高木秀次『千早城』に登る(15)


※この連載は風みどりが1題ずつ高木秀次作品集『千早城』(1993)を読んでいくものです。

第15番 不明

図面だけをある程度まとめて棋譜ファイルにしている。
今回はその図面が間違えていて苦労した。
初手35飛では同金でどうにもならない。
初形が左右対称なので初手は駒取りでも24飛しかなかろうと思ったのだが、同歩でも同玉でも全然詰まない。もしやと図面を確認したら32桂が抜けていた。なぁんだ。

それなら24飛でよさそうだ。

同玉なら25銀が気持の良い手。

先程は33玉と逃げられて駄目だったが、32桂があるのなら33玉には34金、同角、同銀で同玉なら35飛、24玉なら15角で捕まっている。

なので2手目は同歩。
35飛、23玉で次図。

こちらが作意っぽいなと思っていたのた。
1筋でいろいろ仕事する形だ。
というか、つい最近これ解いたではないか。
25桂を置いて33飛成で収束する形だ。

ということは……3手目は45銀。

同角と呼んでおいて14金、同玉に36馬。
やっぱり全く同じ手順構成だ。

角の守りをそらせておいて33飛成で収束。

こちらは詰上りがワイングラスになる。

初形も左右対称で終形がワイングラス。手順も45銀から36馬という好手妙手で、素晴らしい傑作なのだが、明らかに13番の焼き直し。
どちらを選ぶか迷っているうちに忘れて両方とも収録してしまったのだろうか。

しかし本局にも余詰がある。
15桂があるから角を45に呼び寄せておく必要がない。

すなわち45銀、同角を省略して作意通りに進めれば36馬に25合するしかなくこれは詰んでいる。

修正は初形の象形が崩れるが、27桂を持駒にするのが一番自然だろう。

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