下図はわが風家に代々伝わる「将棋図巧化」の第三番である。
詰図に於る玉方の持駒の簡便な表現として「残り駒全部」というものがあります。とてもうまい表現でして全駒図式の場合、実際には玉方持駒なしなのですが、数学的には間違っていません。
とすれば攻方の持駒が飛車三枚であったとしても、玉方の持駒に飛車マイナス一枚があると考えれば辻褄があうのですが……。
51飛、43玉、54金、42玉、43金、同玉、
54飛成、同玉、52飛、43玉、42金、同歩、
54飛成、同玉、51飛、同馬、44迄17詰。
短編名作選の二上作、長谷川作を合成したような妙手順ですね。本図には近代詰将棋の観点からすればもう一つの問題点(42桂)がありますが、これについての見解はまたの機会に譲ります。
追伸:「将棋図巧化」は「しょうぎずっこけ」と読みます。
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