詰将棋つくってみた(200)
第7回 三手詰祭:結果発表(3)

昨日、途中まで書いたのに謎の現象が発生してうpできませんでした。
最終回です!

第22問 チョー一流作家

正解 39香、同龍、23桂まで3手詰

◇九段目の仕掛けの意味を読み取れたら簡単な詰将棋です。59角が86角と王手すれば詰み。ところが69王が存在するおかげで(29龍がいるので)角は動けません。この龍が守りによく働いていて上記のように59角をピンしていると同時に23桂までの詰みも防いでいます。
◇そこでどちらかの働きを消してしまおうというのが初手39香です。取れば2筋の守りが放棄される、合駒なら59角が自由になるという仕組みでした。

RINTARO 36角合はない。
negiotarou 香車で自玉をガード!
占魚亭 最遠打(アンピン)で応手を問う。
まつきち 双玉を うまく生かした 最遠打。
高橋美鈴 初手の香が守りにも攻めにも効いて単純で巧妙
keima82 2手目△36角で逆王手じゃないかと思いましたが、角は品切れでした。
三輪勝昭 21歩にすれば14桂41銀44香は52龍に出来ました。34香の余詰があるので44金か45銀が必要だが、44金は43桂を防いでいるようで34香を取れないのでどちらにしても持駒桂は15桂にする必要がある。それは癪なので45銀かな。

を完成図にしたいと思います。

第23問 シナトラ

正解 66角、45玉、53香成まで3手詰

◇第20番同様、攻方が強力でどう攻めても詰みのようにみえる初形です。特に33角成、45玉、55香までという順が如何にも有力に見えます。しかしよく見ると67歩合で失敗。
◇65香が最終手を阻む有力な守備駒だったわけです。この香の働きをなくすために初手が66角と決まるという仕組みでした。
★★★★★★★

高橋美鈴 2枚の香は強いです
占魚亭 味のいい1マス移動。
空貴人 53香成で合い利かず
松崎一郎 角と香の開き王手の競演。
松澤成俊 52香成といきたかった🤣
山城正樹 53香成も限定で素晴らしいです
RINTARO 初手も3手目も緊張感あっていいと思います。
三輪勝昭 初手33角成を最有力手に見せているのは上手い。
まつきち 最も時間がかかった作(笑)66角から53香成は不思議な手順。
negiotarou 角で香車の利きを遮る。最終手(香成)の位置が限定されているのが、地味ながら好きです。
keima82 意表をついて面白いのですが、▲58香は配置しなくても成立するのでは?
◇途中から不要になったのをうっかりした? いえいえ短評で何人もの方が最終手を褒めているのは、この58香の配置が成功していることの証明だと思います。直接的には3手目54香の紛れを作るための配置ですが、解答者の意識下への影響も無視できないものがありそうです。
◇でも作者コメントでは触れられていなかったので「うっかり」の可能性もなくはない……。

追記(2024.04.23)

https://x.com/Sinatra57496354/status/1781881440986337332

第24問 シナトラ

正解 63龍、22飛、64龍まで3手詰

◇作意を並べてみただけでは平凡な手順。作者の狙いはなんでしょうか。解答者の声を聞いてみましょう。

占魚亭 65香を守る。
まつきち 63龍が玄妙な一手
RINTARO まさか馬を取らせるとは。
高橋美鈴 入玉の形からのスタート、捕まりません
negiotarou 第一感は「3五龍」でしたが、玉にひらりと逃げられて手が続かず・・
keima82 シナトラさんの問題にしては一番素直な手が正解でした。偶々その手が最初に見えただけかもしれませんが。
三輪勝昭 初手63龍は最有力手だけど先に読むのは243444龍で上手く出来ているが86とは紛れ作りの飾り駒と言える。
ミーナ 11王と66角の間に遮断駒が3枚。わずか3手で、外せるのか。44竜、65玉、32馬なら、54歩できれいに逃れる。11王と86とがなくても、手順は成り立つけれど、それでは、なんにもなりません。
◇作者の狙いは三輪さんミーナさんの読んだ順。44龍、65玉、32馬という紛れが狙いでした。
◇詰将棋は作意の表現がもちろん主流ですが、なかには変化が狙いなもの、本作のように紛れが狙いのものもあります。しかし、それが伝わらないと「11王と86とは不要駒」とマイナス評価を受ける危険もあるということです。星の数が表しているように、第23番は成功しましたが本作では失敗だったようです。

第25問 チョー一流作家

正解 96飛、37と、16飛まで3手詰

◇飛車をどこに動かしますかという問題。もう慣れてきたと思いますから一番遠くの96飛がわりとすぐに見えたことと思います。そのココロは2手目14玉の逃げる手。94飛と守備の飛車を喰ってしまおうとの96飛最遠移動でした。駒あまりになるのでこの順は変化。作意はまた飛車が戻ってきます。
★★★

松崎一郎 飛車の大返し。
RINTARO 飛の往復。いいですね
まつきち 最遠移動×2の大きな振り子。
占魚亭 飛を大きく動かす(振り回す)。
高橋美鈴 あれ、上手くいったと思ったが駒余り
三輪勝昭 飛の最長移動。角版と違い玉方飛は動かせないのが残念。
negiotarou 飛車の長距離移動(往復)が爽快ですね。(2六歩は無駄合い?)
keima82 配置から作意はすぐ見えましたが、紛れがいずれも中合で詰まなくなってるのは面白いですね。
◇初手36飛、37と、16飛までの答案は2手目26歩、同馬、14玉で逃れますので不正解。

第26問 シナトラ

正解 46金、同香|同角、54桂|74桂まで3手詰

◇いつものシナトラ流三手詰。変同利用のツイン作品ですが、短評の感じではかなり浸透してきたようです。
★★★★

高橋美鈴 各駒無駄なく上手く出来てます
keima82 角なら左へ、香なら右へジャンプ。
松澤成俊 応手で跳ぶ方向が変わるのは面白い
RINTARO 2手目の応手による桂跳ねの違い。
ミーナ 角香と香角。開いた方向へ跳ねる桂。様式美。
まつきち 2手目の応手で桂がどちらに跳ぶか決まるのは面白い。
占魚亭 金を取る駒の違いで桂の跳ねる場所が変化。2解らしい作品。
三輪勝昭 2手目どちらで取るかで桂の跳ねる方向が違うのが狙いかな。
negiotarou 角と香車のユニットが二組。二手目の応手で、桂馬の跳ねる位置が変わるのが面白いです。
◇短評がすべて語ってくれているので、余分な解説はいらないみたいです。

第27問 シナトラ

正解 25桂、同玉、46角まで3手詰

◇大駒も生だと詰しにくい。感覚はルークとビショップ(あってる?)
◇初手37角という両王手で合駒できないし角も入手できる美味しい手が見せられているが、あまりにうますぎて誰も考えなかったみたいです。
◇初手は16玉を許さないという25桂で16間駒は今度こそ37角まで。17間駒は同香で無駄合。
◇37角の利きを塞ぎつつ35に利かす46角でトドメ。

RINTARO 不思議な手順。
まつきち 只で取れる角は毒饅頭…。
山城正樹 ギリギリ捕まってるんですね
占魚亭 受方角に仕事をさせない渋い最終手。
negiotarou 三手目では、角を取りたい気持ちをグッと堪える。
三輪勝昭 16玉とされると全然なので初手は絶対手。出来悪し。
高橋美鈴 初手は玉を詰み筋に誘う桂捨て。大駒を成らないで詰ます感じ、参考にします
keima82 初手角移動だと△16玉の時にダメそうだから作意はすぐわかりました。△13香いないと3手目37角でも詰んでしまうのですね。

第28問 シナトラ

正解 28角、57龍、65馬まで3手詰

◇27馬でも65馬でも詰みですが、生憎38馬は98飛が18王を狙っているために動けません(チェスプロブレム用語でピンされているというようです)。そこで55角を動かして38馬を自由にするという方針が立ちますが、28角・88角の2つの手段があるようです。どちらが正解か–というよりどちらがなぜ失敗するのかを考えてくださいという問題です。
◇正解は上記のように28角です。それではなぜ「88角、57龍、65馬まで3手詰」の答案は不正解なのでしょうか。

◇88角には2手目56歩という受けがありました。香と馬の利きの交叉点への捨駒の玉方応用ですね。以下27馬でも64玉と逃げられます。作意の28角は64への利きを保持するという意味があったのでした。
★★

占魚亭 馬から角へバトンタッチ。
RINTARO 危ない。初手88角に嵌っていた。
高橋美鈴 馬は動けないので銀で詰み、良い感じ
keima82 28か88の二択。88角には56歩を用意。
negiotarou 二手目は5六合駒(歩合)の手順が好きです。
松澤成俊 65馬まで一手詰めじゃないかと思った(笑)
まつきち 88角では56銀で詰まない? と思ったところで28角に気付いた。
三輪勝昭 初手28角と88角とでは28角の方が指したくなるので88角が作意になるようにした方が面白いのでは。
◇左右反転するわけですね。利き腕の問題と玉飛の引力の違いどなたか実験してくれないですかね。

第29問 シナトラ

正解 84龍、74銀、46角まで3手詰

◇初手は73に逃がさないために当然の一手です。74に間駒を打つと53銀不成まで駒余りで詰んでしまいますので別の応手を考えます。すると54銀が動けば65から逃げ出しますよという74銀の移動合に気が付きます。いよいよ68角と69香の出番です。角が何処に行っても王手になりますが、66歩合とされないために、見えない両王手の46角で詰上がります。
◇この作品は解くのは容易ですが、作者の狙いが筆者には分からず降参しました。作者の言葉は最後に載せておきますので考えてみてください。言われてみれば「なるほど!」となるはずです。
★★★

占魚亭 三重ピン。
まつきち 36角で詰んでいるのが不思議。
松澤成俊 ピン止めされたような面白い詰上がり
negiotarou 三方向からピンされて合駒が利かない!
RINTARO なんか詰んでんのかよく分かんないな。
三輪勝昭 2つのピンメイトが狙いかな。初手が当たり前の手過ぎる。
高橋美鈴 香の開き王手の際、と金も銀も角の効きにあるので動けないということですか…
keima82 3枚がピンで合い効かず。△53歩の配置のおかげで作意はすぐにわかりました。
作者 「ピンの無い初形からの3重ピンメイト」というテーマです。推敲で使用駒を5枚減らせたので、作者的には非常に満足しています。

第30問 keima82 8*3

正解 51香成、19馬、99馬まで3手詰

◇初手55香でも99馬でも詰んでいるように見えますが、71王が41飛で王手されているのを忘れてはいけません。初手が必然ですので、以下も自然にほどけていったはずです。
◇作者の狙いはタイトルに書いてあるので、みなさん伝わったようです。
★★★

keima82 タイトルの意味は2つありますが皆さん気づかれましたでしょうか?謎解きとしてはともかく、詰将棋の問題としては、紛れも変化もないのが悲しい。
まつきち 8マス移動3回(笑)
negiotarou 線駒の長距離移動×3回
RINTARO 最遠移動(8マス)3回ですか。
空貴人 8マスの最遠移動3連発で、軌跡が*に
占魚亭 軌跡曲詰? 尻とり(51→19→99)?
高橋美鈴 このパターンは分かるようになってきました
松崎一郎 なるほど、香、馬、馬が夫々8マス移動で8*3。
ミーナ これは移動距離の最大値。そんなパズルの模範解答。
三輪勝昭 双方最長移動作。初手は飛角だと7マスしか進めないので初手は香。すると誰がつくってもこれしかなさそう。45歩は11角にすればいらないけど。
◇「\(8\times3\)」ではなく「\(8*3\)」の意味が伝わったのは空さんと占魚亭さんですね。

第31問 シナトラ

正解 33龍、24桂|47玉|67玉、58龍|46龍|63龍まで3手詰

◇99角が11王を睨んでいますので88龍がピンされています。ピンが外れたら58龍で簡単に詰みです。そこで24角と35龍のバッテリーを利用して99角のラインを塞ぐことを考えます。方法は3つあります。次のどれが正解でしょう。それ以外の順が間違いなのはなぜ?という問題です。

    55龍、24桂、58龍まで3手詰
    44龍、24桂、58龍まで3手詰
    33龍、24桂、58龍まで3手詰

◇これが作者の設定ですが、35龍は元気がいいので上記以外にも32龍・36龍などの誘手もあります。
◇最後に作者に正解発表してもらいますので、考えてみてください。(なんのための解説?)
★★★★

追記(2024.04.23)
55龍、24桂、58龍まで3手詰はありえませんが、作者から次のツイートがあったので、あえて消さずに残しておきます。

https://x.com/Sinatra57496354/status/1781998240818475034

まつきち 33龍がなかなかの一手。
占魚亭 応手によって動く龍が変化。
松澤成俊 龍の行き場所が色々あり混乱する。
松崎一郎 ソッポ竜、角筋通し、角利きを断つ。
高橋美鈴 盤面を広く見る練習には難しすぎます(笑)
RINTARO 角筋止めるのが両王手ではない33とはね。
三輪勝昭 原理的には24を凶悪にしただけ。初手の不利感はこっちが上だけど。
negiotarou 第一感は別の手でしたが、第二感は4四龍。香車(玉方)の裏を取る感じが良いですね。
keima82 55竜が第一感でしたが47玉の時に詰み筋がなく33竜は意外でした。32竜だと35中合ですね。
作者 角によるアンピンの2択問題を試したので、今度は龍を使った3択問題に挑戦してみました。44龍は67玉、55龍は47玉でそれぞれ詰みません。また、32龍は35中合〜47玉で逃れています。

第32問 久保紀貴

正解 86香、67桂、87飛まで3手詰

◇殿は久保さん。また間駒選択問題だと予想できますね。持駒の飛車を3手目に打つのは必然なので初手85香はありません(いえ86玉と逃げて85馬ができなくなるからですね。決して持駒が増えるはずないからではありません……)。とすると初手は86香、3手目は87飛と決定です。考えることは2手目だけ。
◇77への間駒は同飛で無駄合ですから間駒を打つ場所は67です。同飛は86玉で逃れるので87飛までの詰み。あとは何を打つかです。
◇桂合以外は87歩で持駒を使わずに詰みということに気付けば正解です。
★★★★★

松澤成俊 重ね打ちシリーズ?
占魚亭 87歩に備えた合駒。
RINTARO これまた不思議な合駒。
まつきち 67桂中合が不思議な受け。
高橋美鈴 合駒の最善手は67ですか?
negiotarou 初手が意外。三手目(8七歩)での詰上がりがありそうな気がして、少し考えました。
三輪勝昭 桂の限定中合。駒余り別詰防止と理由もダサいが配置もダサい。3手詰限定中合はそれだけ至難と言う事か。
keima82 67歩でも良さそうですが87歩があるので変別に。3手詰(双玉や品切れを利用しないもの)で2手目桂合限定は珍しいと思います。
◇大崎さんの桂花手筋の系譜を参照してみてください。
◇ただ変別論争の延長戦みたいな異議はけっこう残っているのですが、このエントリーでは触れないことにします。

総評

三輪勝昭 3手詰で詰将棋と言えるものをつくるのは難しい。
占魚亭 出題数は少なかったですが面白い作品揃いで、楽しく解図しました。
高橋美鈴 自分なりに頑張りました。すごく難しかったです。多分たくさん間違えていると思います。
まつきち 今回は時間がないので短評と投票のみで失礼します。的外れの短評があればそれは誤解の可能性大(笑)
ミーナ 締め切り間際で、解答はこれだけ。12番のタイプを間駒が限定されている、とする投稿が多いので、一言だけ言いたかったのでした。
RINTARO 最終日1時間で慌てて解いたので、何問か嵌ってるかもしれません。新たなる作意的な作品が多くなりましたね。久保氏の2問には驚きました。

結果発表

厳正なる抽選の結果、山城正樹さんと空貴人さんが当選しました。お二人には『私と詰将棋』を送ります。(ポイント制に移行したつもりでしたが、なにをコピペしたのか豪華賞品を謳っていました……。単行本は当社比で豪華賞品です)

「詰将棋つくってみた(200)
第7回 三手詰祭:結果発表(3)」への4件のフィードバック

  1. 第28問ですが右か左かや利き腕とかでなく、抜き王手にならないための手として玉のとなりなら、そちらがどうしても最初に目が行くでしょう。

  2. 30番、三輪さんの短評にアンサーしますと、△45歩が居ない場合、確かに▲12馬もあるのですが、それだけなら▲11角で良く、それよりも二手目△49合が割り切れてないと感じたのでそれを防いだものです。無駄合いという人が多いとは思いますが、自分はかなり気持ち悪かったので…。

    1. なるほど、49合は無駄合じゃないけど作意が限定出来ませんね。
      3手詰は作意限定の必要はないと思いますが、ネタ作なんで限定可能ならするべきです。
      そもそも11馬でも余詰防止になってないような気が(笑)。

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