詰将棋入門(204) 邪魔駒モノの模範的構成

土屋交弘 詰パラ1994.5

今日も土屋交弘。易しいので初見の方はまず解いてみることをお薦めする。

初手は24桂しかみえない。この桂は持駒でも良さそうだ。
手を狭め、余詰の危険性を上げてまで盤上に配置したのは恐らく次の紛れを考えてのこと。
折角だから一度は入っておこう。

34角、同歩、24桂打、23玉、32桂成、12玉、

【失敗図】

12金がよく働いていて不詰。

作意は素直に24桂だ。

24桂、22玉、23歩、同玉、

この4手目の局面で24歩が邪魔駒になっている。
邪魔駒は初形には存在せず、途中から邪魔駒になるのが良い。

32銀不成、22玉、23銀成、同玉、

24桂を消すために、まずは41銀を消す。
41銀は4手目の局面では邪魔駒を消すための邪魔駒になっていたのだ。

41角成、24玉、23馬、同玉、

ダイナミックな大駒の捌きで24桂を玉によって消去してもらう原型消去
これで邪魔駒が消えた。

14角、同玉、15歩まで15手詰

邪魔駒が消えたことで終わりではなく、そこから大駒捨ての詰将棋になる。
よくみると詰上りに攻方の駒に働いていない駒がいない。
これが気分を良くしてくれる。
本作のように詰上り図に攻方の駒が2枚の作品を清涼詰という。

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