詰将棋入門でも筆頭に選ばれることが多い金頭桂の手筋。
村山隆治『詰将棋手筋教室』でも筆頭に選ばれている。
この手筋、世界最古の詰将棋にも(変化の中に)登場する手筋だという話題は詰将棋入門(15)最古の詰将棋に書いた。
このままでは専門誌に投稿しても採用されることはないだろう。
2手逆算すると、ギリギリ作品になる。
小西逸生 詰パラ1973.12
この図を思い出したのは、先日私家版詰将棋解答選手権で次の図を見たから。
さらに2手逆算している。
野々村禎彦 詰パラ2017.1
ついでに自作も。
これは先程石川和彦『詰将棋入門』を見て思い出した作。
5手詰だったけど、7手詰にしておきました(^^)
風みどり 詰パラ1980.2
次は9手詰に敷衍した例。
信太弘 近将1993.4
この図,同一作検索で作者名を拾ったのだが疑問がある。
こんなに新しいはずがない。
私の記憶では1977年には見ているはずだ。
ということは新聞かプロ棋士の作品集なのだが、ご存じの方教えてください。
追記があります。
さて、この金頭桂の手筋を締めに使った作品を5手、7手、7手、9手と紹介してきた。
別の狙いがあって、収束にこの手筋が出てきたというのは別だが、このまま逆算して手数を伸ばすのは魅力的な創作ではない。
では、この金頭桂の手筋をメインにした最長の作品は?
私が知る限り金頭桂の3手詰から逆算したのではないかと考えられる作品で最長なのは下図。
もっと長いのがあったら教えていただきたい。
大井美好 詰パラ1955.7
追記(2020.8.29)
匿名希望さんより情報提供がありました。
お探しの図はこれではないかとのことです。
松田茂行 知性1957.1
雑誌に発表された詰将棋までおさえているとはすごいですね。
実は私も思い出したことがあります。
私が見たのは下図でした。
この11番の右下に手書きで「同一作有」と書き込んでいます。
これは「affection」1977.7.1からですので,私の記憶にあるのはこの図だったようです。
おそらく妻木さんか田宮さんかが松田茂行作を知っていて,指摘してくれたのでしょう。
ということは飛車が持駒versionは信太作が初めてかもしれませんね。
本文を少し書き直しておきます。