詰将棋創作チョー入門(44) 第5回三手詰祭:結果発表(その3)

つづきです!

第21問 negitarou

正解 55金、同桂、54桂まで3手詰

46桂が跳ねれば詰みなのに、どちらにも跳ねることができないという構図。★

 占魚亭 金が邪魔者。
 zuzu 軽い桂はねいいですね
 RINTARO 初手55金しかない。
 ぎょうざパン 桂跳ねまでの詰上がり、面白い形です。
 まつきち 55金に不利感がなく、桂馬が動ける余地をつくるなど、初手の演出に少し工夫が欲しい。

第22問 シナトラ

正解 36角、\(\begin{cases}34角、23とまで3手詰\\
34と、25とまで3手詰\end{cases}\)

作者 2手目12角を動かさなければ23とに同角があるのに、自らpinされにいってpin-mateになる。2手目34との順も同様で、このような受けをSchiffmann defenseと呼ぶはず。

34に間駒すれば23とは同角と取れるし、25とは同とと取れる。ああそれなのにわざわざ自分からピンされに行く面白さ。手品のタネは36角から14との攻め。★★★★★

 RINTARO 2手目34とは25と。
 川石隆志 うっかり見逃しそうな移動合。
 占魚亭 ピンメイト。移動合の駒の違いでトドメのと金が変化。
 negitarou 一番悩んだ問題。角の移動場所の選択肢が多くて悩みました。
 まつきち 駒余りを避ける移動合だが取られる駒の移動ではないのが新鮮。

第23問 シナトラ

正解 55歩、\(\begin{cases}同龍、73王まで3手詰\\
同馬、75王まで3手詰\\
64玉、85王まで3手詰\end{cases}\)

作者 2手目44玉の変化を付けることが出来ず、3通りに留まった。

73王としたいが46馬が利いている。75王としたいが35龍が利いている。
そこで焦点の捨駒となるわけだが実は73王や75王とできたとしても64間駒で詰まない。
されば55歩は一石二鳥の手なのだ。これ将棋では褒められる話なのに、なぜか詰将棋では褒めていない場合がある。★★★

 zuzu 同馬なら75玉
 RINTARO 2手目同龍は73玉。
 ぎょうざパン 様子見の歩突きが良いですね。
 まつきち まさに一手違いの終盤(笑)。
 川石隆志 ピンされているとわかっていても馬の近くへの玉の移動は精神的抵抗がある。
 占魚亭 受方35龍・受方46馬のラインを閉じて王の移動場所を作る。流石、上手い。

第24問 negitarou

正解 33桂、同歩、32金まで3手詰

初手に対して同歩・同金・31玉の他に同銀という変化を増やそうという気持ちはわかりますが、そのために働かない2枚の角を配置するのはプラスマイナスでマイナスと思います。そもそも角は1枚で良さそうですし。★

 zuzu 定番です
 はせがわ ゆ 三つの手順で別の位置に金打ち。課題に忠実。
 占魚亭 この枚数で実現させる手順ではないように思う。
 negitarou 自作。変化は4通り、自作ではこれがMAXです。
 RINTARO 同歩の変化に31金以下の最終手余詰があるのが気になります。
 まつきち 焦点の捨駒は課題にピッタリの初手。(同歩は31金でも詰むのでは?)
 nitta 桂馬が創る空間を制御!玉のはじめの位置が3一でも4二角成から詰ませることができるのが、面白いと思いました。(金が一枚余りますが…)

第25問 風みどり

正解 36馬、57玉、37龍まで3手詰

作意では表現できない詰上り第2弾。

 まつきち 大駒がきゅうくつ。
 占魚亭 龍が使える形を作る。
 RINTARO 縦に香龍合効かずの変化。
 はせがわ ゆ 解いた後に25馬のまぎれに気づく…

第26問 シナトラ

正解 55金、\(\begin{cases}同飛、66飛\\
同玉、45飛\\同香、43角成\\同角、56角\end{cases}\)まで3手詰

作者 飛で2変化、角で2変化の合計4変化。全て駒余らずで纏めたかった。

飛車が縦横、角が上下に動くのが当然とはいえ、楽しめます。

 zuzu 焦点の金捨て
 占魚亭 飛は縦横、角は上下。
 RINTARO 2手目の応手4通りに対する3手目の手が違う。
 まつきち 部分的には、飛車には飛車、角には角という対比。

第27問 シナトラ

正解 44馬、\(\begin{cases}42玉、53馬\\53合、43馬\\57馬、62馬\end{cases}\)    まで3手詰

狙いを見破った方が1名!

 はせがわ ゆ 攻め方馬のシフマンとペレ。

作者 初手が馬をpinする手になっていて、42玉にはPelle move、53合にはSchiffmannが飛び出すという3手詰。この組み合わせの3手詰は発表済みだが、さらに57馬の変化が付いて上手く行った。

間駒を直後に動かす仕組みであるシフマンとペレ。その両方をわずか3手で表現した作品でした。さて、こう説明されてもピンと来る方は稀かもしれない。じっくり考えてみてください。初手の44馬は35馬という王手に対する間駒なのです……。★★★★

 zuzu 攻防の馬
 占魚亭 53馬が見事な一手。
 RINTARO 2手目42玉は53馬。
 ぎょうざパン 53合の変化も面白いですね。
 まつきち 初手王手がかかっているんですね(笑)
 negitarou 初手で自玉をガード(開き王手)、二手目・4二玉の手順が好きです。

第28問 風みどり

正解 55龍、同銀、75馬まで3手詰

作意でできない詰上り最後は2枚角です。★★★★

 RINTARO 角馬合効かずの変化。
 占魚亭 91角のラインを活かす。
 まつきち 初手55龍は鮮やかな一手。
 はせがわ ゆ いくつか出てきている変化処理だが、これが一番好き。
 zuzu 巧妙にできてますね、退路封鎖の銀捨て、取ることのできない馬。
 negitarou 初手は玉を「5三」に逃がさないための一手、二手目・同玉の手順が見えにくかったです。

第29問 シナトラ

正解 76金、\(\begin{cases}85角、46銀打\\85香、56銀打\end{cases}\)   まで3手詰

作者 half-pinの形から1枚が移動。

85飛を抜かれてもどちらかの桂がピンされるという仕掛。

 まつきち 金は引く手に好手あり。
 RINTARO 2手目85角は46銀打。
 zuzu 飛車をどちらでとっても、銀打ちできる仕組みになってる。
 占魚亭 85飛を取る駒の違いで開くラインと銀の打ち場所が変化。この一手ではあるけれど、引く味がいい。

第30問 小林敏樹・シナトラ(共作)

正解 38金、\(\begin{cases}同角成、96飛\\同桂成、16飛\\同玉、36飛\end{cases}\) まで3手詰

作者 変化に応じて飛が盤の右端と左端に動く。小林敏樹邸にて「ああでもない、こうでもない…」と案を出し合いながら完成させた3手詰です。

左右の端への飛車の限定移動に36飛のおまけまでついて、今回の一番人気でした。★★★★★★★

 RINTARO 2手目同角成は96飛。
 zuzu 退路封鎖と邪魔駒消去の妙手
 はせがわ ゆ どっちの最終手もいい感じ。
 まつきち 初手開き王手には46桂が妙防。
 ぎょうざパン 格言通りの「逃げ道に先着」が良い手ですね。
 松崎一郎 応手によりトドメの飛車が6段目をスライドするのが面白い。
 占魚亭 両端への移動の透かし詰×2&両王手。飛の移動の違いを楽しみました。
 negitarou 三手目での王手は、全て合駒利かず。三手目の「1六飛」は、味わいのある一手です。

第31問 はせがわ ゆ

正解 46角、\(\begin{cases}同玉、13角\\同と、93角\\48玉、39飛成\end{cases}\) まで3手詰

作者 新版怒涛7番の、6手目同玉の変化も最遠打に限定すれば、対称性?が生まれると思い作った作。最終手余詰の防止駒がひどいことになりました。95、68はと金である必要はありませんが、なんとなく。

前局が左右への限定移動でしたが、本作は左右での角の最遠打。★★★★

 まつきち 短打で始まり遠打でトドメ。
 RINTARO 初手13角は35歩合で逃れ。
 ぎょうざパン 中合の逃れ手順があるんですね。
 zuzu と金ずらして玉薄くするのか。3手詰奥深い
 はせがわ ゆ 自作。2種の対照性を組み込んだのが工夫。
 negitarou 初手は限定打!、三手目(1三角・9三角)の対比が良かったです。
 占魚亭 取る駒の違いで角の打ち場所が変化。左右の最遠打で纏めたのは上手いですね。

第32問 シナトラ

正解 64飛、\(\begin{cases}同桂、54香\\同銀、55香\\13玉、14飛\end{cases}\)   まで3手詰

逆王手を狙っている81角と95飛、それらにわざわざ働かせてやろうという64雛正解という面白さ。28飛では13玉で追撃の手がないのである。★★

 まつきち 肉を切らせて…。
 ぎょうざパン 3連続王手ですね。
 RINTARO 2手目同銀は55香。
 占魚亭 開き王手には開き王手。
 negitarou 香車の盾で、自玉をガード!
 zuzu ハラハラの展開 王手の王手返し アクロバット
 川石隆志 双玉問題は逆王手がかからない手順から読んでしまう。

第33問 シナトラ

正解 73銀、\(\begin{cases}同玉、63桂成\\
71玉、63桂不成\\51玉、42銀成\\53玉、42銀不成\end{cases}\)

作者 star-flightと2種の成生を融合した作品。いかにもプロブレム的な詰め込み方で、完成度は低いがオリジナリティはあると思う。

玉の応手がX方向の4通りというのがstar-flightで、それぞれ銀と桂が成と不成の動きを見せてくれる。きちんと狙いが解答者に伝わっているようで素晴らしい。★★★

 はせがわ ゆ 右で成生、左で生成。
 まつきち 応手4通りに詰め方も4通り。
 RINTARO 2手目の変化4つ、全て最終手が違う。
 zuzu 73銀見つけた時。うわーってなりました。
 占魚亭 Star-flight&銀・桂の成生。成生が同地点(銀は42、桂は63)で行われる構成が上手い。
 negitarou 玉が「7一」に逃げられても詰む形を探す。銀を「7三」に捨てる手が見えにくかったです。最終手は、4二の地点で銀の成(不成)、6三の地点での桂の成(不成)が対比になっているんですね?

第34問 シナトラ

正解 35金打、同銀右、55金まで3手詰
      \(\begin{cases}同桂右、44飛成\\同銀左、23角成\\同桂左、34角成\end{cases}\)まで3手駒余り

作者 縦のライン2変化、斜めのライン2変化で合計4変化という構成。本手順を同銀右の1本に絞ってみたが、それが良いのか悪いのか。

銀2枚桂2枚で合計4枚利いている所に金を打捨てる。作意が1つに絞られるのは解答者は悩まなくて済むので嬉しいが、作品としての対称性は損なわれるような気がする。★

 RINTARO 2手目は限定。
 まつきち 51桂は苦心の配置か。
 占魚亭 同桂右と同桂左の変化が狙い?
 川石隆志 焦点にこれでもかと駒の効きが集中しているが、同手数駒余り無しは正解手順だけ。
 zuzu まさに焦点の金、そこに打てば何か起こる、その一心でした。3手詰の可能性を教わりました。

総評

 RINTARO 締切が12時までと知り、慌てて解きました。
 松澤成俊 もう少し作者数が多いと良かったと思いました。
 占魚亭 出題数は少なかったですが、クオリティが高い作品揃いだったと思います。
 ぎょうざパン 今回も楽しく解答させていただきました。3手詰でもまだまだ可能性があるものと改めて感じました。
 negitarou 双玉問題は、総じて難しかったです(汗)。川蝉さんの作品は、変化が多めのものが多いですね、勉強になりました。
 まつきち 34作、短評を書くのに困る作品もありましたが、ラスト数問は歯ごたえあり。30番が個人的ベスト。新人登場に拍手。

当選者発表

厳正なる抽選の結果、粗品はnegitarouさん、豪華賞品は占魚亭さんに決まりました。
占魚亭さん、『新版 盤上のパラダイス』はまだお持ちではないですよね?

「詰将棋創作チョー入門(44) 第5回三手詰祭:結果発表(その3)」への5件のフィードバック

  1. そうですか!
    それでは『盤パラ』は次の機会に持ち越して、占魚亭さんにはなにか別の本を送ります。

  2. 第24問、風さんの改良図を見て恥ずかしいやら悔しいやら、複雑な気持ちです・・

    練り込み不足ですね。(汗)

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