詰将棋つくってみた(20) 課題4:解答発表

課題4:打った駒を直後に”消す”詰将棋を創ってください。
(2手で消す必要はなく何手でも良いが打った手の次の攻方の着手から消すための手順になること)

【第1問】あとれい

正解 31飛、22玉、33角成、31玉、32銀まで5手詰。

チョロ松 確かに打った駒は消えますね。狙いは詰め上がりでしょうか。
占魚亭 初手の打ち場所が全て。
宮田敦史 曲詰っぽい最終形。
竹中健一 取られるところに打つ初手が良いですね。
藤田卓志 絶妙の3一飛を取らせる構想に感心。

【第2問】あとれい

正解 48飛、同玉、93角、38玉、39角成、同玉、28龍まで7手詰。

チョロ松 定番とはいえ遠打~成捨は好感触。2手目同馬の変化も悪くない。  ※2手目同馬は47角、同馬、28龍
占魚亭 最遠打~成り捨ての筋は何度見ても気持ちいいですね。
宮田敦史 盤の端を利用して93角が限定になっているのは味良い。
竹中健一 馬が利いている48へ捨てるのが上手いです。
藤田卓志 飛角の連続捨て駒がうまく決まって気持ちよい。

【第3問】不透明人間

正解 23金、14玉、24金、15玉、25金、16玉、15金、同玉、25飛成まで9手詰。

チョロ松 どこで金と別れるかを考える、楽しめる手順。
占魚亭 飛成で仕留めるため玉の位置調整。
宮田敦史 焦点になるタイミングで金を捨てるのが良い。
竹中健一 離れた香が解図のヒント。

【第4問】みつかづ

正解 19金、同玉、38銀、28玉、18飛、同玉、19飛、同玉、29金まで9手詰

チョロ松 一度は手掛けたい筋ですね。これは1筋に飛を2枚捨てるのがテーマ?
占魚亭 38銀のタイミングが全て。
宮田敦史 よくある手筋物。
竹中健一 26飛から考えてみたくなる。気づけばよく知ってる基本手筋でした。

※本作品は課題1の「1筋に飛車2連捨」でした。遅刻投稿が他に届かないので、ここで混ぜて出題させていただきました。

【第5問】駒井めい

正解 28桂、26玉、27銀、17玉、26角、27玉、36角、26玉、27龍まで9手詰。

チョロ松 初手17銀の紛れで苦労。捨駒が少なく一風変わった味で詰めにくかった。
占魚亭 玉をラインに入れる。
宮田敦史 今回の最難問。17銀かと思いきや凄い俗手が。
竹中健一 捨駒のない不思議な作品ですね。
縫田光司 17銀捨ての筋がちらついて、初手が妙に打ちづらく感じました。

【第6問】松田圭市

正解 14桂、23玉、24銀、14玉、23銀不成、同玉、14角、同玉、24馬まで9手詰

チョロ松 直接消去と間接消去の合わせ技。14桂から24銀の俗手にすぐには気づかず、いきなり23銀や3手目32角など筋の良さそうな手を考えてしまった。
占魚亭 23銀不成~の畳み方が気持ちいい。
宮田敦史 飛を取ると詰まないのは凄い。
竹中健一 守備駒から遠ざけるのも詰まし方の基本ですね。
縫田光司 14桂と24銀の邪魔駒消去が入れ子っぽくなっているんですね。
馬屋原剛 配置はゴツイが桂を消去する味がいい。

【第7問】天月春霞

正解 67金、同香不成、49桂、同馬、93角、56玉、57角成、同玉、46龍まで9手詰

チョロ松 遠打~成捨てを鮮やかに表現。前後の捨駒も気が利いており、お手本にしたい一局。
占魚亭 受方馬の利きを外すタイミングが絶妙。
宮田敦史 香生も入ってまずまずの仕上がり。
竹中健一 最初の2手がいい感じで入って、最後までうまく仕上げている印象です。
馬屋原剛 洗練された配置と手順。

【第8問】あとれい

正解 33銀、21玉、11歩成、同玉、13香、21玉、12香成、同玉、13桂成、同玉、31角、23玉、22角成まで13手詰

チョロ松 34角が巧配置。24香の紛れがちょっとしたスパイス。変化にも良い味があり好感が持てる。
占魚亭 定番?の筋の一つですね。
宮田敦史 気持ち良い清涼詰。
竹中健一 よくある筋で見た瞬間解ける。

【第9問】あとれい

正解 32歩、21玉、22歩、同玉、23歩、32玉、22歩成、同玉、23銀、21玉、32銀不成、12玉、23馬まで13手詰

チョロ松 小太刀の冴え。もう少し長めの手順の収束用にも使えそう。
占魚亭 銀打ちを決め手にする組立て方。
宮田敦史 打った歩が途中で邪魔になるから捨てる。
竹中健一 歩のダンスはリズミカルで良いですね。

【第10問】あとれい

正解 43銀、33玉、32銀不成、同玉、33銀、23玉、22銀成、同玉、23銀、13玉、32銀不成、24玉、23飛成まで13手詰

チョロ松 こちらは華麗な銀の舞。生→成→生のリズムが心地よい。
占魚亭 11手目の味が抜群!!
宮田敦史 銀生→銀成→銀生のリズムが良い。
竹中健一 このパターンは結構みた気がしますね。
縫田光司 楽しい軽趣向だと思いました。
馬屋原剛 回数を増やせそう。実際前例がありそう。

【第11問】松田圭市

正解 22角、21玉、11角成、同玉、12香、21玉、22香、12玉、24桂、11玉、21香成、同玉、12桂成、31玉、22成桂まで15手詰

チョロ松 軽やかな手順。33香から考えると苦労しそう。23桂が大きなヒントでした。初形に22成桂が現われた詰上りも面白い。(その昔、実戦で歩を打ったらと金になっていて、あわてて裏返したら二歩だったという笑い話のような話を聞いたことがあります)
占魚亭 心地よい手順。
宮田敦史 いきなり角を打って捨てるのはやり辛い。
竹中健一 角から入るのが意外性ありました。

【第12問】ぬ

正解 43香、31玉、42香成、同玉、34桂、52玉、42桂成、同玉、44香、31玉、41香成、同玉、43飛成、31玉、41龍まで15手詰

チョロ松 小気味よい桂香の成捨て。香の捨て場所が変わるのも良い。52歩一枚でこのような手順が構成できることに拍手。
占魚亭 さらっと桂香を捌き、12手かけて歩を消去。巧い!
宮田敦史 作者名は謎だが、トリッキーな手順。
竹中健一 単なる邪魔駒消去?取ってもらって消すのは何か名前がついてましたっけ?
縫田光司 52の歩を消去してからの9手目~11手目と、初手~3手目の対比が味わい深いです。
馬屋原剛 打って捨ててのリズムが心地よい。

【第13問】縫田光司

正解 56桂、47歩、37金、56玉、47金、55玉、43香成、44歩、同馬、同桂、56歩、同桂、同金、同玉、57歩、55玉、67桂まで17手詰

チョロ松 47と44の合駒の組合せや、初手桂跳ねの紛れなど、かなり悩みました。もう少し何かありそうで正解の自信がない。縫田光司さん、懐かしいお名前ですね。斎藤夏雄さんの「詰将棋の世界」にも『最後の審判』が紹介されていました。ところで、お二人は数学者つながりですか?
占魚亭 受方の秘術を掻い潜る。
宮田敦史 36に跳ねると飛合で詰まないと言う事か。掴み辛い不思議な作品。
竹中健一 17香が香を品切れにするために歩の代用となっている感じでちょっと残念な配置に思いました。
馬屋原剛 打った47歩合をすぐに取られるということ?

テーマを玉方で表現した点に触れたのは流石馬屋原さん。

【第14問】あとれい

正解 23角、22玉、32角成、同玉、22金、33玉、23金、34玉、24金、35玉、25金、36玉、26金、同玉、28飛、35玉、25飛、36玉、26飛、35玉、36香まで21手詰

チョロ松 打った角を直ぐ捌いて22金が鮮やか。そこから始まる金追い趣向も楽しいが、最長手順探しの収束になるのがちょっぴり残念。
占魚亭 粘りましたねぇ。
宮田敦史 紐なし金と玉の追いかけっこが不思議。
竹中健一 これ面白いですね。2手目13玉のときの12金が見えにくかったです。
縫田光司 徹底した金の押し売りが楽しい手順ですね。序の変化も程よい感じだと思います。
馬屋原剛 おなじみの金追いでも紐無しだと新鮮に映る。

【第15問】あとれい

正解 26銀、14玉、25銀、13玉、24銀、14玉、15歩、同桂、23銀不成、13玉、14歩、同桂、22銀不成、12玉、13歩、同桂、21銀不成、11玉、23桂、21玉、31桂成、同玉、32歩、41玉、21龍まで25手詰

チョロ松 24桂を毟るのがミソ。筋良く銀歩送りでは一歩足りなくなる。
占魚亭 楽しい一本道。
宮田敦史 最後36龍以下打歩と思いきや32歩であっさり詰むとは。
竹中健一 桂を一枚だけいただくのが申し訳ない気分になった。   全部の桂を飛ばせてみたかったですね。
縫田光司 持歩の枚数と盤面を見て、4手目から手拍子で15玉、16歩、同桂、24銀、…と進めてしまいそうになりました。

【第16問】kisy

正解 54香、43玉、53香成、同玉、55香、44玉、53香成、同玉、54香、42玉、53香成、同玉、55香、63玉、53香成、同玉、64銀成、同玉、55角、同玉、53龍、66玉、64龍、56玉、65馬まで25手詰

チョロ松 邪魔駒消去の順番限定がうまく出来ている。と思うので12手目までは合っていると思うのですが…。残念ながら時間切れ(涙)
占魚亭 香の打ち場所の見事な使い分け(理由は明快)。流石です!
宮田敦史 とても信じられない、驚愕の手順。
竹中健一 煙かと思ったら面白い趣向でした。
縫田光司 初形と持駒(と今回の課題)から「何が起きるのか」をまず察して、期待を抱きながらその手順を成立させる機構を解き明かしていく過程が至福の時間でした。舞台装置をうまく活かした収束もよくできているなぁと思いました。
馬屋原剛 本作品展の目玉。4連続間接消去にはたまげた。わずかな局面の差異で変化紛れを切り分けている。好みど真ん中の作品。

第5問、第13問、第16問など難問が多かったので、風みどりの例題も出題させていただきました。

【例題1】風みどり

正解 44歩、33玉、43歩成、同玉、44角成、同玉、42飛成まで7手詰

チョロ松 邪魔駒を消して角捨から両王手。いつ解いても気分爽快。
占魚亭 4手かけて桂消去。
竹中健一 軽い邪魔駒消去からの痛快両王手!
藤田卓志 気持いい両王手の形に持っていく技に、拍手を送ります。

【例題2】風みどり

正解 14歩、23玉、24歩、14玉、23歩成、同玉、14銀まで7手詰

チョロ松 打った駒が邪魔になるというのもよくある筋ですが、簡潔なまとめは流石。初形から玉を一路動かすだけという、局面の対比を味わう一局。
占魚亭 6手かけて玉を1路左へ。
竹中健一 これぞダンスの歩ですね。
藤田卓志 歩をパックンと食べる玉に、スーパーマリオを思い出しました。

【例題3】風みどり

正解 34金、45玉、35金、54玉、45金、同玉、34飛成まで7手詰

チョロ松 この回りくどさが何とも言えません。
占魚亭 6手かけて45金を実現。
竹中健一 打った瞬間に邪魔駒になるパターンですね。玉の動きが機械的。。
藤田卓志 3四金から4五金と捨てるまでの手触りが良いですね。

【例題4】風みどり

正解 11飛、23玉、12飛成、同玉、22角成まで5手詰

チョロ松 15から12へ捨てる筋でも例題が出来そうですね。  ※ b)13玉→14玉 でツイン!?
占魚亭 飛と龍の違い。4手かけて玉を一段下げる。
竹中健一 焦って12飛としないように注意!
藤田卓志 とにかく、1二に呼べば詰む形かぁ。

総評

チョロ松 これまでの課題からレベルが一段とあがりました。暗算で解けるものが少なく、解図力の低下を痛感。例題で癒されました。
縫田光司 (フェアリーではない)詰将棋をこんなにたくさん解くのは久々でしたが、やってみると何とかなるものですね。(自分の作品を棚に上げて言うと)課題との関連性があまりわからない作品もありましたが、逆に「課題作」との前提抜きでも楽しめる作品展だったといえると思います。

成績発表

Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 Q11 Q12 Q13 Q14 Q15 Q16
あとれい あとれい 不透明人間 みつかづ 駒井めい 松田圭市 天月春霞 あとれい あとれい あとれい 松田圭市 縫田光司 あとれい あとれい kisy
占魚亭
あとれい 当選
宮田敦史
藤田卓志
竹中健一
縫田光司
チョロ松
不透明人間
馬屋原剛

厳正な抽選の結果、あとれいさんが当選となりました。
住所・氏名をご連絡ください。

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