風みどりの詰将棋と関係ない話(16) 怖かったこと

暑いので今まで生きてきて怖かったことを思い出して涼しくなろうと思う。

七夕の教室

先日7月7日に思い出してtwitterに書いた話。

中学校の教員になりたてだった私は七夕に教室に笹をもちこんだ。

大きな笹は好評で、子どもたちは思い思いに飾り付けたり願い事を吊したりして楽しんだ。

問題は暫くしてから起こったのだ。

枯れ始めた笹から小さな虫が脱出を始めた。
こんなにもこの笹の中で生活していたのかと驚くほどの大量の虫が次から次へと出てきたのだ。

幸いにも子どもたちが登校する前に気づいたから良かったものの、もしこれが授業中に突然始まったとしたら、間違いなく阿鼻叫喚の大騒ぎになったことだろう。(最近の子どもは蝶でさえ怖がる)

この笹は金がなかったので通勤途中に新幹線の線路の脇から獲ってきたものだった。

店で売っているものは熱湯消毒しているとは知らなかったのだ。

1本の笹の中でもあれだけの生き物が生活しているんだと勉強になった。
次の年からは店でしょぼい笹を買うことにした。

原付バイクの右折

何故そのような状況になったのかさっぱり覚えていない。
私が四輪の車で先導し、女の子が原付バイクで私の後をついてくるということになった。

女の子は原付の運転もおぼつかない感じで、道の左端をトロトロと走る。
道案内の意味もあり、私もクラクションを頻繁に鳴らされつつ、トロトロと左車線を走った。

想定していない事態がやってきた。
私自身もまだ車の運転の経験が少なかったのだ。
当然、事前に想定しておいて然るべきだった。

広い道で右折しなければいけない場所があったのだ。
原付は二段階右折しなければならない。
四輪は右折車線に入らなければいけない。
「後をついてこい」と言ったものの、ここだけは別ルートになってしまうのだ。

方向指示器を出して私は右車線、右車線と移動を始めた。
女の子は左端を相変らず進んでいる。
ちゃんと二段階右折を分かっているようだと私は安心した。

交叉点に入った。
対向車がなかったので私は右折を開始した。

そのときだ。
バックミラーに道路の左端から一気に右折してついてくる女の子の原付が映った。
対向車はないが、後続車はたくさんいた。

「これは死んだな」と思った。

右折しきるまでの数秒間がものすごく長い時間に感じた。

衝突音は聞こえなかった。
女の子は何ごともなかったように停止した車の後ろに原付を停めた。

初めてのスキー

初めてスキーを経験したときも怖かった。

最初に就職した会社で職員旅行だったか、仲間内で行ったのか忘れたがスキー旅行に行った。
私はスキーをすることが初めてで、とにかく何も分からなかった。

そしてやはり何故どういう状況になったのか覚えていない。
考えてみてもよくわからないのも前の話と同じだ。

とにかく次のような状況にいきなり立たされた。

スキー場の一番上から独りでストック無しで降りなければならない。

普通に考えれば初めてのスキーといえば、まだ1つ目のリフトも使わずに麓で転び方とか起き上がり方とかボーゲンとか止まり方とか……そういった練習から始まるのではないかと思う。
それが何故いきなりリフトを乗り継いで一番上まで行ったのか。

ストックがなかった理由は微かに記憶がある。
私がカメラ担当だったからだ。
「カメラ持ってたらストック邪魔だろうから私が持っていてあげる」
と親切な先輩が言ってくれたんだと思う。
「そのカメラ会社の備品だから壊さないようにね」

初めてのスキー場はとにかく断崖絶壁に見えたことは覚えている。
(今行ってみれば初心者コースなのかもしれない。いやでも何度もリフト使ったのは間違いない)

結局半日かけて無事に下山できたのだが、降りた場所はスタート地点とはかけ離れた場所だった。
地図を見て驚いた。
どうりで誰とも会わなかった訳だ。

あんなに転んだことはもう二度とないだろう。
カメラは壊さなかった。

怖かったことはまだまだあるけど、続きはまたの機会に。

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