詰将棋つくってみた(203)
課題40:結果発表(1)

3名からしか解答がなく、危機感を持っていましたが、駆け込みで増えました。
ありがたいです。
でも、やはり全体的に短評は少なく、作品を提供してくださった作家の皆様には申し訳ない結果になりました。

さらにJudge も見つからなかったので、私が最後に優秀作判定をします。講評も無しです。ごめんなさい。

第1問 三輪勝昭

正解
65龍、同と、44金、同香、53金、55玉、
64龍、同と、66銀引まで9手詰

★44玉を許したら絶望なので緊急手段65龍は(44玉に45金をつくるための)必然手。同玉で76から逃げられそうだが64龍、76玉、86金、77玉、68龍までで詰み。このピッタリ感ある変化が短編の醍醐味だ。
★65同とと守備駒を動かしておいて、逃がしたくなかった44に金を打捨てるのが、これまた短編の呼吸だ。同香と逃げ道を封鎖してしまえば、もう鍋に入っている。
★重く金を打っておいて軽く龍を捌き捨て銀引きまでの詰み。手の流れの緩急が、もう身体に沁み込んでいるリズムなのだろう。
★詰め上がり「8」の炙り出しだった。

三輪勝昭 祝!藤井8冠。今更(笑)。
RINTARO 「8」のあぶり出し。流石ですね。
占魚亭 詰上り「8」。捨てる順番が考え所。
空貴人 8の字が現れるきれいな曲詰。風船図式にふさわしい作品
まつきち トップバッターに相応しいきれいな曲詰。初手が気持イイ。
ぎょうざパン 都詰めで「8」の字ですね。竜2枚の捨て方、上手いですね。
negitarou 初手から良い手が続くと思いましたが、詰上がり図を見てさらにビックリ!
hiro 詰上り「8」の9手詰。龍捨ての1枚目は第一感でしたが、2枚目は少しためらってしまいました。
松崎一郎 出現!六角墳(都詰)
★1人だけ古墳マニア(?)が。でも六角形には見えませんが?

第2問 Alexander

正解
54銀成、同玉、43銀不成、64玉、54銀成、同玉、
64金、同玉、63飛成まで9手詰

★初手は33飛の利きを開いて当然の一手だが、その次が考えどころだ。種明かしをしてしまえば44銀が邪魔駒になっている。64金、同玉、63飛成という詰形を考えているのだが、64金に同馬と変化されると43飛成に45玉と潜られてしまう。そこでこの銀を捌き捨てる。
★当然のような頭2手だが、折角開いた33飛の利きをまた塞いでしまうような43銀不成を心理的に指し難くするための演出といえよう。

占魚亭 銀捌きがいい感じ。
松崎一郎 二枚銀の消し方(還元玉)
まつきち 二枚銀の捌きに味がありますね。
RINTARO 邪魔駒消去だが銀2枚を消去させた点がいいです。
三輪勝昭 44銀が邪魔駒。43銀生が指し難く一目では解けず。
空貴人 一見複雑な図面に感じましたが、きれいな手順に導かれる感じが好印象
negitarou 二枚目の銀が動いて、すぐ成捨てられるのが面白い。3段目と4段目のラインで駒がうまくコントロールされていますね。

第3問 松田圭市

正解
55角、同玉、56銀右、66玉、33馬、44桂、
同馬、同歩、78桂、同と、67龍まで11手詰

★初手は55角しか見えないし、その後も他に手はなくだらだらと詰む。そもそも9手詰マスターの作品なのに11手かかる。『すなどけい』を確認してみたが風船図式は150作中3作のみだった。案外苦手な課題だったか? それでも参加してくれたことはありがたい。

RINTARO ちょっと底が浅いかもです。
松崎一郎 軽やかに手が進む(還元玉)
negitarou 六手目の合駒の選択が大事。
ぎょうざパン 駒が足りないときは合駒強要で
占魚亭 4手かけて45銀を56へ動かす。
三輪勝昭 正直言って何がしたかったのか分からない。
まつきち 合駒をパクる筋でまとめるならもう少し手数を伸ばしたいところ。
空貴人 初手57角かと随分迷いましたが、あきらめかけた時の55角の発見で何とか解図に至りました。44桂合の頑張りが、作品に彩りを添えていると感じます

第4問 Alexander

正解
56歩、45玉、36銀、同玉、26馬、45玉、
54銀、同玉、45角、同玉、65飛成まで11手詰

★56銀では54玉で63飛が助かりそうにないので初手56歩はこの一手。44玉と45玉の二択になるが、44玉は26馬から33角と実戦的な数の攻めで詰む。45玉に36銀から26馬と包囲を固めたところがメインディッシュだ。
★慣れた方なら一目だが65銀が65飛成までの詰みを阻害している邪魔駒だ。この駒を持駒の角を1枚消費して原形消去する順を変化豊かに表現している。
★詰め上がり24とが遊んでいるのが気になるが、2手目・4手目の変化で働いているので問題ないか。

まつきち 54銀から55角が爽快。
松崎一郎 指しにくい54銀が決め手。
RINTARO 本当にロシアの方ですか。上手すぎます。
占魚亭 それなりに纏まっているけど、物足りない。
三輪勝昭 65銀が邪魔駒。こちらは詰キストなら一目。
negitarou 八手目(同玉)の変化手順が好きです。全体的に変化が深い印象でした。
ぎょうざパン 馬を26へ使うのは意外でした。45角が気持ち良い手。ところで、8手目56玉だと変同?
★78角、67歩合で変長というのは潔癖すぎで、変同でよいかと思います。

第5問 negitarou

正解
72飛成、同玉、62香成、同玉、73銀、53玉、
64銀打、43玉、44銀上、54玉、53銀右成、同歩、
44銀成まで13手詰

★飛車が死んでいるのでまずは活用を考えると冒頭の4手はまず試してみる順。次の手も63に打てないのだから73銀とするのは必然手だ。考えるところはこの後。64銀右と行きたいが37角がいるので55銀は44に使う。そのために64銀打と重複感を跳ね返して打つのが本局の主眼手だ。(……ということは55銀を持駒にしてしまえば初形から37角と82歩が消せるが、主眼手も消えてしまう)

松崎一郎 銀の舞。
占魚亭 炙り出しになるかと思った。
まつきち 銀は不自由な駒でした(笑)。
ぎょうざパン 「54玉でダメ」と諦め、エライ目に。
negitarou 自作(初期案から六手逆算)、攻方・6三の駒を「香車」にしたのが工夫したところです。
三輪勝昭 銀の王手は感じ良し。序4手は意味がない。
RINTARO 創作の出発点は6手目の局面だと思いますが、序の6手とのバランスを欠いているため、序の6手は不要だと思います。
★6手の逆算はベテランには評判が悪かった。作者にはもう一工夫を期待したい。

第6問 Alexander

正解
63桂成、同玉、74銀、同と、55桂、53玉、
52桂成、同馬、63桂成、同馬、54飛、同馬、
62角成まで13手詰

★答案を採点していて急にこの6番で無解が増えた。それどほ難しくない作意だしおかしいなと思っていたら8手目の変化が大変長だった。
★作意はすぐに捌きたい64桂をソノママに、まずは74銀、同とと84角の活用を図っておくという狙い。捨てた55桂を打ち直すのが良い味だ。

占魚亭 軽快な捌き。3手目74銀が好感触。
三輪勝昭 8手目同玉の変化が分からず。柿木にかけると一応詰むようだが。
RINTARO これが作意だと思いますが、8手目同玉で変長ではないでしょうか。修正は容易なので誤記でしょうね。作意は素晴らしく、日本人の心をよく理解された手順なので、驚いています。

★投稿作は一応柿木将棋で解けることと余詰検査をしているのだが、なぜか気付かなかった。申し訳ない。作者は修正図を是非送ってください。

第7問 negitarou

正解
23銀、同玉、13桂成、34玉、24角成、43玉、
42馬、34玉、33馬、同玉、32桂成、34玉、
33成桂、同玉、23成桂、34玉、24成桂まで17手詰

★香車を塞いでいる2枚の桂を捌きたい初形。初手43銀に誘われるが同龍で無効。23銀から攻める。13桂成に同玉は24角成から押しつぶして詰むので3筋に戻るのだが、33玉では32桂成ができるので34玉と戻るのが延命になっている。ここから33角を捌いて33馬とし、2枚の香を解放すれば容易な詰みだ。

松崎一郎 軽いタッチ。
占魚亭 軽快でいい感じ。
まつきち 馬の往復から33に捨てるのが好感触。
RINTARO 角消去の手順がいいです。初形もいいですし、好作だと思います。
空貴人 前半は馬の押し売り。当初4手目で33玉を考えていましたが、34玉の発見にひとり驚き。後半は気持ちの良い着地が楽しめました。

★解答者からは好評で迎えられた。
★発表時に「迂回手順あり」と書いたのは14手目の局面。23成桂からの3手詰なのだが、42銀不成から33銀成という4手を加えても同様に詰む。厳密には余詰であろう。この指摘に対して作者から修正図が届いているので紹介する。

※続きは明日!

「詰将棋つくってみた(203)
課題40:結果発表(1)」への1件のフィードバック

  1. お疲れ様です。

    【第7問】の修正図ですが、風みどり様のアドバイスを全面的に取り入れております。
    風みどり様、ありがとうございました。

    【第4問】ですが、八手目から56玉、65飛成、57玉、68角、58玉、59馬の13手詰と勘違いしておりました。
    短評が少しおかしな感じですね・・

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