詰将棋入門(147) オーロラ

詰吉「オーロラ」『極光21』第65番 近将1973.5

詰吉とは上田吉一の変名。
氏の著作は

    極光
    極光21
    極光II
    Aurora

とすべて「オーロラ」縛り。その原点の作品が本図だ。

長篇なのでどんどん作意を並べていく。

24銀、同角、34歩、同玉、
25龍、33玉、34歩、同桂、


2手目34玉の変化は手強いが省略してしまう。
34同桂で舞台は整った。

24龍、同玉、25飛、13玉、24角、23玉、

飛車を25に据えて、この開き王手で角を自在に動かしていく。

46角、33玉、22銀、同歩、24角、23玉、

まずは銀を入手して、その銀を22の穴埋めに使う。

79角、33玉、88角、

そしてここからが本局の目玉だ。
遠く88にいる角を入手した途端。

   77香、

77香の中合。なぜかは後回しで作意を進める。

同角、66香、

同角、55香、

同角、44香、

一瞬のきらめき、何もない空間に現れては消える4連続香合はまさに「オーロラ」のタイトルが相応しい。なぜ、このような手順が成立するかを調べておこう。

中合をしないで44香合としたらどうなるか。

【変化図】

これには
24角、23玉に15角とこちらに開く。

24に捨合をしても同飛、13玉、25桂なので捨合ができない。

そこで13玉だが、これに対して遠くの角を引いて活用する。

79角、

この79角が強力で実質これで詰んでいるようなものだ。
この角、実は間駒が効かない。
なぜかというとものは試し46香打としてみよう。

今度は15に避けていた角がまた動き出す。

24角、23玉、46角、

これでお解りだろう。
どこに間駒をしても、この要領で取ってしまうことができるのだ。

  33玉、24角、13角成、

以下33玉に22馬まで。
実際の変化は飛合だったり34桂が46桂と跳ねたりした方が手数はかかるが、それは本質ではない。
要は玉方は79角が許せないということだ。

そこで79角とされたときに即座に取ってしまえる応手。
【再掲図】
77香しかないというわけだった。

以下の香合も同じ意味だ。
24角、23玉、15角、13玉に角を引かれてはすぐに詰んでしまう。

かくして、4枚の香が空中に現れては消えるという不思議な手順が成立する。

作意に戻ろう。

【再掲途中図】

図は4枚目の香を44香と間駒した所。

24角、23玉、15角、13玉、

さきほどの変化と同じように攻める。

46角、同香、24角、23玉、46角、33玉、

引いた角は玉方の目論見通り同香ととられるが、角1枚が結果的には香4枚と交換になった。

23飛成、

まずは仕掛の片割れ25飛車を気持ちよく焦点に成捨てる。

   同歩、25桂、22玉、13角成、11玉、
12香、21玉、22香、31玉、

同玉は24香と短く打って桂跳ねまで。
同銀は25桂から43香で同桂でもさらにおかわりがある。

41歩成、同銀、21香成、同玉、33桂打、32玉、
31馬、

もう1枚の角も見事に見得を切る。

同玉、41桂成、同玉、42銀打、32玉、33銀成、21玉、

もう簡単だ。

22香、12玉、13香まで67手詰

作者は次のように語る。

本局のテーマは30手近くに及ぶ二枚角の運用だが、途中に現れる香の連続合駒が目立ちすぎたかも知れない。

あくまで四香連合は2枚角の躍動を彩る飾り付けの一つだという認識のようだ。

この連載はとにかく知らなくては話にならないでしょうという作品を紹介するものなので、これで終わるが、山田修司「新四桂詰」とか山本昭一「二人三脚」とか添川公司「17角」とか、本作と並べて考えて見たい作品はたくさんある。
それらは機会があったら「雑談」で触れたい。

また、収束33銀成に作意は21玉と逃げて以下3手詰だったが…

31玉と逃げると
31玉、42銀成、21玉、32成銀寄、12玉、22成銀寄まで69手

これは間駒も関係しない純粋な変長だ。
これについても議論するとしたら「雑談」カテで行なおう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください