詰棋書紹介(82) 将棋イロハ字圖


将棋イロハ字圖 丸山正為 アカシア書店 1977.9.1(復刻) 元は 将棋月報社 1927.9.10

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす

色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず

今までずっと「酔ひもせず」を「よいもせず」と読んでいた。
考えてみると「我が世」ですでに「よ」はでている。
「酔い」は「ゑひ」だったんだ。

ともあれこれで\((7+5)\times4-1=47\)文字。
これに「ん」と「京」をいれて49文字。

この表裏をはじめて全局創作したのが丸山正為だそうだ。
その成果を将棋月報社が1冊にまとめ、それをアカシア書店が復刻版を出してくれた。
ありがたい。

\(49\times2=98\)
第99番と第100番は普通の作品を入れている。

第2番の「イ」の字は何度も引用されていて有名なので、今回は普通の詰棋書では禁断の第100番を紹介する。

丸山正為 『将棋イロハ字圖』第100番 1927.9.10

収束の53香を実現するために、龍と角を捨てておく伏線が秀逸だ。

余談だが、Wikipediaによると、五十音図すべてに異なる文字を使っていた時期もあるという。

これだったら裏表でちょうど100局になる。(ンはない)
どなたか挑戦してみてはいかがだろうか。

「詰棋書紹介(82) 将棋イロハ字圖」への4件のフィードバック

  1. いろは歌の作意は仮名を表記上重複することなく網羅するということで、発声上の同音は不問にしたと考えられます。
    当時「を」と「お」は発音が違っていましたが、この歌における「は」と「わ」や、「へ」と「え」は同音だったのではないでしょうか。
    すると「よいもせず」こそ正しい読み方なのかもしれません。

  2. 大昔に友人からいろは歌をプレゼントしてもらったことがあるのですが,ずぼらなもので紛失してしまいました。その友人も今は亡く,勿体ないことをしたと思っています。

  3. 誰もつっこまないので……

    (1)いろは歌
    ⇒[1](確実に)平仮名
    ⇒[2](つまり)おんな文字
    ⇒[3](なので)その友人は女子
    ⇒[4](意味は)特技の書道でプレゼント
    ⇒[5](たぶん)風みどり少年(「大昔」とあるので)はお返しに、特技の詰将棋で《ハートの曲詰》をプレゼント

    (2)いろは歌を「紛失」したのは、奥さんから元カノの思い出の品を隠そうとした結果、本当に失くしてしまった。

    以上、迷探偵気分で推理してみました。

    1. 名推理ですがほぼ外れです。ごめんなさい。
      「新いろは歌」と書けばよかったですね。
      前の女房と結婚したときに、友人(male)が新作のいろは歌をお祝いに作ってくれました。
      そいつは児童文学作家を目指していた男で言葉についての才能がおいらとは大駒違っていました。
      一晩で日の丸形のクロスワードとか作れるかとか競って遊びましたが、悉く勝てなかった。

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