詰将棋雑談(76) 14桂のルーツを求めて

詰将棋入門(200)で22玉に対し、広く利かせる34桂ではなく端に打つ14桂という渋い好手が登場した。

この14桂を活かした名作といえば34桂と14桂を打換える手順を繰り返す北千里作(中編名作選II 第11番)がある。
そして北千里作にトリビュートした新ヶ江幸弘作(中編名作選II 第32番)だろう。新ヶ江作は角を手に持っていない所が新しい。

2作ともまだこのブログで紹介していないような気もするが、今夜はちと方向性を変えて、この14桂から32角という手順を最初に使ったのは誰かということを探してみた。

で、見つかったのが次の図だ。
これが一番古いとはとても思えないのだが、検索技術が未熟なのでまぁ当面の報告ということだ。
(きっと誰かが教えてくれるだろうという、この安易なオプティミズム)

北原義治 詰パラ1956.5改

並べてみると土屋交弘作の手順をすべて内包している。
残念なのは51香だ。
元々は51歩61歩で31銀もなかったが余詰があり修正された図が本図。
「一段目だけの配置」という募集への投稿作だった。

本作は12手目32玉で不詰との指摘がありました。

近藤孝 近将1961.10

これは主題はまったく違うのだが、収束に14桂からの手順が登場している。
とてもお得な気分だ。

近藤真一 詰パラ1994.7

最後にこれも一つの完成品と思える作品を。

初手が1歩補充する好手。
10手目飛合も煙るために誤解者続出であったとのこと。

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