高木秀次『千早城』に登る(28.1)


※この連載は風みどりが1題ずつ高木秀次作品集『千早城』(1993)を読んでいくものです。

第28番 詰パラ1965.3

さて、解けましたか?
さっそく手順を追っていきます。

48角がいかにも49香の活躍を阻害している邪魔駒に見える。
しかし初手から57角といくと35歩とされてうまくいかないようだ。
同角では同圭で25圭が打てなくなってしまう。

25桂、22玉、33桂成、同玉、

さてこの局面でなにか仕事をしてから13に戻す。
そう考えると見える手はこれしかない。

44銀、

同玉は26角で以下簡単。

【変化図】

したがって22玉と逃げる。

   22玉、

33銀成、同玉、25桂、22玉、13桂成、同玉、

さて次の鍵は……成桂が消えたので、今度こそ58角の処分だろう。

57角、

間駒の変化もあるが46合はどうせ22玉と逃げるのだから攻方に利するだけ。
35桂合は同角、同歩、25桂、22玉に歩が動いたので34桂と打てる。

  22玉、13角成、同玉、25桂、22玉、
33桂成、同玉、 

さて3つ目の鍵は見たところ何もなさそう。
何もないわけはないからこの手しかない。

43香成、

強力な49香なので惜しい気もするがやってみると上部への脱出は6段目の歩と金が阻んでいる。
同玉は53角成、33玉、25桂、22玉、44馬以下。

【変化図】

   同歩、25桂、22玉、13桂成、同玉、
31角成、

最後の鍵は簡単なので進めてしまった。
31角成だ。
飛金合は同馬と切って簡単。
他合は23銀成、同玉、32馬、13玉、14馬があるので、この14に利かせる駒だ。

   22桂、

あとは収束。

23銀成、同玉、41馬、13玉、23馬、

最後に2枚目の角もきれいに見得を切って消えた。

   同玉、25香、33玉、24銀、44玉、
55金まで39手詰

75角が暴れ出すのを抑える駒であった41香や66金が収束できちんと動いてくるのが素晴らしい。
効率的な配置で、無駄に難解にしようという意図がまったくない。

こういう作品、好きですねぇ。

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