詰将棋入門(98) 「朝霧」と対になる並び歩趣向

伊藤看寿 『将棋図巧』第96番 1755.3

図巧#6「朝霧」と対になる並び歩趣向の傑作だ。
こちらの方が易しいので是非挑戦されたし。

趣向作なので、どんどん作意を進める。

初手は3通りだが、91飛を働かせる方針で間違いはないだろう。

61角成、同玉、72銀成、同玉、74香、同桂、

74香は次の73歩に83玉と逃げられたときに74からの逃走路をあらかじめ塞ぐ意味。
ここから趣向の往路が始まる。

73歩、62玉、63歩、52玉、53歩、42玉、
43歩、32玉、33歩、22玉、

歩打に戻る変化は3手詰。

折り返しの繊細な創り方を味わって欲しい。
看寿は本当に上手い。

21飛成、

ここは案外紛れる所だと思う。
15歩と置いておくのが妙手だ。

   13玉、14歩、同玉、15歩、13玉、
24金、同桂、11龍、23玉、14銀、33玉、13龍、32玉、

ここから復路が始まる。

23銀成、41玉、42歩成、同玉、33成銀、51玉、
52歩成、同玉、43成銀、61玉、62歩成、同玉、
53成銀、71玉、72歩成、同玉、63成銀、81玉、
82歩成、同玉、73成銀、71玉、

持駒の1歩が効いて玉はじりじりと追い詰められていく。

ここから収束。

11龍、61歩、

間駒は歩合限定。
香合は92玉に81竜、同玉、83香。
桂合だと詰まないが出払っていてできない。

72歩、81玉、61龍、92玉、93歩、同玉、91龍、92飛、

自然な流れで飛合も登場。
金合は5手詰、他合は1手詰だ。

同龍、同玉、84桂、同金、94香、同金、

最後に85金がひょこひょこと動き出し、なんと92まで。
82飛に91玉で打歩詰になるのを事前に回避する一連の手段が現れる。

93歩、同金、82飛、91玉、92歩、同金、
同飛成、同玉、83金、91玉、82金 まで79手詰

美しく片付けられた完璧な詰上がり図。

楽しい趣向詰の理想的な構成をこの作品に見る人も多いことだろう。

収束の間駒を歩に限定させるために桂合を品切れにしているが、その桂馬も2枚は動かし、74桂は二歩禁回避で仕方ないし、最後の1枚はこれから動くという丁寧な仕上げ。
ちなみに76とは5手目75香の余詰を防いでいる。

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