下図はわが風家に代々伝わる「将棋図巧化」の第二番である。
従来の研究では—
32桂成、同玉、31桂成、同玉、33飛左成以下7手詰不完全作とされていた。
しかし今回、小生の研究により33飛左成に対し「32王合」の妙手があることが判明した。
攻方の王さんは「後手の持駒:残り全部」の中に含まれていたのだ。(どうりで見当たらないと思った)
人質を盾に延命を計ろうというわけである。恐れ多くも己れの王将を取るわけにもいかず、以下–
42角成、21玉、22歩、同王、31龍、同王、
22歩、同玉、33飛成、21玉、22歩、同王、
31龍、同王、33桂、22玉、34桂迄23手詰となる。
清貧図式でもあり、後世に残る傑作であろう。
この研究は、誰もが心の片隅に抱く「うちの王サンは何処?」という疑問に答えるものである一方、多くの既発表作に「合駒見落の不詰」という烙印を押すものである為、発表をためらった。しかし、平和と真理を愛する詰棋人として、この図を闇に葬ることはできなかった事をお許しください。
上は詰パラの読者サロンに40年以上も前に投稿したものであるが、つい最近、余詰指摘をいただいた。
- 初手から14桂、同歩、32桂成、同玉、31桂成、同玉、33飛左成、32王打、42角成、21玉、13桂迄
- 7手目から42龍、21玉、22歩、同玉、33飛成、21玉、22歩、同王、31龍右、同王、33桂迄
こんな投稿を覚えていてくれて、しかも検討までしてくださったのはかの神無七郎さん。さらに修正図まで作ってくださった。ありがたやありがたや。
追伸:「将棋図巧化」は「しょうぎずっこけ」と読みます。
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