詰棋書紹介(89) 奇想曲


短編詰将棋百番 奇想曲 柳田明 将棋ジャーナル 1988.1.15

表4にこうある。
\(100+13+X=摩訶不思議詰将棋読本『奇想曲』\)
100は当然ながら作品数だ。13は「参考図」として収録してある中長編作。それでは\(X\)は?

それは出題ページのほぼ下半分を埋めている文章だ。
塩野入清一作品の解説や柳田明の半生記が100局だから100頁にわたって綴られている。

これが抜群に面白いので、どこかの頁からでも読み始めたらなかなか止まらない。
鈴木芳広氏の漫画まで載っている。

実名も遠慮なくガンガン登場するので、貴重な資料だ。
ただ次の件などは最近の方には理解できないだろうなぁ。

エイリアンの如き鈴木芳広の進攻はまだ続く。読者のページがその雰囲気を変え、当時最強を誇っていた詰パラの読者サロンを抜き去る。そして裏読者のページが誕生し、いまやマンガの投稿欄と化している。

将棋ジャーナル誌の読者のページが詰パラの読者のページに勝つ話なのだが、現在の詰パラの読者のページしか知らない方にはなんのことやらわからないかもしれない。

書いていて思いだしたのだが、「匿名希望」を「特名希望」と書き間違えてきたので本名を大きな文字で出していたのは将棋ジャーナルだったっけ?

詰将棋の締めくくりにも色々ある。謝辞で終ったり、ぶっきらぼうにデータで終ったり。若島正氏の『恋唄』ではこうだ。
「そして、詰将棋を全く知らない亜矢子に」
天性のキザである若島氏だが、その中でもこれは飛びっきりのキザである。
(中略)
ならば私も「〇子に捧ぐ」と締めくくりたかったが、現実はそれほど甘くはなかった。本書は私の英雄交響曲かもしれない。

このブログで若島さんの著作はすべて誰かに捧げられているが、それは誰か?というクイズを提出したことがあったっけ。まだ解答を発表していなかったな。

柳田明 『奇想曲』第60番 近代将棋 1984.12

以前、この作品を探したことがあって、そのときは北原義治作と思い込んでいて見つけることができなかった。柳田明だったんだ。
この作品、古典的な手順ながら、無駄なく無理なく自然な配置で名作だ。

後書きにこうある。

いずれは中長篇もまとめる予定だが、早く見たい方は編集部へリクエストを送ってください。

『看寿賞作品集』も完成したし、看寿賞選考委員長も退任したし、詰将棋解答選手権も今年は中止ということで、これは天の配剤だと思いませんか。
『柳田明の英雄交響曲』–これで行きましょう!

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