水上仁 近将1988.8
七色図式とは初形における(見えている)使用駒が飛角金銀桂香歩各1枚の作品のこと。いつも思うのだが玉はいつも無視されて可哀想である。玉だけは無色透明なのだろうか。
44桂がいなければ3手詰。捨てるのは32か52か。どちらにしても玉は取れないので逃げる。
だったら77角の利きが届いている右辺に追うのが正解だろう。
52桂成、31玉、41成桂、21玉、
角の利きを頼りに飛車を使うしかなかろう。
25飛、32玉、43銀成、同玉、
待望の金を入手。
23飛成、52玉、51成桂、62玉、
持駒金で一間龍で詰むのは41までだが、77角がいるので51成桂もとれない。
61成桂とも追えるが72玉で83からの脱出が見えている。
ここは足の長い角の出番だ。
44角、72玉、71角成、83玉、
逃げられそうだが大丈夫。
93馬、72玉、
93同玉、73龍は岡田秋葭作を知らなくても持駒金香なら詰むことがわかる。
しかし次の手が難しい。71馬では千日手だ。
51成桂がいなければ63金で簡単なのだが……次は決断の一手。
83金、62玉、73金、51玉、
金を手放す。香を入手できたが急に手元が寂しくなった。
ここで53龍が自然に見えるが、41玉、43香、32玉、42香成、22玉で王手がない。
75歩の意味はここで66馬を消すためにあるようだ。
再び決断の一手を余儀なくされる。
62金、同玉、84馬、52玉、
71玉の変化が難しい。74香に72合となるがアタマに利く駒だったら同香成から73龍で詰む。
72桂合が一番長いが同香成、同玉に64桂と打って詰みだ。
52玉にそろそろ収束かと思わせて、作者はとびきりの妙手を用意していた。
59香、
最遠打。これで痺れている。
変化からつぶそう。
61玉、83馬、
【変化図】
合駒したら63龍で終了。
42玉、75馬、
【変化図】
42玉は一番簡単。3手詰だ。
そこで正解は
41玉、
これで切れているように見える。
51馬だったら31玉だ。
もう一つ馬の王手がある。
74馬、31玉、
【失敗図】
あと1歩あれば32歩で詰む。
と、いうことは59香に中合は無いということが分かる。
桂馬でも43桂だ。
そこで41玉には馬ではなく龍で攻める。
21龍、
合駒したら51馬まで。
42玉、51馬、43玉、
玉は当然上部に逃れる。
23龍、44玉、62馬、45玉、
59香と遠打した意味が見えてきた。
25龍、46玉、73馬、47玉、
58香だったら逃げられてしまうことが分る。
27龍、48玉、37馬、49玉、38龍まで45手詰
本局の瑕は最終3手目37馬の所で28龍でも詰むことだ。95馬という手がある。
今だったら七色図式は諦めてもう1枚駒を置くところかも。