いっこの積木(141)

第7章 短篇前期(9手~11手詰)

新しい章に入る。
終わりも近づいてきた。
短編前期–詰パラでの分類だと「中学校」にあたる作品である。

風みどり 詰パラ1981.3

一頃「不動玉打捨てもの」というちょっと捻くれた作品を狙って作っていた。
捨駒は打ち捨てより捌き捨ての方が印象が良い。
不動玉にも何の意味もない。
そういう世間の評価に逆らっていきたい年頃って誰にもある……よね。

その中でも本作はもっとも好評を得ることができた。
同じ物を90度回転させて作ったものは不評だった。

人の心を動かす要素というのは本当に微妙なものなのだと学んだ作品だ。

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発表時の解説を採録する。(誉められているので)
★は担当の清水一男氏。

水谷一 深みのある好作。29角の一発は迫力あり。
★37桂がいなければ27龍で詰む(作意を知っている担当者の一方的な見方か?)。
そこで、この桂の移動を考えてみるが、初手29角は、38歩合で角を手ぱなしたスキに36玉と脱出される。ならば、脱出したい36へ銀を捨てれば、今度は角が手にあり同玉とされても45角、47玉、36銀と攻めてよし。
36銀に続づく58金が好手で待望の29角を実現。一枚きりの金だから、58金の捨ては銀で代用したいところ。だが、代用品なら58同とでなく香車で応じて詰まなくなる。裏がえせぱ、58金に同香では、香の動いた後へ銀を打つ手が生ずるのだ。
★29角が打てれば、今度はと金を48へもどすが、それにしても、金銀の使い方にコクがあり見事です。駒の配置も、これ以上改良はなかろうと思うほど十分ネリつくされている。
今泉博史 変化、紛れ、作意とも文可なし。
佐藤重信 変化はあるが、29角がきめ手。
須田信雄 3手目の金の先打ちがポイント。
鈴木信幸 龍を七段目に使うとは思わなかった。
三村鎮雄 九手詰としては、むずかしい。Aランクの上の点があればつけたい。

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