詰将棋つくってみた(68) 課題14:結果発表

課題14:線駒の限定打を含む詰将棋を創ってください。

[注意]線駒の限定打とは飛角香の持駒を打つ手順が入り、その駒を打つ場所に2つ以上の選択肢があり、なおかつ正解は1つだけということを意味します。
[注意]ただし今回は「短打」は除くことにします。

今回は16名の方から解答を寄せていただきました。
おそらく最多人数更新です。
とても嬉しいです!

第1部 5手詰~11手詰

【第1問】小林敏樹


正解
37角、同龍、72龍、64玉、74龍まで5手詰

占魚亭 受方竜を釣る。
松澤成俊 3七角一発物足りない(笑)
武田裕貴 馬角の利きが重ならないように。
negitarou 初手・3七角打は意外性がありますね。
エレーン 詰む感じがせず苦労した。5手だったとは!
冬眠蛙 色々詰め込んでいるが、肝心の収束がやや残念。
はせがわ_ゆ 焦点合逃れの限定打。打ってから意味を考えました。
keima82 初手の限定打も上手いですが、中合の変化処理もお見事。
まつきち 37角は上田作を彷彿とさせる一手。変化処理も上手い。
松θ拓矢 ☗55角☖84玉☗57馬の紛れに対する☖66歩合の中合が絶品。
十姉妹 どの駒を支えるか悩みました。限定打ではないのではと思ってしまいました。
隅の老人A 37角打、変化読みの方に時間がかかりました。敏樹さんのお遊びか。(32龍が無い方が面白くなるのに、作意丸出しでした。)

【第2問】松田圭市

正解
61龍、41香、42銀、32玉、41龍、同馬、
35香、同飛、23金まで9手詰

松澤成俊 手筋の見本
はせがわ_ゆ 合駒で線駒を入手。
占魚亭 補充した槍をここ一番で投入。
冬眠蛙 合駒を取って焦点打は気分よし。
隅の老人A 油断大敵、8手目33桂の移動合が狙いかな?
武田裕貴 香を手に入れてからの限定打が洒落ています。
エレーン 61竜としてみたらあっけなく詰んでしまった。
十姉妹 限定打と聞いて始めは大駒を取りに行ってしまいました。
松θ拓矢 課題が限定打×持駒に線駒がない×46歩 = 4筋で香合を入手。
keima82 ラスト3手から逆算したのだと思いますが、主眼の香を限定合として登場させるのが上手いです。
negitarou 持駒に線駒がないと思いきや…。8手目は、3五同飛が作意だと思いますが、3三合駒(3四合駒)の手順が好みです。
まつきち お題から線駒の入手しかないが、大駒4枚が登場しているので、ちょっと変化に乏しいように感じます。(8手目の作意は何でしょうか?)

【第3問】keima82

正解
35香、34角、同香、同龍、71龍、同馬、
42角、21玉、12香成まで9手詰

松澤成俊 逆王手が出るのは良い
はせがわ_ゆ 19香の利きをめぐる攻防。
エレーン 34角で二手延命できるのですね。
冬眠蛙 双玉を活かして焦点打以降に一工夫。
隅の老人A 双玉初心者向き、作意が見えやすい。
十姉妹 駒の動きが縦横ダイナミックで良かったです。
武田裕貴 最終手も限定されていて終始緩まないところが良いです。
占魚亭 焦点に打ち、応手を問う。収束がちょっと残念ですかね。
negitarou 3四角合をうっかり。初見では7手詰だと勘違いしました。
まつきち 初手は紐なしで実現したいところですが、逆王手から龍捨ての演出もなかなか。
松θ拓矢 初手の限定打は一目だが、対する中合が少し見えにくかった。取りたくないけど取らざるを得ない、双玉ならではの中合ですね。
keima82 自作。前月の最優秀作と似てる上、他の作品に比べ、打点が見え見えになっていたり、応手が非限定になっている等、色々な点で反省。
藤田卓志 第1問を必死に考えましたが解けませんでした。印刷用ページを見て、これは解けるかも?!全てが限定。解けて久しぶりに気分がスッキリしました。ありがとうございました。

【第4問】武田裕貴


正解
63角成、同歩、69香、55玉、75飛、46玉、
47歩、57玉、55飛まで9手詰

松澤成俊 初手が良い手。好作
隅の老人A 初手良し。限定打二発の佳作。
武田裕貴 受方77歩は出来れば省きたかった配置。
松田圭市 限定打2発。62の歩が動くのが良いですね。
十姉妹 3手目5手目ととてもうまく作られていると思いました。
冬眠蛙 初手がうまく入った。合駒制限のための歩の顔も立ってこれはグッド。
エレーン 75飛を打つことになるのは分かったが、初手がなかなか見えなかった。
占魚亭 初手の角成り捨てが伏線として効いてくる構成。飛打ち以降は味気ない感じだが、仕方ないか。
はせがわ_ゆ 邪魔な角を消す初手の事前工作に驚きました。2度の限定打に加え両王手の綺麗な収束、完璧。
松θ拓矢 限定打2発で課題に忠実な作品。4手目☖68中合の変化は☗同香~☗65飛で割り切れていて上手い。
まつきち 限定打2発に両王手と抜群の出来。2手目のシンプルな合駒処理が巧い。二歩禁の歩が一度動くのも好ましい。
negitarou 初手・6三角成に気付いたので、後はすんなり解けそうな気がしましたが…。その後も、香車の最遠打、打歩詰回避の7五飛打など、限定打の理論構成に感服しました。(玉方・6二歩には、何気に合駒限定の意味もあり、細部まで工夫されていて素晴らしいです)
keima82 限定打2連発。個々の限定打は良くありますが、連続で実現するのはもの凄い難易度だと思います。4手目67桂や6手目65桂の中合が割り切れてるのがお見事。77歩は最終手78飛を消したものでしょうか。気づきにくいですが必要な配置と思います。最優秀候補だと思っています(私が最優秀と予想して当たった試しがありません。逃してしまったら、作者様ごめんなさい)ます。

【第5問】松θ拓矢


正解
36馬、同玉、63角、54角、45龍、同角、48桂、25玉、
52角成、同銀、26金まで11手詰

エレーン 63角54角の応酬が良い。
武田裕貴 角中合から竜捨てが気持ち良いです。
松澤成俊 強引な配置(笑)迂回手順成立?は味が悪い
冬眠蛙 ギュウギュウにやりたい事を詰め込んだ感。
占魚亭 前半の技の応酬が見所。後半は致し方なしですか。
十姉妹 始め自玉はなんでいるのかと思いましたが、逆王手の順があったのですね。
まつきち 63角限定打は見えたが54角中合が逆王手含みの妙防。45龍も強烈!
松θ拓矢 「一見攻方玉配置意味不明賞」があったら短編賞を獲れる自信がありますw
はせがわ_ゆ 45龍、54角を入れないと逆王手。またペレだろうと予想していたため嵌まらずに済みました。
隅の老人A これがお得意か?中々の力作。中盤の乱れが気になります。(3手目の同角に同角成の繰り返し。45龍に対する同角か、25玉)
keima82 前月に引き続きペレ。良く限定できたものです。初手15桂が危なく見えますが26銀合で逃れですか。攻め駒が多数取り残されるという点はありますが、手順は素晴らしいと思います。
negitarou 5一に埋もれた「龍」の意味を、ようやく理解できたところからが本番。4手目の角合が絶妙で、思考がグルグル回転(無限ループ?)。何周もして、ようやく5手目の打開策が見つかりました!

第2部 23手詰~37手詰

【第6問】negitarou

正解
67香、56玉、57歩、同玉、62香成、56玉、
67角、65玉、66歩、64玉、63成香、同玉、
83飛成、62玉、73龍、51玉、42歩成、同玉、
43龍、51玉、41銀成、62玉、73龍まで23手詰

十姉妹 最後の龍で強引に行く感じが良かったです。
隅の老人A 追い詰めの感じがしました。今一、強烈な一手が欲しかった。
占魚亭 62香成の辺りまではいいが、それ以降の纏め方がイマイチ。
松澤成俊 配置みてげんなり。6七角から6六歩以下は追い詰だけど筋が悪過ぎて考えにくいのはたしか。
冬眠蛙 ゆでた後に急用が入って3時間後に戻ったときのラーメンのような間延び感(笑)。誤解だったら失礼。
まつきち イントロの応酬は見応えあり。収束にはかなり苦労されたようですね。7手目57飛と捨てるような手でコンパクトにまとめたかった。
negitarou 自作です。後半が単調になったのが反省点です。
6手目・6七合駒だと9三角の限定打、6手目・角の移動合【6七角成(角不成)】だと1三角の限定打が生じるところが気に入っています。
keima82 限定打の機構は上手いのですが、5手目の駒取りからの手順が残念です。後に63成香という手が入っていることから、駒取りをせずに62香成を限定できれば素晴らしいですが、難しいですかね…(色々考えてはみましたが、自分にはできませんでした。ただ、62の取られる駒を桂馬にすることはできます)。
作品の趣旨にはあまり関係ない部分ですが、52桂は苦心の配置ですね。不要にも見えますが、6手目77桂合を嫌ったものでしょうか?その順もギリギリ割り切れてそうですが、難しいですね。まあ、そこを修正するよりも角タダを何とかしたいです。

【第7問】negitarou(その2)

正解
78角、同と上、56角、同と、27飛、24角、
同飛、33玉、22角、同香、同飛成、43玉、
44歩、53玉、54歩、63玉、64歩、73玉、
74歩、83玉、84歩、93玉、94香まで23手詰

冬眠蛙 暗算だと角合を見逃すところ。
隅の老人A 読みを外されたが狙いは面白い。
松澤成俊 前半は良いが後半がいまいちいまに
十姉妹 なんとか一枚分足らせよう、足らせまい、というせめぎ合いがなるほどでした。
占魚亭 27飛の一手に全てを賭けた作品。軽趣向作に発展できそうな気もするが……。
まつきち 2手目の変化でも限定打が味わえる。6手目は24でも25でもよいのでしょうか?
negitarou 自作です。この作品で表現したいことは、初手から5手目までにほとんど詰まっています。6手目の合駒は「角」が最善ですが、位置は2四・2五・2六のいずれでもOKです(11手目・2二同飛成で収束します)。
keima82 アイデアが良く、何がやりたいかが伝わってきます。しかし、もったいない点が2つ。いずれも駒の配置を入れ替えるだけで修正可能です。これらの問題点がなければ、個人的には今回で1,2を争う好作だと思います。
①初手駒取。
 78と→先手持ち駒、79と→88と、89角→69角で、おそらく解決できてると思います。
②15手目33竜以下余詰。無駄捨てですがれっきとした余詰です。
 単に防止するだけなら、42歩→42とで消せますが、もう少しスマートな消し方があります。
 竜の無駄捨てが発生するということは、作意順は途中から竜がいなくても良いという事になります。
 もし、竜を先に捨てることができれば、詰上がりに竜が残らず、綺麗になると思いませんか?。
 幸運なことに、作品図の配置のうち、2枚の駒の位置を互いに入れ替えるだけで、
 余詰も消えて作意もスッキリする手段があります。よく考えてみてください。
 
 もう1つ挙げると、35歩は持ち駒でも良いと思います。

【第8問】本間晨一


正解
77角、94玉、99飛、84玉、95角、83玉、
89飛、72玉、92飛、63玉、62金、53玉、
52金、43玉、42金、33玉、32金、23玉、
22金、14玉、19香、25玉、29香、36玉、
39香、47玉、49香、58玉、69金、49玉、
59金、39玉、49金、29玉、39金、19玉、
29金まで37手詰

十姉妹 香車をパクパクと楽しかったです。
冬眠蛙 飛込みで5発の最遠打。初めてかも?
松澤成俊 たしかに限定打がたくさん出てたのしい
占魚亭 最遠打の意味付けが分かりやすい。楽しかったです。
隅の老人A 99飛が最終手に繋がる好打でした。好趣向詰将棋です。今回のナンバー1。
まつきち 99飛の意味がかなり後で判明するのはいいですね。初形の4香は合駒制限のためかと思ったら、奪って限定打が4本登場するのは面白い。最後は打った香が全部消えてお見事!
keima82 限定打5回!(☗92飛はカウントしてません)。捨て駒も合駒もなく、攻方駒取りの詰将棋で、ここまで感動が味わえるとは。☗19香からの手順は目からうろこです(前例はあるのでしょうか?)。この順を思いつく発想力、そしてそれを実現させる技術の両方が素晴らしいです。

総評

はせがわ_ゆ 優秀作は4と予想します。
冬眠蛙 出題数これくらいだと、病院の待合室でちょうどいい感じでした。
隅の老人A 今回は良作、力作が有りました。優秀作品は8番、2番手は4番です。
占魚亭 出題数が少なかったですが、いい作品が多かったと思います(4、5、8が好み)。
negitarou 第2問、第4問、第5問が特に良かったです。線駒を「合駒」で発生させる第2問、限定打が二連続の第4問、千日手の罠にはまった第5問。
まつきち 5・6・7の3題は荒削りですが、がむしゃらに課題実現に取り組まれた成果かと思います。その意欲を高く評価。(迸る情熱が、枯れた老人にはうらやましい限り)
keima82 今回は課題が難しかったか、少数精鋭といった感じでした。1,2,4,5,7,8が素晴らしい作品でした(ほとんどですねw)。正直、自作はかなり見劣りしており、納得いっていない作品を出したことを後悔しています。最優秀予想は4番、佳作予想は1と8。

解答成績

Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8
keima82 当選
松澤成俊
negitarou
エレーン
十姉妹 ×
まつきち
冬眠蛙
隅の老人A
武田裕貴
松θ拓矢
松田圭市
占魚亭
藤田卓志
N.Yama ×
はせがわ_ゆ
松崎一郎 ×

厳正な抽選の結果、『詰将棋サロン名作選』はkeima82さんが当選しました。
また「3月号持っていない」という方の中で再度抽選しましたところ『将棋世界3月号』はnegitarouさんが当選です。
送付先郵便番号住所をメールしてください。

なお、『将棋世界』今月号は付録が「キッズチャレンジ」ということで必読なのですが、それでなくても3月号は年間優秀作選考会が掲載される月です。今月はさらに鈴木宏彦氏の「天才棋士達のエピソード–詰みの世界編–」も宗看・看寿から詰将棋の世界を解説しています。

「詰将棋つくってみた(68) 課題14:結果発表」への1件のフィードバック

  1. 皆様、短評いただきましてありがとうございました。

    【第6問】について
    少しだけ補足説明…
    5手目の角取りは必要悪(?)だと思って創作しましたので、6手目から。
    6手目の「6七合駒(角の移動合・含む)」の分岐はうまく処理できたのですが、「7七合駒」の処理に苦労しました。
    桂馬を枯らすのはすぐ決めたのですが、「7七銀合」でも詰む筋はないか考えました。結局、力及ばず「銀」も枯らさざるを得ませんでした。
    4枚目の銀を、攻方・3二の地点に配置したのですが、その銀に見せ場をつくろうとしたところ、後半、冗長になってしまいました(皆様のご指摘のとおりです)。

    【第7問】について
    少しだけ補足説明…
    完全にイメージの世界なのですが、(初手)角で「壁」に穴を開けて、その隙間を飛車がすり抜けるというのが、発想の原点でした。
    第1案では、攻方・3八角と玉方・5七とはありませんでした(と金の「壁」の配置も若干違いました)。
    3手目の「5六角」を成立させたくて苦心しました。
    【3手目・5六角がなければ、少しぼんやりした作品になった気がします】

    keima82さん、いつもコメントありがとうございます。楽しみにしています。
    ご指摘の件、考える時間を少しください。宿題(?)考えてみます。
    「3五歩」は、確かに持駒でも成立しているみたいですね。ご指摘ありがとうございました。

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