書籍紹介『花井おばあさんが解決!ワケあり荘の事件簿』


このブログも少しずつ新しい読者も増えてきている(?)での、まず作者の紹介からする必要があるだろう。

カバーには次のように紹介されている。

1952年、長野県岡谷市生まれ。中京大学法学部卒業。趣味は詰将棋創作で、詰将棋パラダイス半期賞、日めくり詰め将棋カレンダー山下賞を受賞。第17回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2019年に『盤上に死を描く』にてデビュー。

下記が『このミス』大賞受賞作だ。


いや、このブログの読者には詰将棋作品の方を紹介するべきだろう。

井上賢一 詰パラ1977.3

しかし、このエントリーは詰将棋の紹介ではなく、『花井おばあさんが解決!ワケあり荘の事件簿』の感想だ。

老人探偵団……探偵はおばあさん。語り部は管理人の若い女性。

読む前は最近流行の日常的なちっこい事件を解決する話なのかと想像した。
例えば有川浩『三匹のおっさん』みたいな。(この話好きです。『図書館戦争』よりずっと良い)

ところが、その予想は裏切られた。
良い方向に。

全4話の連作短篇なのだが、毎回きちんと死体を登場させている。
事件によっては2体も!

そう、どんなにほんわかした設定でも、ミステリーはやはり殺人事件が起こらなくてはね!

現代の日常生活では、病院や葬儀場にでも勤めていなければ、なかなか死体には巡り会わない。
それを強引にキッチリ殺して見せたところは、プロの仕事だと感心させられた。

もう一つ。私は配置がごちゃごちゃした作品は解く気になれない。

ミステリーでも、登場人物がやたら多くて、誰が誰やら把握できないような物語は、犯人は誰だろうなどと考える気にもなれない。

その点、この作品は登場人物は極めて少ない。ワケあり荘の住人の他はほんの数人。
だから犯人当てという意味では易しい。

でも少ない登場人物をフルに活用しきっていて、まるで回転率が抜群の詰将棋のようだ。
『逆転裁判』の第1作を思い出した。(念の為だけど、誉めてます)

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