詰将棋雑談(52) 香剥総浚[其の壱]

詰将棋入門(107)で黒川一郎「松虫」を取りあげた。

黒川一郎「松虫」『将棋浪曼集』第29番 詰棋界 1953.10

この後、数多くの香剥がし作品が造られる。
香を剥がすとその香を間駒によって剥がし駒に交換できるのが作りやすい理由だろうか。

大塚播州は『漫陀楽』で次のように書いている。

四香はがしだが……中略……非常に多い。よほど特徴を出さないと、作品の存在意義がないようだ。

作品数が多いということは、それだけ魅力的な素材だということもできる。
いわば長編趣向における手筋物みたいなものだ。

そこで以前から一度全部並べてみたいと思っていたのだが、実際に60局ぐらいあるのでなかなか手をつけることができないでいた。
そこで、雑談の中の小連載として少しずつ並べていくことにした。

そしていきなり意外な事実を教えられた。
1953年の黒川一郎「松虫」以降、2号局が発表されたのが16年後の1969年だということ。
さらに2号局・3号局の作者が上田吉一だということだ。

というわけで、今日は上田吉一の2作を並べる。

上田吉一『極光21』第24番 詰パラ1969.6

上田吉一入選6作目の作品。
発表図には玉方81金の配置があったが、作品集ではなくなっている。
無用の変化を切り落としたということか。

剥がす香は2枚だけなので、これを香剥作品とするのは異議を持たれる方もおられるかもしれぬ。
72香を消去することによって打歩詰を打開する。

上田吉一『極光21』第91番 詰パラ1973.1

これは大好きな作品で、昔【詰将棋カルタ】でも取り上げた。
同じ香剥がし小駒図で添川公司・橋本哲と並べた記憶がある。

そのうち登場するだろう。

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