詰将棋つくってみた(175)
 課題36:結果発表(その3)

 昨日はたった3題で申し訳ありませんでした。今夜はもうちょっと進みます!

第8問 やよい

正解
87銀、75玉、86銀打、74玉、85馬、65玉、
76馬、56玉、67馬、65玉、76馬、74玉、
85馬、65玉、66歩、同玉、77金、56玉、
67馬、65玉、76馬、74玉、85馬、65玉、
66金、同玉、67馬、65玉、76馬、74玉、
85馬、65玉、77桂、56玉、67馬、47玉、
37金まで37手詰

★6番は二枚馬による回転追いですが、本作は一枚の馬による斜め往復追い。
★43角が微妙なラインに利いています。そこでいきなり2枚の銀を重ね打ちせざるを得ないわけです。

★歩を入手して戻ってきました。56桂が消えてしまっているのでここから75銀は詰まなくなっています。

★そのために66歩と捨てる必要が生じています。代わりに77桂を持駒にすることができました。

★短いコースで77金を原形消去しています。そのココロは77桂と打つため。後は片道で収束です。

RINTARO 馬の往復パズル。
占魚亭 馬のエレベーター。
松崎一郎 ふ-っ!見た目以上に奥が深い。
松澤成俊 37金までを実現するためのストーリー
keima82 前半は連続技でと金と桂馬をはがす。後半は、▲77金を▲77桂に打ち換えるのが不利感あって気が付きにくい。

第9問 馬方四季

正解
13龍、23馬、33龍、同馬引、63銀成、同と、
64桂、78馬、同香、77馬、同香、76歩、
同香、同銀、72桂成、同成桂、同成桂、83玉、
63龍、同香、92角、94玉、83角打、93玉、
85桂、同銀、94歩、同銀、同角成、同玉、
83銀、93玉、85桂、同歩、94歩、84玉、
74銀成、94玉、83角成まで39手詰

★成桂が目立つ初形。玉方の持駒は金銀香歩の4種類です。18と38の龍は縦に使うのか横に使うのか……。79香を使うには64桂と跳ねるしかなさそうです。玉周りの配置は打歩詰作品によく見られる形。74歩が打てれば同銀、72銀成で詰む形でしょうか。
★そろそろアタックしてみましょう。まずはどうせいつかは跳ねる64桂ですから、初手から跳ねてみましょう。79馬寄ですと三段目の利きが消えるので、13龍で歩の間駒が何処かで手に入り74歩で詰みます。79馬上ですと33龍で歩が入手できます。76歩合という応手がありました。同香、同銀で74歩を打歩詰にして逃れようというわけです。それから13龍としても23馬の移動合で歩が入手できません。
【失敗図】
★86香、同銀となっても64桂がいなければ63銀杏里、同と、74歩という筋があるのですが、64桂と跳ねた後では63銀成を同玉と取られてしまいます。それでは跳ねる前に63銀成は……同と、64桂、79馬上で78龍、同馬、同龍、同馬で角しか手に入りません。
【失敗図2】
★さていよいよ本命の13龍です。歩を渡さないために23馬。続いて79香を抜かれぬように33龍、同馬引としておくのが妙手です。(ここで同馬寄は同龍、同馬で結局攻方に有利になります)
★さらに64桂を跳ねる前に63銀成!同とに64桂。これで玉方はかなり困っているはずです。
【応手は如何に!】
★76歩合、同香、同銀では74歩が打てるので詰み。63とを動けなくするには……78馬、同香、77馬と連続中合で2枚の馬をすべて捨て去るという緊急手段が必要になります。玉方の馬の捨合が繰り返されるとは!
★この打歩詰は打開できず、しかし豊富になった持駒で捌いていきます。それにしてもこの狭い場所で持駒6枚を綺麗に使い切ったのには驚きました。

松澤成俊 74歩をめぐる虚々実々の攻防
占魚亭 圧巻の序10手。歩打ちが可能になる形作りも面白かった。
keima82 自玉を打歩詰にさせるため、馬2枚をタダで差しだす玉方。その馬2枚も元々は敵陣から自陣まで移動してきたもので凄まじい。
Sinatora 馬方作、サードピン構築→セルフピンという驚異的な作品で、解いた時感動した。大好き。
https://x.com/Sinatra57496354/status/1736312045824528669?s=20

★ついに「詰将棋つくってみた」から春霞賞とか……夢を見てもいいですかね?

第10問 川蝉

正解
11桂成、同玉、21桂成、同玉、32桂成、同玉、
43香成、21玉、32成香、同玉、43香成、21玉、
32成香、同玉、43香成、21玉、32成香、同玉、
43香成、21玉、32成香、同玉、43飛成、21玉、
22歩、11玉、13龍、同龍、21歩成、同玉、
22金、同龍、同桂成、同玉、23飛、11玉、
12歩、同玉、13金、11玉、22金まで41手詰

★49飛を世に出すまでの4香の邪魔駒消去なのは明白。ただどの桂馬を捨てるかはちょっと悩むと思うのですが、解答者からはサクサクだったと好評でした。作者も満足かと思います。

松崎一郎 大人も楽しい積み木崩し。
占魚亭 サクサク軽快な捌きを楽しみました。
松澤成俊 何も考えずに捨てまくっていっちょ上がり(笑)
keima82 風みどりさんの例題2と似たような趣向。4桂の塊の絵面がユーモア。
まつきち 4香捨から飛成がすぐ見えたので、イントロで気前よく4桂を捌きたくなったが34桂は残さないとダメでした。

第11問 川蝉

正解
94飛成、75玉、85龍、66玉、76龍、57玉、
67龍、48玉、58龍、37玉、38龍、46玉、
47龍、55玉、56龍、64玉、65龍、73玉、
74龍、82玉、92香成、71玉、72龍、同玉、
82飛、73玉、62飛成、84玉、82龍、75玉、
85龍、66玉、76龍、57玉、67龍、48玉、
58龍、37玉、38龍、46玉、47龍、55玉、
56龍、64玉、65龍、73玉、74龍まで47手詰

★角と歩と桂で誂えられた道路を龍で一往復。乗り物を替えてもう一往復。『古図式趣向詰撰集』に載っていそうなくらいな素朴さを感じるが、なかなかこのように「余分なものも混ぜない」のが良いという感性が育ってきたのは割と最近のことのようです。

占魚亭 楽しい龍追い2往復。
松崎一郎 待ってくれ~!ドラゴンチェイス。
松澤成俊 62龍からナナメに追って桂を消す筋でまとめられなかったのだろうか?
まつきち 26手目63玉と逃げて桂がきれいに消える変化も好感。作意も2往復で楽しい。
keima82 作意はきっちり同じルートを二往復。26手目△63玉の変化が、壁の4桂が全部手順に消えてく美しい順。本当はこちらを作意にしたかったのでは…?


 今夜はここまで。明日には最後までいけそうです!

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