柳田明 発行:日本将棋連盟 販売:マイナビ出版 2020.1.31
ちっとも新刊ではなくなってしまった。
どうせなら柳田さんから直接購入して、サインももらおうと思っていたのだが、コロナのお陰で解答選手権も中止になり、なかなかお会いする機会がなかったのだ。
今回、たま研でようやく入手することができた。
内容は「実戦1手詰」「基本3手詰」のシリーズの後継作であるから、詰将棋の内容はあくまで初心者向けの啓蒙作。
著者としては第1章の5手詰の攻略法が一番苦労したところであろうし、工夫もしたところに違いない。
ただ、この懇切丁寧な「5手詰の攻略法」を読んでいて、なんだか違和感を感じてきた。
「数学を理解するための勉強でなくテストのための勉強」でニュアンスが通じるであろうか。
私が若い頃勤務していた進学塾は宿題も一杯出るので、中にはその宿題をこなすための塾に通ったり家庭教師を雇ったりしている生徒もいた。
ん、ちょっとずれてきたか?
入試で「考える力」を試そうと出題をすると塾が翌年からはその問題を「知識」の問題にしていく。
ますます、ずれてきたようだ。
ともあれ言いたいことは……
柳田さん。
片手間仕事にこのシリーズをさらに続けるのも良いけれど、
塚田賞作品集もしくは近代将棋図式精選完全版を書くのは柳田さんしかいない
ということをお忘れなく。
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『明解5手詰』ご紹介いただき恐縮です。
なるほど「テストのための勉強」ですか。
仰せごもっともですが、「練習でうまく出来ない人が、実戦で詰められるはずがない」ということでお許しを。
サブタイトルが「将棋が強くなる」ですから。
ちなみに1手詰はルールから詰みまで。
3手詰は手筋の分類を講座のテーマにしています。
内容を決めるまでは苦心惨憺で、次の本をどうしたらいいのかが分からない。
何かアイデアがあればお教え下さい。
次は7手詰ですか?
3手詰2つをつなげたパターンと
2手+5手詰のパターンと
5手詰+3手収束のパターンと
7手でひとつのパターン。
これで分類して解説するというのはどうでしょう?
いや、そうではなくって「完全版 近代将棋図式精選」にとりかかりましょうよ。
並行して自作集400局というのもどうでしょうか。
考えてみたら、『奇想曲』には短編だけしか収録されていないではないですか。
人生は無限に続くわけではありません。メメント・モリです!看寿賞選考委員長も降りた今がチャンスです。来年の解答選手権だってまだまだどうなることかわからないし。