詰将棋創作チョー入門(39) 金頭桂でつくってみよう結果発表

最古の手筋「金頭桂」で作ってみようという思いつき企画。
思いのほか投稿が集まったので解答募集しました。
さっそく結果発表にいきましょう。

第1問 RINTARO

正解
14桂、同玉、15金まで3手詰

金頭桂と言っても動かす駒は金とは限らないので次のように課題を表記しました。

○○桂、同☖、○○金までで終わる詰将棋を作ってください。

……ということで確かに課題に合致した投稿です(^^)。

不透明人間 たしかに金頭桂。
松崎一郎 飛の睨みを遮らない桂跳。
negitarou 金頭桂からの同玉(その1)
ぎょうざ 課題に沿った問題でしたね(笑)
まつきち 苦心の初手限定。しかし妙味は薄い?
占魚亭 金頭に跳ねる。内容としては素直な3手詰。
松澤成俊 つい1五金などとしゃれてしまいそうになる(笑)
RINTARO 玉方13金33桂は玉方13桂1枚で代替できます。

 

第2問 マンダリンピエロ

正解
34銀不成、14玉、24金、15玉、27桂、同金、
25金まで7手詰

新しいお名前の方から投稿いただくととても嬉しいです。

松澤成俊 配置は金銀のみにできないか?
占魚亭 重い感じがするけど仕方ないか。
松崎一郎 二枚銀の輿に軽やかに乗った金。
negitarou 最終手(七手目)の感触が好きです。
ぎょうざパン きれいに金頭桂が決まっていますね。
まつきち 素直な手順。課題に忠実。銀を一枚捨てたかった。

RINTAROさんから改作案をいただいたので参考までに紹介します。

第3問 negitarou

正解
31金、同玉、43桂、21玉、31金、11玉、
23桂、同と、21金打まで9手詰

金頭桂2回入れようという作品ですね。

占魚亭 桂を打つ順番が大事。
松崎一郎 スッキリ軽快な手順。
まつきち 詰上りがちょっと重いかな。
negitarou 自作。「と金」頭桂・2回が狙いです。
ぎょうざパン 金の重ね打ちの詰上がり、意外でした。
松澤成俊 これだと残念ながら詰む将棋。かといって改良案も思いつかない。

RINTAROさんから改作案をいただいたので参考までに紹介します。

第4問 RINTARO

正解
23銀不成、同金、12龍、13金打、26桂、15玉、
13龍、同金、14桂、同玉、15金まで11手詰

間駒による錬金術でした。★★★★

占魚亭 10手かけて桂を金に変換。
松崎一郎 角頭の桂打ちのタイミング。
不透明人間 タイトルと課題の齟齬を衝く。
ぎょうざパン 金合を強要する手順は面白いですね。
松澤成俊 龍を切ってすぐに打ったばかりの桂をから跳ねする味が良い
negitarou 金頭桂からの同玉(その2)、不思議な感触の詰上がりだと思います。
まつきち なるほど、金頭桂ですね。不思議な味はあるも、捨て駒の快感は乏しいか。

第5問 松田圭市

正解
37桂、同銀不成、36銀、26玉、38桂、同銀成、
27銀、同玉、39桂、同成銀、28金まで11手詰

金頭桂3回を玉方銀不成を入れて表現してくれました。★★★

占魚亭 銀を釣る。
不透明人間 成金頭桂。
松崎一郎 銀頭の桂2度ならず3度。
ぎょうざパン リズムが良い手順ですね。
まつきち 銀頭桂の三連打。生→成の流れがイイ感じ。
RINTARO 36銀を3桂を駆使して39へ。上手いですね。
松澤成俊 銀捨てをはさみながらリズミカルに桂を打ち捨てる
negitarou 玉方・銀が「不成」→「成」と続くのが面白いですね。特に七手目の「両王手で同玉と取らざる得ない」ところのロジックが素晴らしいです。

第6問 不透明人間

正解
21飛成、同玉、22銀打、同金、31角成、同玉、
32銀打、同金、42金、同金、43桂、同金、
32金まで13手詰

同金を4回まで増量。仕上げも桂香図式。★★★

まつきち 素材逆算のお手本。
不透明人間 実戦型に逆算しました^^;
RINTARO 実戦形への逆算。上手いです。
松澤成俊 金が右往左往して前に進むと終わり
占魚亭 手の流れがきれいな王道の手筋物。
松崎一郎 金の呼び戻しは、玉から引き離す序奏。
ぎょうざパン 一番きれいな金頭桂ですね。42金に逃げる変化も要注意ですね。

第7問 奥鳥羽生

正解
26桂、同金、24金、15玉、27桂、同金、
25金、16玉、28桂、同金、26金、17玉、
29桂、同金、27金まで15手詰

これは楽しい金頭桂4回。2手目の変化さえクリアすれば初心者でも楽しめそう。
怖いのは同一作ですが、黒川一郎などを調べてみましたが見つかりませんでした。★★★

不透明人間 金桂送り。
松崎一郎 楽しく平易な趣向詰。
松澤成俊 これまたリズミカルで楽しい
占魚亭 楽しい軽趣向作。金頭桂で釣る。
ぎょうざパン 桂捨て→金引きのリズムが良いですね。
RINTARO 被りましたね(笑)22飛19馬で1枚減らせるんですね。
まつきち 8番と衝突だが、19馬一枚で済ませたところを買います。

第8問 RINTARO

正解
22金、13玉、23金、14玉、26桂、同金、
24金、15玉、27桂、同金、25金、16玉、
28桂、同金、26金、17玉、29桂、同金、
27金まで19手詰

第7問と正面衝突。
もっとぶつかるかと思いましたが、今回はこの2作だけでした。

不透明人間 前問より1枚多い。
まつきち 頭4手は7番にも応用可(笑)。
松澤成俊 おなじようなことを考えるものですね
松崎一郎 前問と酷似。偶然の一致か運命の合致?。
占魚亭 第7問の手数を延ばすとこうなるわけですね。

第9問 有吉弘敏

正解
98銀、86玉、54角、88銀成、97銀、同玉、
89桂、同成銀、98金、96玉、97香、86玉、
78桂、同金、87金、75玉、42馬、53桂、
同馬、同龍、67桂、同金、76金、64玉、
56桂、同と、65金まで27手詰

斜めの金頭桂4回。
おそらく縦4回は被るだろうと斜めにしたのだと思います。
それにしてもこの課題でチョー入門の範囲を超える本格的な作品に仕上げてくるとは流石は有吉弘敏ですね。

(私は「これはレベル高すぎなので返送」はできない体質です(^^)。どうぞ看寿賞級の傑作もどしどし「チョー入門」でも「詰将棋つくってみた」でも投稿してください。お待ちしています)

後で逃げる変化で74金と打つために43角成としたいところを54角で留めておくのが好手。
その後も細かい変化があるのでなかなか大変です。
桂捨てに逃げる変化があり、74と、同玉、56桂、74玉、84馬という筋があるので51馬を最後の桂馬と交換するタイミングは決められています。(誤解者1名)★★★★★

松澤成俊 斜めに並んだ金駒が全部一歩前進して美しい
ぎょうざパン 桂が1枚足りない」と思ったら合駒で稼ぐ手があったんですね。
占魚亭 54角が気持ちのいい一手。42馬からの桂を補充する手順が上手く入りましたね。
松崎一郎 序盤で金駒を手放す不安感あるが小粋な桂の補充と金頭桂の手筋連発で解後感スッキリ。
まつきち 真打ち登場(笑)。98銀を金に打換えてから楽しい趣向のスタート。42馬の手順前後が利かないのもうまく出来ている。
RINTARO 斜め連打の金頭桂ですね。配置で気になったのは、79銀は99銀の方がいい気がしたのと、55とは金にすると余詰があるんですかね。

私は79銀の方がよいと思いますが……形も良いし、初手99香などの余地もありますから。
45金でないのは……当初55金で創作していた名残と想像します。(だったら何故55金でないのか??)

総評

まつきち 出題数は今回のように10作前後が嬉しい。◎は5・6・7につけました(笑)。9番は別格なのであえて印をつけず。
RINTARO イレギュラー作品は私だけでした(笑)第7問を見たときは驚きました。1枚減は大きいので、奥鳥羽生さんの作品の方が上だと思います。また、いい素材を見つけると改作したくなる悪い癖をお許しください。あくまでも、私の案ということで、ご了承ください。某有名作家は言いました。「できたと思った時が創作の出発点」だと。

RINTAROさんから第9問有吉作を簡素化した図が送られてきたので紹介します。

これなら初心者向きといえるかもしれません。
どうしても変化はできてしまうので、ちょっと難しいかな。

当選者発表

厳選な抽選の結果、RINTAROさんが当選しました。
RINTAROさんには粗品を送ります。
日本郵政メールが届く住所をお知らせください。

「詰将棋創作チョー入門(39) 金頭桂でつくってみよう結果発表」への2件のフィードバック

  1. 皆様、短評をいただきありがとうございました。
    RINTAROさんの改作図も、興味深く拝見しました。
    飛車が不要になれば、玉方の銀も不要になりますし、1一から玉を引きずり出す感触も良いですね。(穴熊の雰囲気もあり)

    引き続きよろしくお願いします。

  2. (自作ですが)
    金頭桂✕2回しか頭になくて、改良の余地についてはほとんど考えておりませんでした。

    頭を柔らかくしておきたいですね。

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