詰棋書紹介(76) 千夜一夜


千夜一夜 竪山道助 全詰連書籍部 2004.4.1(2004.7.1 2刷)

竪山道助(『三百人一局集』でルビをみるまで堅山だと信じていた)は珍形作家としてほぼ唯一無二の存在。
初形曲詰とはまた違う。
あくまで作者の狙いとするのは手順に重きがかかっている。
(こんなのコンピュータにでも解かせておけよ!というタイプの作品は一つもない)

簡単に言えば、堅山道助は凄い!

帯で紹介している図面を並べよう。

竪山道助 詰パラ1994.6

竪山道助 詰パラ1996.1

竪山道助 詰パラ2003.1

竪山道助 詰パラ2001.1

作者はこう語る。

創作に際しては常に、一目見て解きたくなる、さわやかな初形を心がけ、そこにほのぼのとしたメルヘン的世界を夢見る手順を盛り込むことが目標でしたが、現実は厳しかったと言うのが現在の思いです。

タイトルはそうしてできた作品群を指しているのかと思ったら、創作にかかった膨大な時間を表しているとのことだった。
たしかに詰将棋の創作は、普通の人は深夜におこなう。

紹介する作品は易しいけど誤解率2割を数えたという短編と『三百人一局集』に掲載された有名な作品を選んだ。

竪山道助 『千夜一夜』第26番 詰パラ1994.6

竪山道助 『千夜一夜』第79番 詰パラ1994.6

巻末の随想が読み応えがあり面白い。

  • 南米将棋天国
  • チェス問題について
  • チェスプロブレムその後
  • 数学者とチェスプロブレム
  • ペルー大使館人質事件余話
  • ある夏の思い出

私事であるが、「チェスプロブレムその後」の中に筆者の名前を発見して驚いた。
まったく期待に応えられていないのが申し訳ない気分だ。
もう少し、頑張らねば。

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