『Limit 7』と『野村量の詰将棋560』はA5版でPP加工したカバーがついている。
これはつみき書店がネット通販での販売を考えているためだ。
1冊注文を受けたとして、郵便や宅配便で送ることになる。
今、一番安いのはスマートレターだ。
180円で日本全国に送ることができる。
これがA5サイズ、厚さ2cmまで、重さ1Kgまでという条件。
(クリックポストは198円でA4サイズ、厚さ3cmまで、重さ1Kgまでというのは魅力だが、封筒を準備したり、住所を入力して、二段階認証したり、印刷したりいろいろ手間がかかる。結構大変。支払いも済んだ後、1kgを超してしまったことに気づくこともある。悲しい。)
この条件内で一番情報量を大きくするために、本のサイズが決まった。
同時に厚さの上限も決まっているわけだ。
カバーは、単なる拘りである。
これがついていると、結構長い間本は綺麗でいられるのだ。
『饗宴』と『古今趣向詰将棋名作選』はカバー付だったっけ。
原価を安くして、販売価格を下げるのだったらカバーをなくすのもありだ。
『青い鳥』の印刷原価の安さには驚いた。
個人作品集で、持ち歩いて解いてもらいたいタイプの本はもっと小さいサイズで薄く・安く作ってみようかと思う。
さらに売れないと見込まれる本は、オンデマンド印刷もしくは予約注文製作という方法もある。
(しかし、私が「売れる!」と思って作った本が実際にはそれほど売れないのに、私が「売れなそう」と思う本ってどうなんだろう……。)
オンデマンド印刷は注文されてから1冊ずつ本を作るということ。
このために実はレーザープリンタととじ太くんと裁断機をすでに購入してある。
レーザープリンタで印刷して簡易製本するコストを概算してみると、ちゃんと印刷屋に頼んで作るのと原価はさほど変わらない。
そして、品質は格段に落ちる。
ただ在庫を抱えなくて良いし、とにかく初期費用がかからないからリスクはない。
(編集作業のコストを回収できないリスクは勿論残る)
この方式で作ろうかと考えている本もいくつかある。
製造原価は変わらなくても、最初に数十万も使っていないのだから、販売価格は安くできるはずだ。
ただ製本が簡単ではないんだよな。
代金を頂戴しても恥ずかしくない品質の本が作れない。
慣れたら少しはましになるのかなぁ。
予約注文製作は、あらかじめ予約してくれた数プラスAmazonなどで売れそうな数のみを印刷屋に発注する仕組み。
もう少し、つみき書店が世間に認知されたらこの方法もありだろう。
在庫の置き場所に悩まなくて良いからありがたい。
定価の設定のタイミングが難しいが、それはそのときに考えよう。
『野村量の詰将棋560』をつみき書店で予約してくれた人は数人しかいなかった。(Amazon予約を優先したので、実際にはもっと集まったはずだが)
あ、パラで宣伝すればある程度の人数を集めることは可能かなぁ。
もっと更に売れない本は最後の手段としてpdfで販売という手もある。
最後の手段と書いたのは私の感覚で、最初からpdfで出して欲しいといった要望もある。
つみき書店本来の趣旨である「よい詰将棋を後世に残したい」という意味ではデータとしてまとめてあればpdfでも、いや高々1000部しか作れない現在のつみき書店の体力からすると寧ろpdfの方が、未来には残っていくかもしれない。
これは製造コストなしで、売れただけ編集コストを回収できるのだから良いことばかりのようにも見える。
でもね、私の経験からするとpdfでは最後まで読まないんだよね。
『雨滴』でさえ、pdfでは読めなくて(PCの前に座っているのが苦痛)、最初A5で印刷・製本したけど字が小さくて読めなくて、再度B5で印刷・製本して読んだ。(凄く、良かった!)
タブレットも布団で上向いて持つには重いし嫌だ。(surfaceは特に重い!)
最後まで読んだのは武島さんの『虎の穴』ぐらいだ。
(書名を確認したくても、どこにあるのか既によくわからない。あれって印刷できないんだよね。)
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