるから、易しいものが殆どだ。
が、作品も文章も、肩の力が上手に抜けたこのような本はいいなぁとシミジミと思う。
加藤俊夫 『エンジョイザ詰将棋』第11番 1980.10
慣れた方なら一瞬で解ける作品。
だけど私の知る限り同一作はおろか同一手順の作品も知らない。
35銀とか怖い余詰筋があるからだろうか。
古典として残したい作品。
加藤俊夫 『エンジョイザ詰将棋』第49番 1980.10改
これは実力発揮の作品。12飛で13飛とするのは非限定で許して欲しい。
不動駒なしで捌ける収束まで楽しめる。
「改」とあるのは本に掲載された図にはなぜか35歩が配置されていたから。
後にパラで紹介されたときは消えていた。