詰将棋つくってみた(204)
課題40:結果発表(2)

続きです!

第8問 negitarou

正解
73金、92玉、93歩、同玉、66角、92玉、
93香、81玉、71歩成、同玉、44角、81玉、
71角成、同玉、83桂、81玉、91香成まで17手詰

★初手74金にも惹かれるが、92玉、93歩、同玉、66角、92玉、93香、82玉で後続なし。直接73金とぶつけていく。先程と同様に香を入手して93香に73金ならば81玉と決まる。あとは71歩成から44桂の質駒を取って容易な詰み。
★それなら44桂を取らせないように66角の局面で間駒が登場するかと期待するのが解答者の心の動きだが、75合は同角で53角成と馬ができるので取った間駒が余る。84に歩合が利けば詰まないのだが二歩禁で適わず。桂合は角を捨てる2手が省けるので早く詰む。
★この期待をさせておいて裏切ってしまうという構造は作品評価の上で不利になる。(といっても最初に設定した作意によってはどうしようもないが……)

松崎一郎 角が大活躍。
三輪勝昭 6手目84歩合で粘って欲しい。
ぎょうざパン 「やけくそ中合」の変化も考えましたが無かったですね。持ち駒を稼いだ角を捨てる手順、きれいに決まっています。
占魚亭 風船図式を作ることに主眼が置かれていて、詰将棋としての面白さに欠ける気がする。
まつきち 角捨てで決めたのは良いが短編でパクパクと置き駒を取るのは冴えない。駒を取るなら、動かして取るとか、もう一味工夫が欲しい。あるいは6手目84や75の捨合でまとめられると良かったか?
RINTARO 手順は素晴らしいのですが、いろいろと惜しいです。不動の上部の4枚の配置や中合が出そうで出ない点、66と44が駒取りになっている点、これらを解消しようと努力されれば、さらなる高みへと行けるでしょう。
negitarou 自作。駒取りはありますが、六手目(7五歩合)の変化手順を見てもらえると嬉しいです。・・と書くつもりでしたが、迂回手順があったんですね。どこにキズがあるか分かりませんでした。(初手・7四金のあたりかな?)
★6手目の局面でもう76桂の役割は終わっているので、ここで84桂、93玉、92桂成、同玉とする迂回順が成立しています。これは厳密には余詰ですので作者には修正図をお願いします。さらに駒取り2回で終わってしまうという批判に応えた改良もあれば!

第9問 川蝉

正解
36金、17玉、18銀、同玉、27銀、同玉、
37金打、17玉、18銀、同玉、27銀、19玉、
18金、29玉、38銀、18玉、29金、17玉、
27金まで19手詰

★桂一色図式崩れの金持ち図式(で、いいんでしたっけ北村さん?)。
★初手は35銀も考えられるが、まずは36金が常識的だろう。27玉に27金では18玉と逃げられ29→39→49という逃走路に何の手掛かりもないので失敗。18銀、同玉、27銀と38への足掛かりを残しながら攻めるのが筋だ。37金打としてみると、28玉は38金打、39金打とできるので17玉。ここでもう一度18銀~27銀が繰り返されるのが作者の狙いだろう。作意は19玉だが29玉でも19手変同なので正解。

松崎一郎 金で押さえ、銀で誘導。
ぎょうざパン 37金が打てればあとは大丈夫
占魚亭 3〜10手目の流れが好きです。
三輪勝昭 3手目以降は4748の桂はいらないのでは?
★48桂は何のためとは誰もが感じたことだろう。48桂がないと3手目18銀ではなく26銀が成立する。28玉に37銀で攻めが続くのだ。48に銀でも金でも打てるからだ。こちらは分かり易いが47桂の意味は難しい。なんとなければ初手から27銀で余詰なのだ。

第10問 高木秀夫 「バルス」

正解
55銀、同と右、47歩、同玉、57金、同角成、
48歩、同馬、37金、57玉、66銀打、同と、
46銀、同と、55飛、56と右、58歩、同馬、
66馬まで19手詰

★持駒も3種だが6枚と多い。初形はコンパクトだが55から逃げられそうだし、いつか57金、同角成という展開も出てきそうで……難しそうだ。こういうときは目を瞑って初手55銀と捨てるのが定跡だ。持駒が多い内に「逃げ道に先着」の手筋を使うわけ。もしくは作家は最後にそういう手を入れたくなる生物だからである。
★55同玉には66銀でも詰むようだが66銀打と確実に上部に押し込む方が易しそうだ。変化は多いが飛車も成れるし詰む。(細かい変化は柿木の解を動く将棋盤に入れておきました)同と左も変化が奥深いが結局駒が大量に余って詰む。
★さて2手目同と右で玉は狭くなり76馬の利きも遠くまで届くようになったが、ここからどう攻めるか。47歩から57金はやりたくないが、それしか手はなさそうだ。飛車で馬を清算するような展開を予想していたが48歩、同馬、37金、57玉と進んでみると、どうも58歩、同馬、66馬の詰め上がりを目指す形のようだ。
★その線で66銀打、同とそ進めてみると、飛車を55に回る詰め上がりが見える。なんと曲詰だった。

占魚亭 左右対称形で詰め上がるとは思わなかったです。
三輪勝昭 曲詰? 俗手がいくつかあるので配置の期待値より落ちる。

作者 詰上りはラピュタのロボット兵のイメージです。
★「バルス」というタイトルもつけたのに、解答者には届かなかったようです。

第11問 本間晨一

正解
65飛、56玉、38角、47銀、55飛打、46玉、
45飛、36玉、47角、27玉、25飛、26歩、
同飛、同玉、25飛、16玉、17歩、同玉、
28角、18玉、19銀まで21手詰

★初形は都玉の桂一色図式。さらに持駒大駒4枚という趣向です。これで手順も素晴らしければ感動物なのですが、残念ながら変化の確認で終わってしまう解くのには手間がかかるが解けても疲労感しか残らないタイプの作品のようです。
★12手目26桂合があれば逃れそうですが、生憎桂は出払っていました。

三輪勝昭 一つは妙手が欲しい。
占魚亭 序数手を読みきれば、後は易しい。全体的には条件作らしい内容。

第12問 三輪勝昭

正解
66銀、同玉、46飛、56角成、同飛、同玉、
38角、47銀、48桂、66玉、55銀、同玉、
45飛、同玉、56銀、同銀成、同角、55玉、
45金、66玉、55銀まで21手詰

★初形「日の丸」の曲詰かつ無仕掛図式です。
★無仕掛図式は手掛かりを飛角桂でつくるのが一般的。本図も持駒に桂があるが……54玉として66(46)桂は難しそうだし、56玉として48桂も、56同角成とされて難しそうです。ということは飛車で王手をして手掛かりを作るパターン。66銀~46飛か46銀~66飛の二択だ。しかしこれは少し考えれば分かる。飛車を打って間駒させた後、55銀、同玉、45金または65金と攻めることになるが、65金は73桂や74金があるから不可能。したがって攻め筋は66銀、同玉、46飛しかないと決まった。
★46飛に間駒となるが56桂は55銀から45飛打で簡単。そこで56銀だが、45飛打、同銀に66金、46玉、55銀まで。そこで47の逃げ道を開ける上に守備力も強力な56角成が正解と分かる。
★56角成に同様の攻めでは47が開いているし、55銀も同馬と取られてしまう。これは再び無仕掛けになるのも詮無しと同飛を選ぶよりない。

★しかしこの局面なら誰でも38角から48桂という攻め筋を選ぶだろう。間駒は斜め後ろに利く銀に決定。これは66に重ね打ちして同銀成、同角とできれば良いのだが、できる形にするために55銀~45飛と2枚捨てておかなければいけないのが本局のクライマックス。

三輪勝昭 駄作です。
松崎一郎 可愛い初形。
ぎょうざパン 48桂を据える形までが大変でした。
占魚亭 令和の「日の丸」(その1)。56角成・56同銀成がちょっといい感じ。

※ちょっと風邪ひいたみたいで、最後まで進める予定だったが、ここで断念。続きはまた!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください