年賀状に自分の子どもの写真を印刷して送りつけてくる人っていますよね。自分の子どもって予想以上に可愛いものだから,きっと誰が見ても可愛いに違いない。子どもの顔を見ているだけで幸せになれる。そうだ,皆にもその幸せを分けてあげよう。…そういう思考でしょうか。
でも実際はその子どもを可愛いと思うのは親だけなんですね。年賀状で送られてきても「これ誰の子どもなんだ?」と表で名前を確認し,「ん~どんな奴だったっけ?」と困惑するだけ。
どうせなら友人自身の写真を送ってもらいたいわけです。写真を見て,ああこいつもだんだん老けてきた。腹も出てきた。髪の毛も薄くなってきたと笑いたいんです。
どうかこれから子育てをされる皆様におかれましては,年賀状に子どもの写真を載せるという愚かな行為だけはなさらないでいただきたい。こう思う次第です。赤ん坊にだって肖像権はあるのに,親だからといって本人に無断で写真を撮られ,それを拡散するなんて法的にも許される行為ではありません。
でもしかし,私がこんなことを語っても,私が過去にしでかしたことを知っている向きには説得力がない言葉でしょう。
昔,娘が生れた時,そのあまりの可愛らしさについついやってしまったのがこれです。
当時の詰パラは表紙に作者の写真も掲載していたのですね。全国の詰将棋ファンに詰パラの表紙で娘の顔を公開したのは800号も近い詰パラの歴史の中でたぶん私だけでしょう。
その後,長男が生まれました。このときは少し冷静になっていました。男の子でしたし。詰パラの表紙を私的に利用するなんてよろしくない。そこで何をしたかというと次の写真です。
当時,私は某進学塾に勤めていました。そこでは創立者グループ由来の正式なテキストの他に追加で自由にテキストを作成・配布することが許されていました。ちなみに中身は『正多面体の表面積・体積』です。
詰パラの数千部と比べて,こちらは配布したのは50~100部程度ですからかなり規模は縮小されました。しかし配布された中学生たちはいったいどのような気持ちでこの表紙を眺めたのか……今になってはわかりません。
さて,この文章はここからが本題です。
この後,次男が生まれます。ところが次男についてはこのような愚挙はなにも犯していないのです。その理由は私が大人になったという事もありますが,なにより仕事が忙しくなった…これに尽きます。
まず写真を撮る枚数自体が少なくなります。誕生日パーティも長女の時は毎月やっていたのに,次男は年に1回しか開きません。これでは誕生日ではなく誕生月日パーティです。
写真で思い出しました。当時は銀塩カメラですから写真を撮るとプリントして保管します。しかしいちいちアルバムに整理するのは面倒なので段ボール箱にまとめて入れていました。数年後にこの写真を長男と次男のアルバムに分けて整理しようとしたときに気づきました。ベビーベッドも同じだし,ベビー服もお下がりを着せていたのでおんなじです。長男と次男の区別がつかない!今でしたら写真には撮影日とか撮影場所とかデータがついていますから簡単ですが,プリントされた写真にはそんなデータはついていません。これには本当に困りました。大きくなってからは顔も全然違ってきましたが,赤ん坊のときの顔は変わらないのです。
結局,変わらないなら適当でいいやと勘で分けました。
これから子育てをされる皆様に伝えたいことは次のことです。
3人目も大事に育てよう
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詰将棋パラダイス82年5月号。表紙の美人の長女さんの写真は、気の利いた最後の2行とともによく覚えています。詰将棋作品は全く覚えていませんが(笑)私の長男は、82年4月生まれです。この表紙の少し前に生まれました。風みどりさんは「祐」を、私は「裕」の文字を子供の名前に使っていることに、勝手に親しみを感じました。それにしてもお若いご結婚だったんですね。素敵な奥様を速攻で射止めた…? 楽しい文章、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
なぜかスパム判定されていて気づくのが遅くなり申し訳ありません。