詰将棋つくってみた(58) 課題12:結果発表(前篇)

課題12:限定移動を含む詰将棋を創ってください。

10名の方から解答をいただきました。
ありがとうございます。
今回、いささか難しかった様ですね。
もしくは難しそうにみえてしまった…でしょうか。

第1部 超短編

【第1問】松田圭市

正解
32飛、同金、21飛成、同玉、12金まで5手詰

市島啓樹 まずは基本。
占魚亭 飛を動かす前に下準備。
武田裕貴 受方21金だと余詰なんですね。
松澤成俊 初手が限定移動かと思った(笑)
negitarou 飛車の連続捨ての感触が良かったです。
まつきち 確かに限定移動ですが、やや紛れ不足でしょうか。
藤田卓志 飛車の移動はここしかないですね。初手がいい味ですね。
keima82 退路封鎖の基本。「32の地点が埋まっていれば…」の発想が大事。
青木裕一 限定移動より限定打の方が印象が強いので、課題作としてはイマイチ。

【第2問】松田圭市その2

正解
33香不成、12玉、13角成、同玉、23金まで5手詰

占魚亭 33に生で入る香の盾。
武田裕貴 初手が洒落た一手です。
松澤成俊 3手目が入って作品になった。
青木裕一 よくある利かすための香不成。
藤田卓志 香を成らずに移動するのが妙手。
市島啓樹 香生は意外と作りやすいんですよね。
negitarou 第一感は、初手・3三「香成」でした。
まつきち 限定移動を不成で表現。大駒捨てで締めてお見事!
keima82 4手目は☖同玉よりも☖21玉の方が、題意を汲み取った回答になるでしょうか?

【第3問】keima82

正解
45角、19と、32飛成、45と、21歩成まで5手詰

市島啓樹 解いて楽しい芋づる式。
占魚亭 開き王手のピタゴラスイッチ。
武田裕貴 あえて取られる位置に移動する角。
negitarou 初手・3手目ともに「限定移動」ですね。
松澤成俊 限定移動一回で満足して3三に飛を成った(笑)
まつきち 開き王手3連発。最終手は限定移動とは言わない?
keima82 1手前に動いた駒が次の手では後駒になる、というのを2回連続でやってみました。
青木裕一 残念ながら、第ϻ回裏短コン「連鎖反応」とネタかぶり。ただ、駒の配置はこちらの方が良い。

【第4問】シナトラ

正解
41香成、27玉、23龍、同飛、33香成まで5手詰

武田裕貴 4手目に迷いました。
占魚亭 4手目同桂の変化に備えて角をガード。
松澤成俊 最終手は限定したいなどと云うのは野暮か
市島啓樹 ツインかと思って問題を探しちゃいました。ビョーキ。
まつきち ストーリー性を感じる手順。最終手の成生非限定は望蜀でしょうね。
青木裕一 将来の飛の横利きに備えた香限定移動だけど、最遠移動が一番お得に見える。
keima82 変化と作意の両方にそなえて飛車の横効きを1段目と3段目で2回止める。何度並べても不思議な感じがする手順です。

第2部 短編

【第5問】柳原裕司

正解
98飛、59香成、48馬、27玉、18銀、同玉、
37馬、17玉、18飛、同玉、28馬まで11手詰

松澤成俊 君知るや9八飛 好作
占魚亭 ダイナミックな飛の動き
まつきち 最遠移動した飛車を捨てる構成は実に鮮やか
市島啓樹 相変わらずうまいもの。収束までちゃんと気がきいている。
青木裕一 6~8筋への移動したときに詰まないようにするための意味付けが、少し珍しい。
武田裕貴 受方77竜の包囲網をかいくぐるための最遠移動。将棋盤が10筋以上なら限定移動にはならないと考えると、ちょっと面白いです。
negitarou 初手を手拍子で「6八飛」としてしまいましたが、それだと詰まないんですね…9筋から1筋への、飛車の長距離移動が爽快でした。
keima82 飛車を右に移動すると58の地点がカバーできないので、左に移動するしかなさそうですが、竜に取られない唯一の位置が98。わかってしまえば簡単ですが初見で98に移動するのは見えない。収束は大駒を捨てての清涼詰になりお見事。

【第6問】negitarou

正解
31飛成、53玉、44銀、64玉、56桂、同馬、
73飛成、同玉、71龍、63玉、72龍まで11手詰

占魚亭 作意では決め手、変化ではトドメとなる73飛成。
武田裕貴 収束カッコいいですね。71飛の往復も良いです。
市島啓樹 駒数は多いが、紛れが多い中、良く成立できたもの。
松澤成俊 初手が狙いかと思うが左辺の配置をなんとかしたい。収束も甘すぎる。
青木裕一 捨駒(作意で取らないものも含む)が多くて良い。少ない使用駒でできてたら、もっと良かった。
negitarou 自作です。比較的短手数ですが、推敲にはそれなりに時間がかかりました。自作にしては珍しく、駒取りがありません(苦笑)。理想としては、玉方・「8三と」を削除して、9筋での詰み上がりにしたかったです。(「8三と」は完全なる壁駒です)
keima82 2手目、4手目は取る手も目に付きますが、いずれも両王手があり詰み。両王手の筋を変化に隠しながら、7手目で作意中にも両王手がさく裂!派手な手の連続で好みです。今回の同作者様の中では一番良かった。ただ、2枚のと金は、金ではダメだったでしょうか。

【第7問】武田裕貴

正解
77銀、65玉、25龍、55と、35角、69馬、
66歩、同と、53角成、25馬、64馬まで11手詰

松澤成俊 角と馬が大活躍 好作
市島啓樹 先に25龍か、うまい。
武田裕貴 4手目55歩合との違いを見ていただけたらと思います。
占魚亭 上手いバッテリーの組み換え。受方馬に喰わせる統一性もいい。
青木裕一 4手目の応手により角の移動先が変わる仕組みが巧妙。まとめ方の良くて、好作。
keima82 まず4手目☖55歩だとどうなるかを考え、☖55とにたどり着きましたが、その先がなかなか見えなかったです。自ら飛車道を遮蔽して、挙句の果てに飛車まで取らせてしまうとは。課題とも見事にマッチしており、個人的には最優秀候補です。

【第8問】不透明人間

正解
39角、59玉、48角、68玉、59角、79玉、
68角、88玉、79角、99玉、88角、98玉、
99龍まで13手詰

まつきち 楽しい角ノコ。
松澤成俊 限定移動なのはたしか(笑)
占魚亭 やさしく楽しい癒やしの作品。
市島啓樹 最後にひとひねり欲しい気も。
negitarou 「角」と「玉」のジグザグの軌跡が良いですね。
武田裕貴 斜めに逃げられなくなった時、玉の命運が尽きる。
青木裕一 くるくる展示室にありそうだけど、同じ趣向は見つからなかった。
keima82 こういう連続趣向モノは大好物です。序章も収束も余計な駒も一切ないのがシンプルでいいですね。

続きは明日!

「詰将棋つくってみた(58) 課題12:結果発表(前篇)」への2件のフィードバック

  1. 青木様、類作のご指摘ありがとうございます。駒種が多少異なるだけで、座標は5手とも同一。殆ど同一作品と言っても良いですね。
    裏短コンはネットでも公開されてるので、チェックしておくべきでした。原作者様にも申し訳なかったです。

  2. 短評ありがとうございました。

    【第6問】について、玉方・8三は「歩」か「と金」かで迷った駒でした。(8三「歩」でも成立していると思います)
    また、5二と8三は、(多分)「金」でも成立している気がします。
    創作初期から最近まで、盤面に駒を置く時は、「歩」と「と金」を最初に置いて、そこから調整していました。
    最近は、「と金」の枚数を減らそうと少し意識しているのですが、玉方の置駒で「金」を使うのは勇気がいりますね…
    余詰がないことを確信をしたで、ビシっと「金」を配置できれば理想的だとは思うのですが…

    【第13問】でも、「金(攻方)」と「と金(玉方)」が混在していることへのご指摘がありましたので、やはり違和感がある配置なんでしょうね。

    貴重なご意見ありがとうございました。少しでも違和感を減らしていければと思います。

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