1975年には5作だったが、1976年は7作に増えている。
ただしそのうち6作は同じ作者による物だ。
7作を一気に並べる。
金成憲雄 「反骨」 詰パラ1976.3
37香に銀の間駒でその銀を用いて香を剥がすというだけなら今までにもあったが、その銀が捨合。そして不利間駒だから凄い。
歩合だったら26玉に27歩、37玉、16桂というわけだ。
傑作。
変幻自斉 詰パラ1976.4
「松虫」とさして変わらない印象を受けてしまうのは、角銀による復元機構と打歩打開による香の剥がしパターンの所為だろうか。
歩打ちを1枚追加しただけという感じだ。
結果発表を読むと、選者の新田氏は「松虫」との類似を気にしてかなり迷った末の選題だったようだが、解答者からそれを指摘する声はなかったとのこと。
変幻自斉 詰パラ1976.6
桂香の複合剥がし。
山本昭一作の龍の切り替えの代わりに銀のダンスが配されている。
これはこれでおもしろいと思うが……収束88桂に同とで不詰。また78銀で57銀とする手もあるとかいてあるが意味がわからない。
修正図も出されたがこれも早詰なので紹介はしない。(パラ1976.12)
変幻自斉 詰パラ1976.10
香と歩の複合剥がしを目指した作品。
ただし香を用いて歩を剥がし、歩を用いて香を剥がしているわけではないので、複合剥がしとはいえないだろう。
5手目より38桂で早詰。15手目19桂以下早詰。
変幻自斉 詰パラ1976.10
図のママでは7手詰なので、発表は攻方97歩のある図で行なわれた。
香→桂ではなく香→角→桂とした所が新しい。
97歩のある図でも余詰指摘をされたが、本人は認めなかった。
柿木将棋は余詰といっている。(76桂合を同角ではなく77角以下)
変幻自斉 「文殊の知恵」 詰パラ1976.10
銀で香を剥がすのだが、香→角→香→銀と変換するのが新しい。
ただし飛車を剥がす段になって角合ではなく銀合されて不詰。
変幻自斉 詰パラ1976.10
角を歩香の2枚に変換する所が面白い。これは45角成のタイミング(先に27飛左でも良い)を手順前後とし、収束の変長をキズとすれば完全作とみることができる。
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変幻自斉詰パラ1976.10は香はがし+歩の連取りかな。