詰将棋つくってみた(105) 課題22:結果発表

課題22:打歩詰の局面を回避する詰将棋を作ってください。

投稿作は14作とわりとお手頃の数でした。
しかし回答数は振るわず9名でした。
「少ない」とtweetすると送ってくださる。ありがたいことです。

第1問 松田圭市

正解
43角不成、32歩、同角不成、12玉、13歩、22玉、
33桂成、同玉、43角成まで9手詰

松澤成俊 不成でいけば詰む王道
ぎょうざパン 33桂成が気持ち良い手。
占魚亭 同地点で初手は生、最終手は成。上手い構成
松崎一郎 初手43角生、最終手43角成。この対比が面白い。
竹中健一 シンプルな纏め方だと思いますが、36桂は動かしたかったかな。
ミーナ いっけん打歩にみえないところからの不成に価値がある。収束も目新しい。
negitarou 玉が2二の地点にいる瞬間しか成立しない「3三桂成」が好手だと思います。
まつきち 角不成2回と歩の捨合が見せ場。13歩という平凡な手が入るのが打開モノのつらいところ。

第2問 ミーナ

正解
17歩、15玉、16歩、26玉、37金左、16玉、
17歩、15玉、27金寄、59飛成、16歩まで11手詰

占魚亭 金の繰り方が大事。
松澤成俊 これフェニックス?
ぎょうざパン 金の横滑りが面白い。
まつきち 狙いは先打突歩? 金の動きも面白い。
竹中健一 打歩よりも二歩禁がテーマに見えてしまった。
松崎一郎 48の金が16まで上がって主役になるとは予想外。
negitarou 「1八歩」は邪魔駒?、頑張って消去したくなりますね。2手目(2六玉)の変化手順が好きです。

第3問 浦和高校将棋部

正解
11歩成、同玉、32歩不成、22銀、12歩、21玉、
31歩成、同銀、11歩成、32玉、33銀成まで11手詰

松崎一郎 竜と馬は相手にせず。一歩千金。
ぎょうざパン 馬を働かせないように角は不動で。
松澤成俊 浦高にしては平凡。鮮やかな捨て駒が一手は欲しい
竹中健一 定番の不成ですが、銀合が粘りのある受け方ですね。
占魚亭 角の睨みを活かす。終始重い形だが合駒動かしが入り、まずまずの仕上がり。
まつきち 32歩生が定番の打開。対する22龍が好防。イントロが良いので後半に一手欲しい。
negitarou さくさく解けて解後感が良いですね。3一歩成~1一歩成~3三銀成の一連の手順が、爽快な感じで好きです。
ミーナ 歩不成のあとをどうするか。竜、馬のにらみが抜群で、銀合を取らずに、きっぱりとした収束に結びつけた。41歩と43銀は、41銀一枚で代用できる。

第4問 風みどり

正解
23桂打、12玉、13金、同玉、24角不成、12玉、
11桂成、同玉、23桂不成、12玉、13歩、23玉、
33馬まで13手詰

竹中健一 ヒモを外すのが面白いですね。
占魚亭 初形と8手目の局面の差異がポイント。
松澤成俊 金と角を入れ替えるパズル。おもしろい。
まつきち スタートが重ね打ち、最後はカラ跳ねというのが面白い。
ぎょうざパン 敢えての23桂打が面白い。隙間に滑り込む13金も感触良い。
negitarou 初手は、桂跳ねも見えて少考。1一桂成で、桂馬の跳ねるスペースを確保!
松崎一郎 継ぎ桂は感覚的に打ちにくかった。8手進めると24金が角に換わり5手詰が見えた。
ミーナ 金と角のすり替えと、15桂の消去。わざと打歩にとび込む初手の桂打が鍵。仕事はまとめず、順序よく。

第5問 はせがわ ゆ

正解
22銀成、同玉、34桂、32玉、31飛、43玉、
41飛不成、32玉、22桂成、同香、31飛不成、43玉、
44歩、42玉、41飛成まで15手詰

占魚亭 同地点への成り捨ての味良し。
竹中健一 22桂成が見えにくい好手でした。
ぎょうざパン 双玉独特の逆王手を含んだ詰手順、楽しかったです。
松崎一郎 飛車の成らずの反復横跳び(1往復半)がユニーク。
まつきち 9手目31飛生では千日手。22桂成が縛り駒を消す好手。
松澤成俊 打歩詰の局面にはならない(回避する)と思っていたので苦戦。(④より⑤を先に考えたので)
ミーナ 銀と桂を打ち換えると、その桂がまた邪魔に。22地点がホットスポット。狭い場所でのやりくりはミニ趣向の味わい。
negitarou 初手になかなか気付きませんでした。銀・桂馬と同じ地点に成り捨てるのが格好良いですね(飛車の不成・2回も面白かったです)。8手目・合駒の変化手順にも悩みました。

第6問 武田裕貴

正解
51角成、24歩、同馬、同桂、16歩、同桂、
11飛、13歩、同飛不成、25玉、26歩、24玉、
35角、34玉、43飛成、同玉、53角成まで17手詰

松澤成俊 初手非限定は味が悪すぎる
松崎一郎 11へ打ち下ろす飛車の気持ち良さ。
占魚亭 25玉に備えた11飛が上手い一手。
ぎょうざパン 35角~43飛成の手順は気持ち良いですね
竹中健一 11飛からの攻防はよく見かけるけどこの収束は綺麗。
ミーナ 打歩に誘う捨合を少ない駒で表現している。香の川を渡り、完璧な着地。完成度が光る。
negitarou 難しかったです。桂馬の二段跳ねが、味わい深いですね。13手目からの「五手詰」で悩みました。

第7問 松θ拓矢

正解
14龍、13角、同龍、12香、33角、同歩、
23桂、21玉、22歩、32玉、31桂成、同玉、
21歩成、同玉、27飛、同角成、22金まで17手詰

占魚亭 序の攻防が見所。
ぎょうざパン 角の中合が有りましたか!
松澤成俊 序盤4手がヤマ。配置はもう少し整理できないのかな
竹中健一 ちょっと配置が重いのがもったいない気がしました。
negitarou 初手がふわっとした感触の一手。4手目・銀合の変化手順もあり、手強かったです。
松崎一郎 序の角、香の連続合駒に大道棋の雰囲気を感じた。9手目の22歩は自然手で絶妙手。
まつきち 妄想解です(笑)。これが作意なら2手目に比重がかかり過ぎで、ちょっと形と手順のバランスが良くない。
ミーナ 22歩をめぐる攻防。合駒しらべがむずかしい。13桂合なら変同だけど、品切れだった。大がかりでも一つ一つ意味のある配置に、強い意志を感じる。

第8問 negitarou

正解
26金、同銀、同歩、35玉、24銀、26玉、
64角、29馬、27金、25玉、26歩、24玉、
42角成、23玉、32馬、13玉、14飛まで17手詰

negitarou 自作(攻方・飛車の利きを遮る・その1)
松崎一郎 角(馬)が、空き王手、両王手、寄せと大車輪の活躍。
ぎょうざパン 初手の精算はビックリ。64角からの大移動は気持ち良い手順でした。
竹中健一 64角が狙いなんだと思いますが、それならもう少しシンプルにまとめたいかな。
松澤成俊 6四角が良い手だが配置が大袈裟なわりにそれだけでは弱い。最後に鮮やかな手が欲しい。
占魚亭 26歩を実現させるために飛の利きを塞ぐ。収束が残念だけど、こう纏めるしかないですか。
ミーナ 飛の効きを遮断して打歩を回避する、本格的な構想。一見無造作な駒交換も、飛の横効きを利用して、おおきなストーリーをつくっている。
まつきち 第一感26歩だったので26銀からの清算は意外だが、好演出かどうかは微妙。64角が飛車の利きを止めて打歩詰を回避する手だが、こちらは今ひとつ妙手感に欠ける。収束が締まれば印象も変わるのですが。(41銀→11と、12香→13では余詰?)

第9問 芹田修

正解
13歩、同玉、24馬、12玉、13馬、同玉、
24角不成、12玉、13歩、23玉、33角成、13玉、
24と、12玉、23馬、同歩、13歩、22玉、
33飛成まで19手詰

占魚亭 煩雑さのない、やさしい癒やしの詰将棋。
松崎一郎 邪魔な馬の消去と角が馬になるタイミングの妙。
竹中健一 ダブっていた角と馬を両方捨ててきれいな仕上がりですね。
negitarou 11手目までは、比較的すんなり。その先から苦戦しました。
ぎょうざパン 馬→角へ変換しての細かな手順。最後に馬を消しての詰上がりも気持ち良い。
まつきち 馬を生角に入れ替え、最後は馬も消して上手いものです。初形も大駒と歩だけで美しい。
松澤成俊 芹田さんの作としては画期的に易しい打ち歩打開の基本作。だからココにあるのかな(笑)
ミーナ 大駒と歩の珍しい駒趣向。馬と角のすり替えというよりも、馬の消去ですね。絶対の初手を入れたの、13へのリフレインを増やすため。2枚目の馬も消し去るのが、ベテランの芸。

第10問 negitarou

正解
13飛成、同玉、24角不成、12玉、13歩、23玉、
33角成、13玉、35馬、12玉、24桂、13玉、
32桂成、12玉、22成桂、同銀、24桂、13玉、
32桂成、14玉、24馬引まで21手詰

松崎一郎 馬と桂の見事な連携プレー。
松澤成俊 終わりの方に鮮やかな手が欲しい。
占魚亭 2度の24桂~32桂成がいい感じ。
ぎょうざパン 24桂のおかわり、面白い手順ですね。
竹中健一 詰め上がりがちょっと重たい感じがしました。
negitarou 自作。攻方・4四の馬は「角」でまとめたかったのですが、力及びませんでしたね。
まつきち 24にと金を呼ぶ序奏になると良かったか。24桂~32桂成のリフレインが面白い。
ミーナ これも24角不成。例題の影響かな。こちらは、打歩は味付けで、24桂の繰り返しが主眼ですね。

第11問 シナトラ

正解
51角不成、32玉、42飛、23玉、41馬、33玉、
32飛不成、44玉、33角不成、54玉、63馬、同玉、
62飛不成、54玉、45銀、同桂、55歩、53玉、
65桂、同と、54香まで21手詰

松崎一郎 73が生角で予感はしたが、飛車も生のままだったのか。
松澤成俊 考えどころは3手目か。放して中合いかどちらだろう?と思った。
ぎょうざパン 離さない42飛が意外な手。36の銀、57の桂が消える手順も良いですね。
竹中健一 これは素晴らしい!変化も考慮した大駒のダブル不成は見事!今回ダントツのNO.1だと思いました。
占魚亭 45銀に同香とされた局面に備えた初手生に膝を打つ。2度の飛角生と馬のスイッチバックも入り、上々の仕上がり。
ミーナ 収束45銀に対するふたつの応手にそなえて、2か所の退路を用意する。飛角両方、二度の不成に馬のスイッチバックと、みどころ満載。デパートと対になる作。仕事が終われば、あとは短く切る、こちらの方が、スタイリッシュな作者に似合っている。

第12問 negitarou

正解
14歩、同玉、32香不成、47と、15馬、13玉、
14歩、22玉、31香成、52飛、32桂成、同飛、
同成香、同玉、42香成、22玉、33馬、同玉、
32飛、24玉、35飛成、14玉、15龍まで23手詰

松崎一郎 香車の不成から成りの二段活用。
竹中健一 狙いの手の後はすっきり纏めたいかな。
松澤成俊 3三馬は良いがもっと手短にまとめないと(笑)
ぎょうざパン 大駒がうまく捌けていますね。33馬は気持ち良い一手。
まつきち 32香生は定番の手筋ですが、33馬捨てが入ってきれいにまとまりました。
占魚亭 駒取りなしで32香生とできたらよかったけれど、綺麗に纏まっていると思います。
negitarou 自作(攻方・飛車の利きを遮る・その2)。初期配置で、攻方・4七角だと4手目(2三玉)と逃げて不詰めです。
ミーナ 玉の逃げ道をつくる香不成。初手の歩打は、いきなり狙いの一手になるのを避けるため。後半はよく捌けて気持ちよい。玉がくるっとひとまわり。

第13問 ミーナ

正解
12歩、21玉、32桂成、同玉、33歩、21玉、
11歩成、同玉、32歩不成、55桂、12歩、21玉、
31歩成、同玉、42角、32玉、23歩成、同玉、
24角成、32玉、42と、21玉、11歩成、同玉、
33馬、21玉、22馬まで27手詰

占魚亭 巧みな歩捌きを楽しみました。
竹中健一 序の打ち替えが入るのがさすがですね。
松澤成俊 4五と無しでなんとかならないのだろうか?
ぎょうざパン 桂→歩へ打ち変える手順は面白い。55とor55桂で悩みました…。
松崎一郎 巧みな歩使いで角を取らせて馬を取る。9手目の空き王手の応手にうっかりは禁物。
まつきち 桂から歩への打換えは「八段目の桂」ではなく「二段目の桂」とでもいうべき面白さ。
negitarou 攻方・4四桂を「歩」にすり替える手筋?、16手目の玉の逃げ場所、どちらが最善か少し悩みました。

第14問 やよい

正解
64銀、66玉、88角、77成桂、75銀、55玉、
56歩、44玉、43成桂、同玉、16馬、同香、
42と引、44玉、45銀、35玉、79角、68歩、
同角、同成桂、36歩、24玉、23と引、同銀、
25歩、15玉、16歩、同玉、17香まで29手詰

占魚亭 玉の退路を作るための16馬が好手。
ぎょうざパン 桂合をさせないための序章、素晴らしいです。
松澤成俊 5六歩で詰まないならこれしかないのだけどおもしろい構想作。
竹中健一 歩合強要じゃなくて57桂合を防ぐための序の数手が面白いです。
松崎一郎 角は上か下か、馬は右か左か悩む。角を歩に換え、馬は捨て駒とは。
まつきち こちらは「八段目の桂」。16馬の筋は見えたものの、77に成桂を動かすイントロに気づかず57桂合で一苦労。(思ったより手数短いので自信なし…)
ミーナ 56歩から平凡に攻めると、25歩が打歩詰。退路をつくるため、16馬と捨てる際に桂(42成桂)を渡す。そこで、合駒が8段目になるように67成桂を77にずらしておく。ここにもひとつ、禁じられた遊びの末裔。

総評

占魚亭 好作ばかりでした。お気に入りは11。
まつきち 不成による打開が多かった印象。32歩・香生と24角生が被りましたね(笑)13番、個人的にはアイデア賞。
ミーナ よかった作品は6,11,14。今回は玉の退路をつくるタイプが集まりました。取り歩駒縛りでもういっかいやりません?
竹中健一 久々に解答をお送りします。打歩打開と回避の違いがよく分からなかったので、テーマを意識せずに短評を書くことにしました。
negitarou 全体的に「不成系」の問題が多かった印象。全問は解けませんでしたが、解けた問題の中では【第5問】と【第6問】が特に面白かったです。
ぎょうざパン 「打歩詰回避」という事でナラズを考える事で気持ち良く解けました。(個人的には)これくらいの問題数の方が手を付けやすいですね。(解答強豪の方には物足りないかもしてませんが…)出題のタイミングも1日で有難かったです。(詰パラが1日に届かないことが多くなっているので…)来月も参加できる事を楽しみにしています。

成績発表

Q1 Q2 Q3 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q10 Q11 Q12 Q13 Q14 粗品
ぎょうざパン 当選
negitarou
山城正樹
ミーナ
松崎一郎
まつきち
占魚亭
松澤成俊
竹中健一

当選は厳正な抽選の結果、ぎょうざパンさんに決まりました。粗品を送ります。

「詰将棋つくってみた(105) 課題22:結果発表」への3件のフィードバック

  1. 【第12問】の短評ですが、初期配置・4七角だと、4手目(1三玉)で不詰。 が正しいです。
    失礼しました。

  2. 皆さん、ご解答・短評いただきありがとうございました。

    【第8問】について
    後半、これといった妙手が思いつかず投稿図としましたが、まつきちさんの言われるように修正すると、二手短くなりスッキリしますね。
    余詰も、おそらく無いかと思います。

    【第10問】について
    2四桂〜3二桂成の手順について言及していただいて、嬉しかったです。

  3. 【第12問】について
    初期配置で、玉方・3二歩を消去(持駒・歩追加)した場合、3手目・1二飛成からの余詰筋があります。

    3ニ歩は消去したかった駒ですが、力及びませんでした。(苦笑)

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