詰将棋入門(166) 宗看流の龍の捨て方

三代伊藤宗看『将棋無双』第17番 1734.8

宗看流の龍の捨て方を是非ご賞味あれ。

71銀がいなければ21飛が61飛成として詰みそうだ。

91香成、71玉、81成香、72玉、

2手目72玉は作意と同様に攻めて早い。
81同玉は61飛成なので72玉と躱す。

92飛成、63玉、61飛成、74玉、

間駒や54玉の変化は今日はすっ飛ばしてしまう。
ここから素直に攻めると…

66桂、85玉、94角、96玉、

【失敗図】

これで詰まない。
角を動かして開き王手してもぱっとしないのだ。(76角成とできたら詰むのだが)
そこで正解は…

63龍、

51角を喰ったばかりの龍をすばっと捨てる。
力強い妙手だ。
同玉は52龍、74玉、66桂以下。
しかし、これで終わりではない。

   85玉、74龍、

逃げる玉に、さらに龍の押し売り。
さらに!

   76玉、85龍、

只で獲れる龍なのに何故か逃げ惑う玉。
それに追い縋るようにつきまとう龍。
この手順のインパクトは強烈だ。

   同玉、94角、74玉、66桂、63玉、

まずは作意を並べてしまおう。

52龍、同玉、61角成、同玉、62金まで23手詰

それでは、なぜあのような手順が成立するかを調べていこう。

【再掲図】

実はこの局面で61龍が邪魔駒なのである。
仮にこの図から61龍を取り去ってみると…

【仮想図】

これが詰むのだ。

66桂、85玉、94角、96玉、61角成、

61龍がいないので61角成ができるのがポイント。
52金を質駒としてみているのだ。

   93歩、52馬、95玉、
85金、96玉、86金まで

これで龍の追い縋り成立の鍵が明らかになった。
主な変化を潰していこう。

まずは63龍に同金上の場合。

【変化図】

今度は63金を質駒として狙えば良い。

66桂、85玉、94角、96玉、72角成、

以下は容易だろう。

次は74龍を同金の場合。

【変化図】

今度は74金を質駒として狙えば良い。

94角、96玉、83角成、93歩、74馬、

つまり95玉に95-52ラインから角で王手するために龍が常に邪魔だったというわけだ。

1枚の龍を2回連続で捨てることは難しいことではないが、3回となると難しい。
3回以上なら宗看流と称しても良いだろう。

さて本局は現代のルールだといくつか問題がある。

一つ目は6手目の82歩合。

これが右下まで追い回して詰む長い変化となる。

   82歩、同成香、63玉、61飛成、62金打、同桂成、同金、52角、54玉、55歩、45玉、41龍、36玉、46龍、27玉、16角成、18玉、48龍、28金、17金、19玉、28龍、同玉、27馬、29玉、28金、39玉、38馬まで33手詰

さらに収束もよく見れば…

作意は同玉だが、53玉だと43金、63玉、62馬までだから2手長い。

したがって現代で出題するとしたら、例えば次のようにしておくべきかもしれない。

【参考図】

それでも龍を取る変化が幾つか23手かかるから変同なのだが、これは作意は明らかで通ると思う。

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