詰将棋つくってみた(62) 課題14:限定打

課題14:線駒の限定打を含む詰将棋を創ってください。

[注意]線駒の限定打とは飛角香の持駒を打つ手順が入り、その駒を打つ場所に2つ以上の選択肢があり、なおかつ正解は1つだけということを意味します。
[注意]ただし今回は「短打」は除くことにします。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は1月30日(日)
  • Judgeは谷本治男さんです

例 NG 3手詰

初手、角の打ち場所が33、44、55、……、99まであります。
これは打点非限定で評価上減点されることはあっても詰将棋としては問題ありません。
ただし、今回の課題には不適格です。

例 NG 3手詰

線駒である香の打点は12と13の2つあります。
しかし、今回は「短打は除く」としましたので、12を排除すれば打点は13しかありません。
「2つ以上の選択肢がない」という条件を満たさないと判断します。

例 限りなくNG

この場合はどうしようか悩みました。
玉方44歩の配置だったら上の例と同じで明白にアウトです。
しかし43歩で限定しているので、形式的には22~99までの角打ちが可能です。
しかし上の例で玉方14歩を玉方15とに変えた図をセーフとできるでしょうか。
この図をアウトとすることはできません。なぜなら一見どこにも玉方の駒が効いていて打てないように見えるが、実は1箇所だけ正解があるという作図も可能だからです。
ただし、実際には解答者は44~99は自然にオミットするので「限りなくNG」としておきます。

例1 風みどり 3手

この条件をみたす安易な方法は「可成地帯」を利用する方法です。
57角では68歩合が利くので同角成とするには13に打つしかありません。
2手逆算して5手詰にしたのが次の図です。

例2 風みどり 5手

さらに5手にして可成地帯でも12・23の選択肢を増やすことを考えました。
はじめは玉方88歩があったのですが、よくみたら2手目34銀合で変長だったので、意味ないと消しました。
5手の例題を作りたかったのですが、時間切れで変長作しかできませんでした。ごめんなさい。

例3 角建逸 夕刊フジ2020.4.13

初手わざわざ44角と歩頭に限定打を放つのが見事です。
これは23玉と変化したときに35に利きを作る目的でした。
玉方54歩のような配置があれば、同じ手順でも受ける感激は全然異なります。
詰将棋はある手順を実現することが目的ではないという当たり前のことを確認できます。

例4 秋元龍司 詰パラ1976.8

3手目の55角が限定打です。
面白いのはこの時点では55に限定する理由は何も見当たらないのです。ところがこの角が64に動いたときに限定の意味付けが判るという仕組み。傑作です。

例5 小林敏樹 詰パラ1986.4改

さらに上級者向けの例題として本作を紹介します。
角・飛の2枚の限定打により1歩を入手するという狙いです。

初手から36角、24玉、25飛、14玉では次の図になり失敗します。
【失敗図】
以下、15香、同桂とすると、22角が邪魔で22飛成ができません。
実は【失敗図】で持駒にあと歩が1枚あれば15歩以下詰むのです。
この1歩を入手するために角と飛車をある地点に限定で打たないといけないという傑作でした。

これはまさに今たま研で募集している課題そのものですね。

たま研向けに創作して、失敗したらこちらに投稿というのも歓迎します(^^;;。

角建逸 夕刊フジ2020.4.13

秋元龍司 詰パラ1976.8

小林敏樹 詰パラ1986.4改

「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが(検索すれば見つかる)、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)

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