予定表
9月15日 | 第6回三手詰祭 | 投稿締切は2日前 |
10月15日 | 第1回五手詰祭 | |
11月15日 | 第7回三手詰祭 | |
12月15日 | 第2回五手詰祭 |
新しい読者のために少し補足していきます。
投稿作に課した条件は次の二つです。
- 作意の他に変化もしくは紛れが1つ以上あること
- テーマを明記すること
今日は作意の他に変化もしくは紛れが1つ以上あることについて補足します。
変化とは作意順とは異なった応手に対する詰手順のことです。また紛れとは作意とは異なる攻方手すべてをいう言葉ですが、このサイトではもっと狭い意味で「作者が設定した正しくない攻め筋」という意味で用います。
例題1 風みどり
21金、同玉、42銀成まで3手詰
21金と捨てて、玉を危険地帯に誘き寄せ、42銀成で32への逃げ道を封鎖しつつ間駒効かずで突き刺すような詰上がり。一見十分詰将棋として成立しているように見えるかもしれません。
しかし詰将棋には作意だけでなく変化・紛れが必要です。初手には他に22銀成(生)と42銀成(生)の4つの王手があることはあります。しかし超初心者でない限り22銀成は同玉で上部への逃げ道が広く、持駒金1枚ではとても捕獲できないことが分かります。初手42銀成も「見えない駒はすべて玉方の持駒」というルールを知らない初心者以外は21香合とされてこれはとても届かないことがはっきりしています。つまり紛れがありません。
また正解の21金に対しても玉の応手は同玉以外はありません。つまり変化がありません。
それでは、この図を改良して変化・紛れを付加してみましょう。
例題2 風みどり
31角成、同玉、52銀成まで3手詰
それには変化をつける事を考えます。1筋左に移動して、初手の捨駒に1筋方面に逃げる変化を作ります。この場合持駒を飛車にする方法も考えられますが、ここでは角の成り捨てにしました。12玉には22馬までの変化を作ったわけです。
紛れは作れたと思いませんが、例題1と比較して初手11角成、同玉、32銀成という誘い手はできたかと思います。また初手52銀成も12玉、11飛成、23玉で逃げられるのですが間駒で即駄目よりは誘い手に近付いたと思います。
例題3 風みどり
22銀成、同玉、23金まで3手詰
こちらも変化がありません。成/生の非限定もありますがこちらはさほど気にする必要はないでしょう。紛れもありません。実は初手22金という手はあります。42歩はこの順を詰まないようにするための配置です。しかしこれは「検討用紛れ」というもので作者が狙ったものではありませんし、解答者も普通は考えない筋です。したがって紛れはないといわざるをえません。
この図に変化を付加するにはどうしたらよいでしょうか。
例題4 風みどり
32銀不成、同玉、33金まで3手詰
やはり逃げ道を作る必要があるので1筋左に平行移動します。これで初手32銀不成(限定されました)に12玉、23金までの変化を作ることができました。初手11金とか32銀成とかは紛れというには弱いので紛れは作れませんでしたが、まだまだ推敲すれば可能でしょう。(手数が伸びてしまう危険がありますが)
詰将棋を作ってみると、巧い手を実現するのが意外に難しいことに気づきます。余詰の壁が思ったより大きいのです。すると作意の実現にキュウキュウになって、気が付いたら変化がないということになりがちです。もう一度落ち着いて考えて、変化や紛れを付加する推敲をお願いします。
三手詰を募集しています。
タイトルに「三手詰祭6」と明記してください。