詰将棋つくってみた(126) 課題28:象形図式

課題28:初形が象形の詰将棋を作ってください。

いわゆる「初形曲詰」と呼ばれる物です。
「曲詰」は曲芸からの造語でしょうか。
初形が文字や形・模様を表現した物と詰上りが文字や象形になるものがあります。
後者を「炙り出し」と区別していましたが、現代では曲詰というと主に炙り出しをさすことが多いように思います。
いずれ炙り出し曲詰も課題にしてみたいとは思っていますが、今回は初形を決め、持駒を工夫することから作り始める「初形曲詰」としました。

  • 手数制限はありません。
  • 未発表作に限ります。
  • 投稿先はkazemidori+kadai@gmail.com
  • 締切は3月30日(木)
  • Judgeは河内勲さんです

例題 風みどり 詰パラ1981.2

左右対称の配置になっています。
何の象形かは謎。
7手詰なので解いてみてください。
なお詰上りも謎の象形になっています。

例題 駒場和男「王」枻将棋讃歌1981.7

この作品、作品集『ゆめまぼろし百番』の第1番に選ばれていますが、そこでは「九連環」とタイトルが変えられています。「王」の方がイイと思うのでここでは枻からの引用という形にしました。
この作品も詰上りも左右対称形です。作者の主張は途中も左右対称形が9回出てくるということのようです。(それで「九連環」のようですが、これはやはり再帰作品につけるタイトルですよね。)

ところで象形作品ですからといって詰手順に無関係の飾り駒は許されません。
最近「花駒」という言葉もあることを教えていただきました。これはイメージをよくして市民権を得させようという動きのようです。

次の作品はまさに飾り駒禁止を逆手に取った作品。

鳥越九郎 詰パラ1965.1

1手詰ですから、ぜひ自力で解いてください。
確かに飾り駒はないようです。1枚でも欠けると不詰になってしまいます。

次は本格的な初形曲詰を紹介しましょう。

工藤紀良「あり地獄」 詰パラ1971.6

いや手順はともかく(?)、この初形のインパクトは強烈です。
手順も駒交換が多いのは必然として、手順前後はありますが余詰が無いだけでも驚きです。

しかしこのような密集形でも名人上手の手にかかると楽しい手順が表現できてしまうのです。

添川公司「ピレネの城」近将1982.7改

序を抜けるとと金剥がしの趣向作が現れます。
詰上りもピッタリ。

例題 風みどり 詰パラ1981.2

例題 駒場和男「王」枻将棋讃歌1981.7

鳥越九郎 詰パラ1965.1

工藤紀良「あり地獄」 詰パラ1971.6

添川公司「ピレネの城」近将1982.7改


「未発表作」とあるけれどtwitterで流した作品はダメですかと質問がありました。
昨今はtwitterも既発表とする風潮ですが、つみき書店はそんなに厳しくしても仕方ないのでインプレッション3桁まではOKとします。(1000を超えていたら既発表扱い)

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