詰将棋入門(163)で三代伊藤宗看の無仕掛長篇作品を紹介した。
無論、当時は無仕掛図式で61手も掛かる作品は雲に頭を突っ込んでいるような巨塔だったが、現代ではこの条件でさらに長手数な作品も存在する。
その中から本日は3局を並べてみよう。
田中至「ヒマラヤ」 詰パラ1966.4
要の54角を序盤に捨駒として配置するのが凄い。
扇形往復コースの龍追い。
ちなみに現在の無仕掛図式の最長手数記録を保持している作品は変寝夢「K2」おもちゃ箱2002.3。
添川公司 近代将棋1984.1
この端正な初形と誂えたような収束に驚く。
序も充実しているけれど収束まで右上できちんと詰むのが凄い。
もうデビューしたてから添川さんはこれだものね。
相馬康幸「エントロピー」 詰棋めいと1987.11
相馬康幸も箱庭ものとオイラは呼んでいるが無仕掛図式をいくつも手掛けている。
その中で1作といえばこの作品だろう。
無仕掛長篇には他にも歩の連取りやら馬鋸やらいろいろある。
河原泰之「KYOTO」は別カテゴリーで紹介したい。