高木秀次『千早城』に登る(6)


※この連載は風みどりが1題ずつ高木秀次作品集『千早城』(1993)を読んでいくものです。

第6番  詰パラ1965.5


香と飛で2筋も3筋も制圧しているのだが2枚の角が邪魔をしている形。これらはいずれも捨てることになるのだろう。
初手23角成をしばらく考えていたが、どうにも詰まない。56金がいるのでこっちの方に来るのだろうが、33玉から44玉と逃げられると43桂の防御が利いていてうまくいかない感じだ。
33は飛車を捨てて埋める感じだろうか。

実は35玉・45馬までの詰上り図を想定していたのだが変更するべきかもしれない。もしそうなら56金などと目立つ駒は配置しないで46歩にするだろう。

そこで初手の23角成を疑ってみた。
絶対に見える初手を配することはありえるが、短編ではあまり考えるべきではなかった。
すると12角成、同玉、32飛成、同香、34角、同香、14香の変化がぱっと閃いた。
これだ。
32飛成に13玉が難しかったが(単なる並べ詰みだった)、あとは一瀉千里に解決した。

初手の踏み込みの鋭さ。
大駒を4回捨てて小駒のみの詰上りは爽快です。

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