駒の回転率を上げようという主張はどなたが?

最初に詰将棋物知りクイズを1題。

初入選作品が受賞するということは有力作家のデビューの際に時折みかけるが、3つの初入選作が3作ともすべて受賞したという作家は1人しか知らない。それは誰?

正解は江口伸治さん。

  • 1956年3月 町田伸二名義で近代将棋に初入選。これが第7期塚田賞中篇賞。
  • 2001年10月 江口伸治名義で詰パラに初入選。これが平成17年度看寿賞中編賞。
  • 2002年1月 江口伸治名義で近代将棋に初入選。これが第95期塚田賞中篇賞。

初入選の回数が人より多いというズルはありますが、それを差し引いてもこれは物凄い偉業ではないですか?

その江口さんが言うには、鶴田主幹の時代の詰パラに不動駒をなくせ、駒の稼働率をあげようといったことを主張する論文が載ったというんです。

これ、どの号の誰の論文だか詳しい方、教えてください。

江口さんが町田伸二時代に詰将棋を発表していたのは1955年から1957年まで。
調べてみると確かにこの頃から詰パラに回転率という言葉が散見するようになっています。

1967年3月号にはのちの全詰連会長門脇芳雄さんが次のような文を書いています。

現今「近代派」が流行する様になって「不動駒の配置」とか「駒の回転率」など推敲がうるさくなり、作品がスマートになった替りに、大きな狙いを持った作品、コクのある作品が少なくなった様な気がする。

ということでやはり1955年前後にその論文が掲載されたように思うのですが、見つかりません。この頃は「詰棋界」も発行されていた時期ですから、もしかしたらそちらでしょうか。

森田正司さんの本に回転率とか動駒率の定義式が載っていたような記憶があり『春霞』を繙いてみましたが見つからず。

どなたか詳しい方ご教授ください。

「駒の回転率を上げようという主張はどなたが?」への4件のフィードバック

  1. 回転率の式は『近代将棋図式精選』のどこかに載っていたと思います。(私は手放してしまったので今は確かめられません)

  2. 回転率・動駒率・消去率という3つの式が、村山隆治『詰将棋教室』(1967年)に見えますが、1950年刊『詰將棋の考え方』に同じ式が出ています。

  3. 回転率などの用語は里見義周氏のようですね。
    江口さんが読んだのは村山隆治氏の『詰将棋の考え方』という可能性もありそうですね。

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