詰棋書紹介(83) 小林敏樹短編詰将棋名作集


小林敏樹短編詰将棋名作集 小林敏樹 将棋世界2006.3月号付録

高校2年の4月。
小林敏樹さんと同じクラスになった。

思えば、あれが人生を踏み外すキッカケだったんだなぁ。(お互いに?)

そして卒業した先輩に妻木貴雄さんという方がいるというので2人で訪ねていった。
これが詰将棋の世界にドップリ浸かってしまうことになる決定打だったのかもしれない。

そして原敏彦さんに手紙をもらって詰朗会に誘われたのも大きな要因かもしれない。

……というように人生を振り返るのは年寄のすること。
これくらいにしておこう。

とにかくほぼ筆者と同時期に詰将棋の世界に足を踏み入れた小林敏樹はめきめきと頭角を現して一流作家に育っていった。

最近は詰パラの順位戦にしか作品を出さないので10数手の作品しか知らない向きもいるかもしれない。中編名作選にも選ばれた作品はあるし、少ないが長編もある。
しかし、小林敏樹の本領は超短編にある。

上の表紙の7手詰。飛車と香の限定打をシンプルに表現した易しい作品だ。
さらっと作られているようだが、恐らくこの図に辿り着くまでに数10作の別案を作っている。
もしくはこの図を5分で得てから数10作の別図を作った後でこの図に戻っている。

以前「7手詰を10年推敲する男」と書かれていたが、これは本当に誇張ではないのだ。

本作の狙いは46香に対する中合対策だろう。
玉の反対側からからエンジンをつけることも可能だよと語っている。

是非、作品集をまとめて欲しい作家だ。

当時「将棋世界」誌の編集長だった角さんが「この付録で満足させてしまった。この付録を作ったのは失敗だった」と語っていた。
(当時の編集長は角さんの前任の方)

そう、本人はちっともちゃんとした作品集をまとめる気にならないのだ。
「角ブックスとJCPSとつみき書店の3社で入札してほしい」なんて調子に乗っている。
この際、會場さんも引き入れて4社で権利を奪い合いますか。

小林敏樹『付録』第1番 詰パラ1984.7

小林敏樹『付録』第5番 詰パラ2003.7



将来使ってみてください。


オイラとしては角ブックスが一番合っていると思うんだけどね。
近いうちにつみき書店で出す2冊の出来を見てから,判断してほしい。
小さい(B6)のを作るので。


オイラの自慢は小林さんに素材を提供したことがあることです。えへん。


なにしろ詰将棋順位戦,いまだに皆勤賞ですからね。
オイラは第0回で1位を取ったんですが,その後急速に消えました。


会ってあげてください。>小林敏樹さん

「詰棋書紹介(83) 小林敏樹短編詰将棋名作集」への8件のフィードバック

  1. 当時の編集長は私です。
    詰将棋マニア向けの付録は、これと「片山倫生作品集」「ミクロコスモスの世界」の3冊を出しました。

  2. 是非作品集は纏めていただきたいです。そして、できればお手伝いさせていただきたいです。

    1. 有吉さん,是非小林さんと伊藤さんを説得してください。3人で誰の作品集が一番売れるか,競って欲しいです。

  3. 単に億劫なだけで、投稿せずに何年も手元に置いていただけの小林です。

    風みどりさんと出会わなければ、詰将棋を作ることなど思いもしなかったことでしょう。
    詰将棋を趣味に持ったおかげで、いろいろな人と知り合うことができ、楽しい人生を過ごすことが出来ました。どうもありがとう。(いや、まだ人生の終わりではないですが)

    1. 私も小林さんとの出会いがなければこんなに詰将棋の世界に浸かることはなかったでしょう。
      膨大な時間をこの世間的には役に立たない(場合によっては将棋ファンにとってさえも!)詰将棋に費やすことができて幸せでした。
      感謝しています。ありがとう。
      そしてまだまだ詰将棋で遊ぶ気持ち満々です。(あぁ,はやく年金もらえるようになって,フルタイムで遊びたい!)

  4. 将棋が役に立つという考えがおかしいと最近感じます。プロ制度は擬似宗教的で有害。詰将棋がアマなのは仕方ないし、健全だと思います。

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