詰将棋つくってみた(139) 課題29:結果発表(後編)

つづきです!

第7問 RINTARO

正解
24桂、11玉、12香、22玉、23歩、13玉、
14と、同玉、15歩、13玉、25桂まで11手詰

松澤成俊 香先歩香の見本局ですね。
占魚亭 二歩禁回避。テーマはいいが……。
有吉弘敏 この形から香先香歩が出て驚いた。
松崎一郎 香と歩、使い方同じでも順序が大事。
羽毛布団 先に歩を打ちたいところ香車からというのが、凄いです
竹中健一 予想通りの手順でした。狙いが分かりやすくて良いです。
まつきち 香先香歩もこの課題では必須テーマ(笑)。本作は二歩回避。
ぎょうざパン これもやられました!絶対に初手13歩と思いました。3手目の12香も二歩回避で上手いですね。
negitarou 香車の短打(その2)、三手目は「1二歩」が第一感。二歩を回避するために香車の短打なんですね。

★24桂、11玉に12歩と香を残したくなるのが人情というもの。ところが以下22玉、23香、13玉、14と、同玉で15歩が打てない。二歩禁利用の香先香歩という手筋だ。
★よくぞ11手で表現したもの。

はせがわ ゆ 斎藤仁士作27手と同じ系統の香先香歩。ベタ打ち感はあるが短手数かつ分かりやすいのは良いと思う。

★斎藤仁士作は次図。名作だ。

斎藤仁士 近将1976.2

正解
23歩成、11玉、12と、同玉、24桂、11玉、
12香、22玉、23歩、同玉、15桂、22玉、
34桂、同歩、23桂成、同玉、34角成、22玉、
33龍、同桂、23歩、21玉、11香成、同玉、
22歩成、同玉、12馬まで27手詰

第8問 negitarou

正解
54香、42玉、43歩、同玉、53香成、44玉、
43角成、55玉、65馬引、45玉、54馬まで11手詰

松崎一郎 角筋を通した香打ちは打ち歩詰。
竹中健一 初手のみの印象になってしまったかな。
占魚亭 初手と最終手が同地点着手。つまらない手順。
有吉弘敏 最初の5手で切っても良かったと思いました。
RINTARO 2手目53捨合のいい素材なのに惜しすぎます。
松澤成俊 これなら44歩とでも置いて5手詰にした方が良い。蛇足が長い。
まつきち 初手は良い狙いですが、収束が冗長と感じました。両王手で締めくくると解後感が良くなるのでは?
はせがわ ゆ 角道を止めるための香の限定打。狙いがはっきりしているのは良いが、53香成までで終わらせたい。
negitarou 自作(打歩回避がテーマです)、初期配置の角を「7六」に置くか「8七」に置くかで少し悩みました。

★43歩を打歩詰にしないための初手の限定打が狙い。初手53香では42玉で打歩詰だ。
★その後が捨駒もないただの追廻なので評価を下げた。

第9問 はせがわ_ゆ

正解
39香、38飛、35馬、同玉、38香、37金、
36飛、同金、同香、同玉、46金まで11手詰

占魚亭 香を金に変換する巧手順。
松崎一郎 自陣の竜馬が睨みを利かす。
まつきち よくぞ二段中合を出したもの!
ぎょうざパン 35馬からの手順が見えず、最後になりました。
松澤成俊 馬捨てをはさんでの金持ち中合(飛金)でお手本通りの出来
竹中健一 2度の中合いをいずれも取ってこの手数というのがすごい。
有吉弘敏 作者名の期待を裏切らない。11手で飛車・金の2回の中合を実現している。非常に難度は高いと思う。

★早くも作者名で期待を持ってといてもらえる作家になっている。詰パラでも活躍中。

RINTARO 中合2回。それも飛と金。すぐに取るのではなく、一呼吸入れてから取る点も素晴らしいです。2手目の変化の49馬等、変化もきっちりできている。惜しむらくは不動の18龍や最終手余詰もある収束ですが、これは作者をもってしてもどうしようもなかったのだろう。
はせがわ ゆ 自作。最終手余詰を見落とした。消せる?

★47玉の逃げをどう防ぐか。
★39香に47玉は46馬、同玉、35馬、47玉、38龍まで。
★この最終手38龍のために39香の最遠打が必要になっている。
★それで玉方は38に中合してくる。
★39香に38歩合は37馬、同玉、38龍で簡単。
★38金合は単に逃げたときと同じように46馬、同玉、35馬、同玉、38龍以下。エンジン付きの間駒効かずだ。
★そこで35馬を同飛成ととるために2手目の中合は飛車が正解となる。
★38飛合には35馬と先に捨ててから38香と飛車を取る。
★36間駒は34飛、同玉、36香、35合、14龍までで間駒が余る。
★そこで37に中合が必要となる。同香では46玉で逃走される。
★37歩合は36飛、同玉、37馬で駒余り。
★そこで作意の37金合と決定。

第10問 negitarou

正解
55香、54香、同香、同桂、53香、同角、
同桂成、同玉、31角、52玉、42角成まで11手詰

占魚亭 一石二鳥の受方桂跳ねさせ。
竹中健一 まぁここから打ちますよね。。
ぎょうざパン 53香の前の下工作が面白い手順ですね。
松崎一郎 香が55から1マスづつ上がっていくようで面白い。
RINTARO 53香合の変化が62角で早いというのが見えにくかったです。
松澤成俊 これではほとんど詰む将棋。せめて一手は詰将棋らしい手が欲しい。
まつきち 42桂を動かしておくイントロに好感。ただその後の処理が清算では冴えない。
はせがわ ゆ 限定合が狙い?なら、限定の理由を面白くしたい(消去法で香では物足りない)。また、限られた手数を駒交換に費やしてしまうのはもったいない気がする。

★いきなり53香では同角、同桂成、同玉で62角と打っても64玉で切れる。
★そこで駒を渡せと55香と離して打つと53香合なら同角、同桂成、同玉、62角、64玉に取った間駒を打って詰む。
★しかし55香には54に間駒する手段もあった。
★その結果42桂が54に動き、持駒は変わらないが31角と打てるようになって詰むというナラティブ。
★どうせなら角桂合の余地も残した方が良かったと思う。

第11問 negitarou

正解
34銀、同玉、43角、同玉、33金、52玉、
54香、53金、64桂、62玉、95角まで11手詰

松崎一郎 流れるような詰手順。
占魚亭 玉を5筋へ誘導。7~9手目が主眼かな。
竹中健一 手なりに追っていけば詰んでるという感じ。
ぎょうざパン 広く見える玉が4手で狭くなった。最終手に角がのぞく手順、良かったですね。
negitarou 自作(持駒をガンガン打っていく問題です)、四手目・2三玉の変化手順は、結構気に入ってます。
RINTARO 狙いの移動合から角覗きまではいいと思いますし、角と飛に意味を持たせる序奏もいいと思います。4手目23玉のときの33角成は好手ですね。
まつきち 序は捨駒連発ですが単調なのでそれほど妙味を感じない。となると狙いは限定打から金移動合に角出の詰上りかと思われるが、この部分にピリッとした手が一手欲しいところ。
松澤成俊 前半は良いが後半だれるのが残念。せめて最後は3手で終わらないと。(たとえば82銀⇒73歩とか そうすれば角の位置も変えられる)その前半も詰棋慣れした者にはひとめ。もうひとひねり欲しい。
はせがわ ゆ 最初の3手と4手目23玉の変化は良い。金の移動合も作りようによっては面白くなるかもしれない。ただこの2つを組み合わせる必要は無い。それぞれの手順の良いところを生かせていないように感じた。

★5手詰と5手詰を繋いだような手順であることを指摘されている。もしくは後半が前半の変化を割り切るための手数伸ばしに過ぎないと。
★筆者としては前半部分を7手にまとめるのがお薦めかな。

第12問 kisy

正解
45香、同玉、57金、35玉、47金、44玉、
45香、同玉、35馬、同香、57金まで11手詰

作者 収束3手からの逆算。香の短打と、金の開き王手を繰り替えしたことで作品になったかなと思います

ぎょうざパン 2度の香捨てからの金移動上手いですね
はせがわ ゆ 同じ意味合いで2度の短打。金の動きが面白い。
竹中健一 47に金を移動させてリフレインするのがうまい。
松澤成俊 二度の香短打で金の玄妙な動きを演出。最後も決まった。
占魚亭 6手かけて金を一段上げる。金の動きに味があってが良い。
RINTARO 6手かけて48金を47へ。収束も決まり素晴らしいです。
松崎一郎 空き王手する48金の動きが線路切替のポイントのようで面白い。
まつきち 45香と捨ててから35馬と行くのが絶妙の合せ技。短打2回、金の動き、局面の対比と盛りだくさんの内容に拍手。
有吉弘敏 面白い手順。この収束形から上手く発展させるものですね。
45香打だけではなく、57金もリフレインになっている点も、解後感の向上につながっている。24への攻駒の効きの重複感や43桂配置などは少し気になりますが、やむをえなかったのでしょう。

★33玉とされたら24馬。この変化手順のために持駒の香は離して打つわけにはいかなくなっている。
★そこで短打の45香。同玉の一手に56玉を許さじと57金と開き王手をすると豈図らんや79馬の利きを止めてしまった。つまりはバッテリーの組み替えだ。ここ47合や46合の変化があるが、苦労するのは作る場合で解く際にはあとから確認する程度だろう。
★35玉にまたもや57金とバッテリーの再組み替え。46合の変化も適度な味付けだ。
★44玉と戻られてみると、初形から6手経過して48金が47金に動いただけ。
★再度の45短打の香に同玉で今度は切れ味鋭い35馬が成立するという仕組み。
★玉と金がくるくるダンスを踊るが如し楽しさ。
★本作を解いて思い出したのが次図。類作というわけではないが折角なので紹介する。

池原雅幸 詰パラ1980.12

正解
48金、46玉、13角、同飛成、56馬、同香、
38金まで7手詰

総評

占魚亭 9・12が双璧でした。
竹中健一 3、9、12が良かったですね。
RINTARO 短時間で全問解けたので良かったです。創作入門には短編ですね。
ぎょうざパン 今回も面白い問題が多かったですね。特に 6・7・9・10・12番は印象に残りました。
松崎一郎 香の特性を生かした作品、格言破りの短打などいろいろあり、また詰手数もお手頃で十分楽しめました。
はせがわ ゆ 優秀作予想は12ですが、3、4も好きです。課題から(合駒などを読まされて)解くのは大変かと思いましたが、そんなことはなく楽しく解けました。
まつきち 今回は手数が短く苦しむことが少なく良かったです。持駒香は合駒読みで苦労するのではという予感もあったのですが、11手という手数では合駒挿入は少しきびしかったかもしれませんね。
negitarou 短手数なのでサクサク解ける問題が多く楽しかったです。第9問と、(解けませんでしたが)第12問が特に面白かったです。投稿者としては、11手の壁が厚かったです。手なりで作った時に「13手詰」になってしまうことが多かった印象です。もし9手以内の制限だったら、非常に苦戦したと思います。

解答成績

Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9
山城正樹
ぎょうざパン ×
まつきち
占魚亭
松崎一郎
negitarou
松澤成俊
有吉弘敏
竹中健一
RINTARO
羽毛布団
はせがわ_ゆ
Q10 Q11 Q12 粗品
山城正樹
ぎょうざパン
まつきち
占魚亭
松崎一郎
negitarou
松澤成俊 当選
有吉弘敏
竹中健一
RINTARO
羽毛布団
はせがわ_ゆ

当選した松澤成俊さんには粗品を送ります。

「詰将棋つくってみた(139) 課題29:結果発表(後編)」への1件のフィードバック

  1. 皆様、ご解答、短評ありがとうございました。
    厳しい言葉もいただきましたが、勉強させていただきます。

    第10問は、必ずしも桂馬を枯らす必要がないので、玉方・4四は「歩」にするか少し迷いました。(初手・非限定になりますが) 

    第11問は、前半6手は逆算です。
    前半と後半が分断しているとは、言われてみると確かにその様に感じますね。

    引き続きよろしくお願いします。

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